中国の一帯一路の戦略が事実上破綻している理由
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ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(4月29日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。IMFと中国の一帯一路について解説した。
中国の一帯一路計画は破綻している
飯田)中国の一帯一路についての国際会議ですが、成果を強調して閉幕というニュースも入ってきています。習近平国家主席と37か国の首脳級の円卓会議を開いて3日間の日程を終えたと。7兆円以上の事業協力だそうです。
須田)ほとんどメディアは取り上げていないんですが、もう中国は一帯一路計画について、事実上ちょっと戦略は破綻しているんじゃないかと私は見ているんですよ。
この一帯一路と表裏の関係になっているのはAIIBというのがありましたよね。これは世界銀行と対立するかたちで、とにかく資金をどんどん出していきましょうと。基本的なところは中国の資金援助かもしれないけれど、それに付随するところの必要な資金はこのAIIBが融資をしていきましょうと。
ところが借りる側、資金援助を受ける側にとってしてみると、いろいろな国々で起こってきているように、あまりにも過剰な債務すぎる、という状況になって、その資金繰りがつかなくなるケースがあるんですよ。
そうなったときにどうするのかということですが、中国が考えていたのは、IMF、中長期的な資金繰りについては世界銀行ですよね。いってみれば、こういうインフラ整理に使う資金。
ところが、貿易等々をふくめて短期的な資金繰りに使うとなった時に登場するのが、国際通貨基金IMFなんですね。IMFで主導権を握ることによって、そこをうまく回転させようとしたんですよ。
飯田)IMF側も牛耳ることで、両方で回そうとした。なるほど。
須田)返せなくなったら。その中においては、出資比率を引き上げるということで動きをずっと中国はやってきたじゃないですか。アメリカがそれをストップかけたでしょう。
飯田)この間ストップかけたばかりですね。
須田)あれはこの問題にリンクしてくるんですよ。
飯田)短期的な資金繰りをIMFに助けてもらえばAIIB及び中国としてはそんなに損をしないという。
須田)そしてその国にとってもですね、いいことではないかと。
飯田)ええ、資金の食い止めであったりとか、回していけるのであれば。
須田)IMFは先進国が金を出すわけですから、お前たち金出せってことですよ。
飯田)なるほど。アメリカ、日本などを金づるにして。壮大な計画を立てましたけど破綻しましたね。そこがポイント。IMFのニュースってそう繋がってくるんですね。
須田)そうです。そこを誰もリンクさせていないでしょう。
飯田)誰もさせていないです。中国もそういうのを巧妙に考える国ですね。一筋縄ではいかないですね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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