皇位継承問題 政治的な課題の多い中で検討する時間を割く必要性
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ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(5月2日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。引き続き皇位継承について解説した。
新天皇陛下が即位後朝見の儀で初めてのお言葉
新天皇陛下は昨日1日、皇居宮殿松の間で皇位継承の重要儀式、即位後朝見の儀に臨まれ、天皇陛下として最初のお言葉を述べられた。
飯田)まずは、改めて即位後朝見の儀の天皇陛下のお言葉をお聞きいただきましょう。
天皇陛下)日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより、ここに皇位を継承しました。この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。ここに、皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望致します。
飯田)即位後朝見の儀においての天皇陛下のお言葉、まずはお聞きいただきました。まずお聞きになっていかがですか。
鈴木)僕はやっぱりこの身に負った重責、っていうのが非常に印象的でした。これまでずっとこの上皇陛下がやってこられたことを継承しながら、そして新しい時代も、という橋渡しということですよね。これは去年のお誕生日の会見なんかも含めてですけども、いわゆる継承していくということも、新しい時代も、とこの辺が陛下のキーワードになっていますよね。
そういう意味では難しい、これまでに無かった1つの皇室の形を、特に外交もそうですけど、国際派といわれているなかでその辺が色々お考えになられているんだろうなと。まさに重責ということでしょうね。そこが僕はいちばん印象に残りましたね。
飯田)上皇陛下のありように割く時間というのが非常に長くて、もう少しご自身のお気持ちとかをお話になるのかと僕も思っていたのですがそうではなくて、まずは上皇陛下をある意味たててというか、そこに重きを置いていましたね。
鈴木)それは色んな専門家の方の分析があるんでしょうけれど、私がちょっと思っているのは生前退位というなかでの、やっぱり皇位継承ですよね。だからそういう意味では前のように崩御という形で引き継がれるということであれば、1回そこで切れるというのかな、断絶するわけじゃないですか。そして新しく、と。でもずっと引き継がれている、生前退位ならではの文脈なのかなという気はしましたね。
飯田)今日の新聞各紙などでは、昭和から平成への移り変わりのときの比較みたいなものをしていましたけれど、確かにそうですよね。例えば皇后陛下、黒いベールをつけていたりとかも全く違うし、当然お言葉も全く内容が違っていた、生前のご譲位のかたちっていうのはかくも晴れやかになるものだなと。
鈴木)昭和から平成になったあのとき報道現場で取材していましたが、どちらかというと崩御されて厳粛な空気の中で追悼という気持ちもあったし、1つの時代が終わったなというなかで静かに新しい時代を迎えました。
今度は違うわけですよね。そういう意味では当然祝賀ムードというのも勿論あるし、崩御によってというよりは、お疲れさまでしたというような思いもある。それからまさにこのお言葉のなかにあるように、継承という意味合いが強くなってきますよね。きっとそういうことを象徴しているんだろうなと、私なりにですけれど、そんなことを考えました。
これから各新聞などは一斉に皇位継承問題に移っていくでしょう。確かに生前退位というかたちになった、上皇陛下がVTRまで出演されて、その在り方を是非議論して欲しいではないけれど、提言されたわけですよね。
これにやっぱり難しいテーマだけれど政治がどう答えるのかと、それと俗に言われている女性天皇とか女系天皇とか女性宮家とか、いまの現状のなかでそれをどういう風に判断していくのか。時代ももちろんありますが今度は政治に課せられるんだ、という報道がきょうは多いです。
これは本当に議論があって、菅さんなんかは割と慎重な言い方をしているし、安倍政権はどちらかと言うと慎重ではないか。いわゆる女性天皇とか女性宮家ですね、菅さんも会見では慎重な言い回しをしていましたけれど。有識者といってもどういう人を選ぶのかと、国民的議論と言ってもこの辺もわからない人がまだたくさんいるわけでね。
保守派なんて書かれていますけれども、皇室に対してしっかりとした考えを持っておられる方たちは反対だという意見もある。そういう方たちの意見も聞いて、ちょっとありきたりな言い方かもしれないけれど、これをきっかけに議論をしていくというようなタイミングにしないといけないという気もします。
飯田)今回のことを決めた特例法のなかには、きちんと議論はして、皇位継承のあり方についても決めていくんだと憶測というか、きちんと一文として書かれていて、秋にもそういう議論をするスケジュールになっているんだということですね。
鈴木)ちょっと聞いたら秋ぐらいからだなということでしたけれど、これだけじゃなくて令和の政治課題はすごく多くて、もちろん皆で明るい時代にしていこうということなんですけれども、少子高齢化とか、止めようのないものがあるわけですよね。そのなかでどういう社会を作っていくのかと、政治はそこでも必至でやらなきゃいけない状況になってきます。消費税なんかもあったりね。
次のテーマもあるなかで、この皇位継承問題を時間を割いて、国民がこういう仕組みだったんだ、こうだったんだと考えるきっかけを作らなきゃいけない。どれだけその時間がとれるかというのは見通せないところではありますよね。
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