平成30年日本民間放送連盟賞ラジオグランプリ、平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 ラジオ部門 ドキュメンタリーの部大賞の2冠となった『ニッポン放送報道スペシャル「My Dream」』のスタッフが新たなドキュメンタリーを制作。今回は、福島から「ご当地エネルギー」を作り出し、エネルギーの地産地消を目指し、全国の先駆けとなるような動きに取り組む人の活動や思いを追いながら、災害列島・日本は、どのようなエネルギーシステムを築いたらいいのか、また、福島などの地方では、再生可能エネルギーが地域復興のカギになるのかを探る意欲作となる。
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故から8年。福島県飯舘村に出されていた避難指示は一部を除き解除されたが、住民はなかなか戻らず、村の振興は遅々として進んでいない。新たな産業の発掘となると切り札はなかなか見当たらないのが現状だ。そんな中、地元から「ご当地エネルギー」を作り出し、エネルギーの地産地消を目指し、全国の先駆けとなるような動きに取り組む人がいる。その男性は、事故の影響で有機農業を断念し、地域の電力会社で再生可能エネルギーの普及に取り組むが、大手電力会社の対応や農地法など様々な難問が待ち受けていた。
平成の時代は、国内各地で大きな災害が発生し、その度に被災住民は断水、停電、避難などを繰り返してきた。そんな中発生した2018年9月6日の北海道胆振東部地震では、北海道電力管内の全域が「ブラックアウト(大規模停電)」に陥った。北海道の交通機関は全面ストップ、商業施設や飲食店も軒並み営業 中止など多大な影響が出たが、太陽光発電の活用など様々な工夫で難を逃れた住宅や企業もあった。
番組では、令和の時代を迎え、災害列島・日本は、どのようなエネルギーシステムを築いたらいいのか、また、福島などの地方において、再生可能エネルギーが地域復興のカギになるのかを探っていく。
【番組概要】
東京電力福島第1原発事故に見舞われた福島県飯館村で地域電力会社「飯館電力」の専務取締役を務める近藤恵氏は東京生まれ。東京出身ながら、農業に興味を持ち、福島県二本松市で有機農業に取り組んでいる時に、原発事故が起きた。農家を断念したが、地域再生のため自分たちのエネルギーを模索し始め、再生可能エネルギーに取り組む「飯舘電力」に飛び込んだ。
災害の多い日本では、電力を確保するため、発電プレイヤーを増やすべきだと提言する専門家もいる。家族と仕事とのはざまで揺れ動いた近藤氏の、これまでの活動や次世代にかける思いを追いながら、「ご当地エネルギー」の現状を探る。
また、北海道のブラックアウトの時の体験や今後のエネルギーシステムの可能性なども紹介し、日本の未来を考える。
『ニッポン放送報道スペシャル 平成から令和へ ご当地エネルギーが日本を変える』
FM93AM1242ニッポン放送 2019/5/26 25:30-26:30
スタッフ:上村貢聖(プロデューサー)、森田耕次(ディレクター)、桜林美佐(構成)、上柳昌彦(ナレーション)
出演:近藤恵(飯舘電力専務取締役)、佐藤彌右衛門(会津電力社長)、高橋洋(都留文科大学教授)他