歯石を取る習慣は必要? 医師が回答
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ニッポン放送「草野満代夕暮れWONDER4」(5月13日放送)で、「歯石を取る習慣がありませんがこのままで大丈夫ですか?」について、医師が回答した。
番組宛にリスナーから健康に関する質問メールが届いた。
「虫歯になって、歯医者にいくと必ず「歯石をとっておきますね」と言われます。よくわからないので「はい」とだけ言っています。まわりの人に聞くと「歯医者で定期的にとってもらっている」とか、「自分でも取る」と言います。生まれて48年間、歯石を取るという習慣がありません。正直を言うと、歯石が具体的になになのかも理解しておりません。人生80年と見積もると余生はあと32年。今まで通り生きていっても大丈夫でしょうか?」(相模原市 ラジオネーム:ビリー 男性48才)
これに対し医師が回答した。
このままで大丈夫かどうか・・・の質問に答える前に、まずは歯石について考えてみましょう。歯垢と歯石の違いからお話します。歯垢は、プラークとも呼ばれる細菌のかたまりのことです。磨き残しの汚れに細菌がとりついて増殖したものを言います。ネバネバしていて、うがいだけでは取ることができません。歯垢1mg中に含まれる細菌の数は1億以上と言われ、うんちに含まれる細菌数に匹敵します。歯垢は口臭の原因というのも頷けますね。
その歯垢が唾液中のカルシウム成分で固められたものが歯石です。意外にも、歯石それ自体は無害です。しかし、顕微鏡で見ると歯石の表面は細かい凹凸があるので、歯垢がつきやすく、細菌の繁殖しやすい環境になっています。それにより、歯周病や虫歯のリスクが上がってしまうのです。
歯石がついているかどうかは自分ではなかなか見ることができません。表面はきれいだけど、歯肉縁下歯石という黒い強固な歯石が見えない歯茎の中に潜んでいることもあります。歯石の付き方は、その人の歯磨きの技術や唾液の成分によって異なります。
歯石を取る習慣がないことが大丈夫かどうか・・・は難しい質問ですが、口の中に問題ないかどうかチェックする意味で、定期的に歯石を取りに行くのには大きな意味があると考えます。
番組情報
素敵な音楽&豊かな暮らしを、あなたに!「草野満代 夕暮れWONDER4」
(放送は2020年7月2日まで)