続投が確実となったインド・モディ首相とは

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月24日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。インド下院選で与党インド人民党が単独で過半数を確保し、続投が確実となったモディ首相について解説した。

続投が確実となったインド・モディ首相とは

インドのナレンドラ・モディ首相(インド・ニューデリー)=2019年5月21日 写真提供:時事通信

ナレンドラ・モディ首相の続投が確実

5年の任期満了に伴うインド下院選挙は5月23日投票が行われ、開票された。地元メディアによると、与党インド人民党が単独で過半数を確保し圧勝したとのこと。この選挙で、ナレンドラ・モディ首相の続投が確実となっている。

飯田)ナレンドラ・モディさんは2014年にインド第18代首相になった人物で、現在68歳。決してエリートではなく、学生時代は自分でインドのミルクティ、チャイのお店を出し、生計を立てていたという苦労人。モディさんが全国区の知名度を持つようになったのは、2001年~2014年に、自身の出身地であるグジャラート州の州首相を3期務め、州の行政と統治の改善に全力を注いだためと言われています。ほとんどの演説が原稿なしの即興。モディさんが演説を始めると、騒がしいとも言われがちなおしゃべりな人が多いとされるインド人の方々でも、一斉に口を閉じる、聞き入ってしまうほどスピーチが上手いということです。かなりタフな方で、6ヵ月の選挙戦の間、1800回近い演説を行ったこともある。2014年、インドの首相になってからも、7%の経済成長を毎年記録するなど政治手腕が高く評価されています。

宮家)インド人を黙らせるということは、この人も相当おしゃべりな人なのだろうと思います。実は選挙戦の前は危ないと言われていました。慣れも飽きもあって、しかも対抗馬はラフル・ガンジーさんです。エリート対非エリートの戦いに彼が勝ったのです。良い意味でも悪い意味でも、彼もポピュリストです。
もともとはヒンズー至上主義者ですから、イスラムに対して非常に厳しい人だった。ただ、この人は単なるポピュリスト、ナショナリストではなくて経済的な手腕があります。具体的な数字を出している。日本との関係もいいし、安倍さんとの関係ももちろんいいのだけれど、それ以上にアメリカや日本が言い出している、インド太平洋、インド・パシフィック。これをインドでやってくれているのがこの人だから、インドが安定し、この関係を維持できるということは日本にとっても良かったと思います。

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