逃亡犯条例改正に反対デモ~香港で何が起きているのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月11日放送)ジャーナリストの有本香が出演。中国本土への容疑者移送する「逃亡犯条例」改正について解説した。

逃亡犯条例改正に反対デモ~香港で何が起きているのか

香港大規模デモ 一国二制度死守へ最終決戦  「逃亡犯条例」改正案に反対し、香港中心部をデモ行進する人ら=9日、香港(共同)

香港の大規模デモ~香港政府のトップが、条例改正の撤回には応じないと述べる

香港中心部で9日、日曜日、大規模な反対デモが起きた中国本土への容疑者引き渡しを可能とする逃亡犯条例の改正案について、香港政府トップの林鄭月娥行政長官は10日記者会見を行い、撤回に応じない方針を示した。

飯田)日曜(9日)のデモはもう、目抜き通りを埋め尽くすという。

有本)すごい映像でしたね。これは雨傘革命という2014年のときより遥かに規模が大きいですよね。香港に住んでいらっしゃる日本人も参加しています。外国人にとっても、他人事ではいですからね。今回の件は。

飯田)この逃亡犯条例は香港人だけを捕まえるというものではありません。

逃亡犯条例改正に反対デモ~香港で何が起きているのか

大きな事柄に発展すれば日本にも影響が及ぶ

有本)むしろ外国人には、自分たちの身にふりかかる可能性の高い問題です。前回は普通選挙をやるかどうかという極めて香港人にとって重要な問題だったわけですが、今回は違いますから。しかも中国が、なんでそんなに問題なのかというと、実状は中国側が、何らかの理屈を付けて、本来罪に問われなくて良い人を捕まえることを可能にしてしまうという条例でもあるわけです。
これは大変問題だということと、アメリカがどのようにこの問題に絡んでいるのかということは興味ありますね。この問題というのは深刻な問題ですから、私たちも推移はきちんと見守らなくてはいけないし、これが、もしすごく大きな事柄に発展すると、日本にも相当影響あります。

飯田)ビジネスだけでなく。

有本)ビジネスだけではなく、日本の内政にも相当影響を及ぼしてくる可能性があると思います。日本企業もおちおちビジネスもやっていられないという話なので。

飯田)一応、禁錮7年以上の重罰の場合だけ容疑者を引き渡すということになっていますけれど、港の写真撮っていたらお前スパイだろと言われて引っ張られますよね。

有本)引っ張られるみたいな世界ですから。

飯田)香港だったら民主的だから大丈夫だろうと思ったら、ここも中国だといわれたときには。

有本)もうどうしようもないですよね。

飯田)結局それはやらないように一国二制度というのがあったはずなのですが。

有本)一国二制度というのはほとんど有名無実化しているということです。

飯田)今回これで決定的になってしまう。

アメリカが市民にプログラムを提供している可能性は排除できない

有本)これに強く反対している勢力の人たちが、先日アメリカに行ってポンペオ国務長官に会っているではないですか。この辺りですよね。それから、2014年の雨傘運動のときも、あのときの学生のデモを、アメリカのある機関が、指導していたと、そういう情報もあるわけです。ですから、アメリカは今回の市民の動きに、同意するのかということではなくて、いろいろなプログラムを提供している可能性は排除できないと思います。日系企業もいままで通りにおちおちいろいろなことをやっていられないという話になって来るわけです。中国から、香港も含めて、引き上げるという勢いがより増す可能性があります。そういう部分も含めて中国経済も、先行き不透明感がどんどん増して来るという要素があるから、日本にもどれだけ影響して来るかいうことです。
今後もデモ以外にも、いろいろな抵抗をするぞと反対派側は言っているわけですが、そうなって来たからといって、中国政府も香港ではあまり手荒な真似はさすがにできないだろうと。

飯田)雨傘革命のときは結局のところ10月を前にして、強制的に排除ということにもなり、当時の行政長官の首が飛んだ。今回は、ああいうのを見ているとなかなかやりづらいということですか?

日本もメッセージを送るべき

有本)そういうことですよね。それともう1つは、これに対してすぐに反応したのは台湾の蔡英文総統で、ツイッターでもメッセージを出していました。私もリツイートしましたけれど、私たちは香港の抵抗している人と共にあると。それから一国二制度というのは、私が総統である限り、台湾のオプションとしてはない。中国側が勝手に言っているだけだと。こういうようなメッセージを発していて、これは、来年の台湾の総統選にも影響を与えますね。

飯田)次は自分たちだと切実に見ているわけですよね。

有本)そうですね。香港のように体制下に入っているわけではないから、そこは違いますが。中国がここでまたどのようになるのかということです。一国二制度なんていうものは、決して取るべき道ではないということは、台湾の大半の人が分かっていますが、これがよりはっきりするでしょう。
私はこういう問題が起こると常に思うのですが、イギリスやカナダやヨーロッパの国々では、政治家、あるいは政府筋がこれに対して懸念を表明しています。こういうときは、日本側も何かメッセージを発するべきです。日本政府がもしやりにくいとなると、日本の国会もこういう問題に対して、何かを言うことがあっていいわけです。自由と民主主義と人権と法の支配を大事にする国のなかでも、世界を代表する国の1つとして、日本の国会がこれに対して無言でいるということが私は信じられません。

 

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