男たちを狂わせるのは、黄金の山!?
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第649回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、7月5日公開された『ゴールデン・リバー』を掘り起こします。
名匠ジャック・オーディアール監督が放つ、西部劇 × サスペンス
第75回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)に輝いた、フランスの巨匠ジャック・オーディアール監督による『ゴールデン・リバー』。
ウェスタンとサスペンスという、いまだかつてない世界観を構築したことで世界各国のメディアから注目を集め、傑作との呼び声の高い本作が、ついに日本でも公開となりました。
1851年、ゴールドラッシュに沸くアメリカ、オレゴンのとある町。平穏な暮らしに憧れる兄イーライと裏社会でのし上がりたい弟チャーリーは、最強と呼ばれる凄腕の殺し屋だ。
あるとき、一帯を取り仕切る権力者から、黄金を見分ける“予言者の薬”を作る化学式を発見したという化学者ウォームを始末するよう依頼を受ける。連絡係を務めるモリスと一緒にウォームを追いかける兄弟だったが、ともに一攫千金に魅せられた男たちは、成り行きから手を組むことに。
しかし、本来は組むべきではなかった4人が行動をともにしたことから、彼らの思惑が交錯し、やがて疑惑や友情など、様々な感情が入り乱れて行く…。
本作は、ジャック・オーディアール監督にとっては初の英語劇。ハリウッド映画界において強烈な存在感を放つ4人の俳優が、名匠の元に集結しました。
兄イーライにジョン・C・ライリー、弟チャーリーにホアキン・フェニックス、連絡係のモリスにジェイク・ギレンホール、そして化学者ウォームにリズ・アーメッド。ときに激しく、ときに静かに個性がぶつかり合い、それぞれの持ち味を遺憾なく発揮しています。
男同士の友情や連帯というウェスタン映画ならではの面白さと、登場人物たちの善と悪がねじれて行くようなサスペンスフルな要素を併せ持つ、新感覚な西部劇。黄金に目がくらんだ男たちの運命は…。人間の“底なしの欲”があぶり出された心理サスペンスです。
『ゴールデン・リバー』
2019年7月5日(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
監督:ジャック・オーディアール
原作:「シスターズ・ブラザーズ」パトリック・デウィット(創元推理文庫刊)
出演:ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッド、レベッカ・ルート、アリソン・トルマン、ルトガー・ハウアー、キャロル・ケイン
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公式サイト https://gaga.ne.jp/goldenriver/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/