マーベル映画の隆盛を極めた“元祖”が、ついに終焉を迎える!
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第641回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、6月21日に公開された『X-MEN:ダーク・フェニックス』を掘り起こします。
『X-MEN』シリーズの決定版、ついに降臨
突然変異によって超人的能力を身につけたミュータントたちの活躍を描いたアメコミ「X-MEN」。1963年に登場以来、長きにわたり愛されて来たこのヒーロー・チームの物語は、実は現代におけるマーベル映画隆盛の“元祖”でもあることを、皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか。2000年にマーベルが本格的にハリウッドに参入した際に最初に放ったのが、何を隠そう『X-MEN』なのです。
その後も続編が次々と公開。『アベンジャーズ』シリーズよりも早い時期からユニバース展開された『X-MEN』シリーズですが、ついに終焉のときを迎えることとなりました。原作コミックのなかでも最重要作と言われている「ダーク・フェニックス・サーガ」に基づく、『X-MEN』シリーズの決定版とも言うべき注目作。それが『X-MEN:ダーク・フェニックス』です。
人類と共存し平和を守って来た、特殊能力を持つミュータントで構成されたX-MEN。そのなかでも最強メンバーであるジーン・グレイは、サイコキネシスとテレパシーの使い手で、X-MENのリーダーであるプロフェッサーXの右腕でもあった。しかし、ある事故をきっかけに、抑え込まれていたもうひとつの人格“ダーク・フェニックス”が解放されてしまう。パワーが増幅した彼女を救おうと仲間は手を差し伸べるが、ジーン自身にも制御不能なダーク・フェニックスは暴走をはじめ、思いがけない悲劇を引き起こしてしまう。さらにジーンのパワーを利用しようと、謎の女が近づいて来て…。
本作のキーパーソンとなるのは、ジーン・グレイ。優れたテレパシーと念動力の持ち主で、幼少期からミュータントのための学園で育ち、メンバーからの信頼も厚い優等生。しかし内に秘めた闇の部分がパワーアップした彼女は、“ダーク・フェニックス”として覚醒し、制御不能な状態に 。
そんなジーン・グレイを演じるのが、大ヒットテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で注目され、前作『X-MEN:アポカリプス』でジーン役に抜擢されたソフィー・ターナー。とにかく“ダーク・フェニックス”と化した彼女が、ひたすら美しい! 強力になればなるほどその輝きは増し、“破壊神”としての圧倒的なパワーに魅了されてしまうことでしょう。
さて、ストーリーとは別に気になるのが、『X-MEN』シリーズの今後の行方。と言うのも、今年(2019年)3月にアメリカのウォルト・ディズニー・カンパニーによる21世紀フォックス買収が、正式に完了したからです。
これにより、マーベルスタジオを所有するディズニーが、21世紀フォックスが抱える映画スタジオである20世紀フォックスも獲得。フォックスが所有する『X-MEN』や『デッドプール』といったアメコミ作品が、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に合流する可能性が高まって来ました。なかでも『X-MEN』シリーズは、ディズニーによってリブートされるのが濃厚とも言われています。
『X-MEN:ダーク・フェニックス』は、ディズニー買収以前に製作された事実上の『X-MEN』シリーズ最終章。そういった意味でも、本作は見逃せない1作です。
X-MEN:ダーク・フェニックス
2019年6月21日(金)から全国ロードショー
監督・脚本・製作:サイモン・キンバーグ
出演:ソフィー・ターナー、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、タイ・シェリダン、アレクサンドラ・シップ、エヴァン・ピータース、コディ・スミット=マクフィー、コタ・エバーハード、アンドリュー・ステリン、ジェシカ・チャステイン
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/darkphoenix/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/