この恐怖、トラウマ級! ホラー映画5選

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第662回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

様々な手法で観る者を恐怖の世界へと誘うホラー映画は、昔もいまも大人気。“ホラー映画=怖い映画”と一括りにしがちかもしれませんが、実は独自の描写やテーマ性が盛り込まれており、奥深い魅力を持つ映画のジャンルでもあります。

そこで今回は、あなたの夏をよりエキサイティングにする!? ホラー映画5作品を掘り起こします。

この恐怖、トラウマ級! ホラー映画5選

※写真はAmazonより

幽霊に魔女、怪奇現象…いちばん恐ろしいのは、人間?!

まずは、『死霊のはらわた』。男女5人が訪れた古いロッジの地下で見つけた“死者の書”という奇妙な本と、テープレコーダーに録音されていた呪文を紐解いてしまったがために、邪悪な死霊が復活。次々と若者たちを血祭に上げて行く…。

『スパイダーマン』三部作を手がけたサム・ライミ監督の長編デビュー作。細切れにされても動く肉片や叩き潰される指といった目を覆いたくなるような残酷描写に、おどろおどろしい死霊メイク。容赦ない血しぶきの応酬に圧倒されながらも全編にわたりどことなくユーモラスで、観るうちに怨霊たちに親近感が芽生えて来るのもご愛嬌?!

スプラッター映画という新たなジャンルを生み出した、B級ホラーの金字塔的作品です。

この恐怖、トラウマ級! ホラー映画5選

※写真はAmazonより

続いては、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』…子どもたちの前にあらわれる殺人ピエロの恐怖を描いたスティーヴン・キングのホラー小説を、アルゼンチンの新鋭アンディ・ムスキエティ監督が映画化。『シックス・センス』(1999年)をしのぐ興行収入を稼ぎ出して、ホラー映画史上ナンバーワンとなったことでも記憶に新しい方も多いことでしょう。

小さな田舎町を舞台に、災いをもたらす悪霊ペニーワイズと少年少女たちとの対決を描いた本作は、ホラー描写とジュブナイル的要素が見事に融合した、言わばホラー版『スタンド・バイ・ミー』といったところ。

ちなみに、続編となる『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』は11月1日に日本公開が決定。シリーズ完結にふさわしく、約17トンの血のりを使用した壮絶シーンもあるとのこと。こちらも期待大ですね。

この恐怖、トラウマ級! ホラー映画5選
1973年にアメリカで公開され、その後のオカルト系ホラー映画に多大な影響を与えた『エクソシスト』。本作はウィリアム・ピーター・ブラッティの小説『エクソシスト』が原作となっていますが、この小説は実際に起きた「メリーランド悪魔憑依事件」をもとに執筆されたもの。つまり、実話を元にしたホラー映画というのが大きな特徴です。

そしてアカデミー賞において主演女優賞、作品賞、監督賞をはじめ、10部門にノミネートされたのも、ホラー作品としては珍しいところ。悪魔に取り憑かれた少女のビジュアルや音楽もセンセーショナルで、公開から40年以上経ったいまでも、その恐怖は色褪せることはない名作ホラーのひとつです。

この恐怖、トラウマ級! ホラー映画5選
スペイン発の低予算ホラー映画『REC/レック』。封鎖されたアパートで起こった伝染病による惨劇をテレビ番組クルーの手持ちカメラの視点でとらえ、世界中を震え上がらせたパニック・ホラーです。

本作の面白さは、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)を彷彿させるようなフェイク・ドキュメンタリーの要素とゾンビ映画を融合させるという、かつてないテイストで完成させたこと。POV(ポイント・オブ・ビュー)方式での撮影が観客の恐怖を否応なく煽り、圧倒的な没入感が体験できる1作です。

この恐怖、トラウマ級! ホラー映画5選
そして、現在絶賛公開中の『チャイルド・プレイ』。青いオーバーオールにカラフルなボーダーTシャツ姿の人形“チャッキー”が、リブート版としてスクリーンにカムバックしました。

この恐怖、トラウマ級! ホラー映画5選
今作のチャッキーは、超ハイスペックなAIを搭載した人形。誕生日に母親から“バディ人形” をプレゼントされた、少年アンディ。引越し先で友達がいない彼は、その人形を“チャッキー”と名付け、一緒に暮らし始めるが、彼の周りでは次第に異変が起きるようになり…。

ホラーに限らず様々な映画のパロディをそこかしこに盛り込んでいて、映画ファンなら恐怖に震えながらもクスッと笑ってしまう場面も。お化け屋敷のようにアトラクション感覚でも楽しめますよ。

 

<作品情報>
『死霊のはらわた(1981年)』
DVD&Blu-rayリリース、デジタル配信中
監督・脚本:サム・ライミ
出演:ブルース・キャンベル、エレン・サンドワイズ、ベッツィ・ベイカー、ハル・デルリッチ、サラ・ヨーク

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年)』
DVD&Blu-rayリリース、デジタル配信中
監督:アンディ・ムスキエティ
原作:スティーヴン・キング「IT/イット」
出演:ビル・スカルスガルド、ジェイデン・リーバハー、ジェレミー・レイ・テイラー、フィン・ウルフハード、ソフィア・リリス、ワイアット・オレフ、チョーズン・ジェイコブス、ジャック・ディラン・グレイザー ほか

『エクソシスト(1973年)』
DVD&Blu-rayリリース、デジタル配信中
監督:ウィリアム・フリードキン
出演:リンダ・ブレア、エレン・バースティン、ジェイソン・ミラー 、マックス・フォン・シドー

『REC/レック(2007年)』
DVD&Blu-rayリリース、デジタル配信中
監督:ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ
出演:マヌエラ・ベラスコ、フェラン・テラッサ、ホルヘ・ヤマン・セラーノ、カルロス・ラサルテ、パブロ・ロッソ

『チャイルド・プレイ(2019年)』
大ヒット上映中
監督:ラース・クレヴバーグ
出演:オーブリー・プラザ、ガブリエル・ベイトマン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ビアトリス・キットソス、TYコンシグリオ、デヴィッド・ルイス、カーリース・バーク、マーロン・カザーディ、マーク・ハミル(声の出演)
(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved.
CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
公式サイト https://childsplay.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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