あまりの恐怖に息ができない!『ドント・ブリーズ』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第121回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、『ドント・ブリーズ』を掘り起こします。

ミイラ取りがミイラに?! “息もできない”恐怖が迫る密室ホラー

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生活力のない両親と決別し、街を出て行くことを夢見ている、ティーンエイジャーのロッキー。
その資金を稼ぐために、恋人のマニーと友人のアレックスとともに空き巣狙いをするも、そんな稼ぎは知れたもの。

そこへマニーからの情報で、30万ドルもの大金を隠し持ち一人暮らしをする、盲目の退役軍人の存在を知る。
ロッキーたちは夜中に老人宅に忍び込み、金を奪って逃げることを計画。
それは簡単に成功する計画のはず、だった…。

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サム・ライミ製作、リメイク版『死霊のはらわた』のフェデ・アルバレス監督が手がけ、全米でスマッシュヒットを記録したショッキング・スリラー『ドント・ブリーズ』。
「若者3人 VS 老人」という構図は、どう考えても若者の方に軍配が上がりそうなものですが、この老人がタダ者じゃない!
目が見えないかわりに、どんな微かな(わずかな)音も聴き逃さない超人的な聴覚の持ち主。
おまけに退役軍人なので、相手が孫ほども年の離れた若者でも(あっても or あろうと)あっという間に締め上げ殺してしまうという恐ろしい殺人鬼だったのです。

そうなると若者と老人、加害者と被害者の立場が大逆転。
暗闇に包まれた家の中に閉じ込められた若者たちの脱出劇に、私たち観客までも(観ている私たちまでもが)息をひそめてスクリーンに見入ってしまいます。

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ほとんど家の中だけで展開していくストーリーながら、迷路のようで“出られそうで出られない”焦燥感を高めていくのは、アルバレス監督の手腕が光るところ。
さらに音についての演出も秀逸で、ホラーと言えば不気味な効果音で恐怖を煽るパターンが多大(ありがち)ですが、本作ではむしろ“無音”が恐怖をそそるという手法を採用しており、タイトルどおり、まさに“息もできない”恐怖を引き出しています。

日本での公開を前に早くも続編の製作が進んでいるという本作。
サスペンス的要素をセンス良く盛り込んだ、良質のホラー映画です。

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ドント・ブリーズ
2016年12月16日から全国ロードショー
監督・脚本:フェデ・アルバレス
出演:ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、スティーヴン・ラング ほか
公式サイト http://www.dont-breathe.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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