「寅さん」シリーズ50周年~葛飾とウィーンをつなぐ絆とは?
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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(12月22日放送)では、「東京の下町『葛飾』と音楽の都『ウィーン』を繋いだのは、あの寅さん!?」というトピックスを紹介した。
1969年のシリーズ開始から50年目となる今年(2019年)、12月27日に公開の映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』。
いまなお多くのファンに愛され続けている、『男はつらいよ』シリーズ。気の向くままに日本全国を旅する寅さんだが、実はオーストリアのウィーンへも、寅さんは赴いている。調べてみると、寅さんの地元「葛飾区」と、音楽の都「ウィーン」のフロリズドルフ区は友好都市になっているという。
葛飾区の地域振興部 文化国際課長・土屋俊昭さんに、立川晴の輔が話を伺った。
晴の輔:帝釈天に行くと、いまだに寅さんの格好をした人を見かけたりします。「寅さんの街」といっても過言ではありませんね。
土屋:特に柴又駅前には、“旅に出る寅さんが故郷である柴又の方を振り返ったシーン”をモチーフにした『寅さん』と、寅さんを見送る妹『さくら』さんの像が建っていて、たくさんの方が記念写真を撮られています。
晴の輔:「葛飾区」と「ウィーン」のフロリズドルフ区が、友好都市になっているのですよね?
土屋:1987年11月に友好都市提携を締結して、友好交流が始まっております。
晴の輔:友好都市になったことがきっかけで、「ウィーン」で寅さんの映画を撮ることになったのですか?
土屋:そうですね。2年後の1989年に、第41作の『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』が公開されました。
晴の輔:友好都市になったきっかけはあるのですか?
土屋:1986年に、親日家であった当時のウィーン市長、ヘルムート・ツィルク氏が偶然、来日される飛行機内で『男はつらいよ』をご覧になったそうです。映画で描かれている柴又の下町情緒、人々の温かさが、ウィーン市郊外の風景や市民気質に似ていると、強い印象を持たれたのがきっかけだそうです。
晴の輔:景色が似ているのですね。
土屋:昨年(2018年)秋に、私も『フロリズドルフ区』に行ってまいりました。ドナウ川に面した閑静な住宅街の街並みと、江戸川に面した柴又の風景は、とてもよく似ていました。レストランに入ると地元の方々は、きさくに笑顔で挨拶してくれたり、みなさんで会話を楽しんでいる様子を見ると、葛飾の下町人情と同じような心の温かさを感じました。
晴の輔:ウィーンには、寅さんに関するものはありますか?
土屋:日本庭園がある『寅さん公園』が、『フロリズドルフ区』に2009年9月に開園しております。また、『カツシカシュトラッセ』という通りもあります。日本読みで『葛飾通り』です。
土屋:また、葛飾にもウィーンの『モーツァルト像』があります。ウィーン市の王宮庭園にある像の、実物大のレプリカで、世界で唯一オーストリア共和国から認められたものです。かつしかシンフォニーヒルズの正面に設置されております。
晴の輔:こちらにも「ウィーン通り」があればいいですね。
土屋:実は、『フロリズ通り』と『フロリズ花壇』もございます。
晴の輔:あるのですか! もの凄くいい関係ですね。今年で友好都市になって32年。葛飾区とフロリズドルフ区の関係には厚みがありますね。
土屋:ありがとうございます。
週刊なるほど!ニッポン
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