新型コロナウイルス~実際の致死率は0.8%ほど
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月5日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。新型コロナウイルスの最新情報について解説した。飯田浩司が休みのため新行市佳が進行を務めた。
新型肺炎、武漢からの帰国者の施設滞在期間を10日に短縮
政府は4日、感染が拡大している新型コロナウイルスについて、中国・武漢から帰国した人の宿泊施設での滞在期間を当初の14日から10日に短縮することを発表した。世界保健機関(WHO)の「潜伏期間は想定より短い」との見解を踏まえたもので、最終日の再検査で陰性であれば退去できる。
新行)WHOがウイルスの潜伏期間について、「最長でも10日程度」という見解を受けての滞在期間の短縮となります。新型コロナウイルスの感染者数は、中国本土で2万人を突破。中国本土以外の27の国と地域では、感染者数が209人。日本では4日、新たに3人が確認され、国内での確認は23人となりました。ここまで感染の拡大、日本の対応を佐々木さんはどのように見ていらっしゃいますか?
SNSによって広まるデマやパニック心理
佐々木)かなりパニックになってしまっている印象です。2003年にもSARSで大騒ぎになりましたが、当時、SNSはありませんでした。ですから、SNS経由で情報が広がるということもなかった。いまは情報の拡散が早いのはいいのですが、一方でデマやパニック心理のようなものがどんどん広がってしまうので、過剰になっている感じがします。中国では2万人を突破して、死者も400人を超えています。2万人のうち400人ですから、致死率は5%くらいです。インフルエンザがだいたい0.1%くらいの致死率なので、それに比べると50倍と高いように見えるのですが、2万人はそもそも報告されている数だけです。
インフルエンザと新型コロナウイルスの違い
佐々木)今回、日本に武漢からチャーター便で帰って来た人たちが、割とコロナウイルスに感染しているではないですか。あの確率はとても高いですよね。ですから、感染している人がそんなに少ないわけはないと思います。つまり実はもっと感染しているのだけれど、軽い症状で既に治ってしまっている人もたくさんいるでしょう。そう考えると、いまは致死率5%と言っていますが、実際には0.8%くらいではないかという試算も出ています。それでもまだインフルエンザよりは高いのですが、それは抗体がないからです。インフルエンザは何十年も広がっていて、体に抗体があったり、ワクチンを打ったりしてかからない人も多いのですよね。今後、ワクチンが開発されるでしょう。それを打って抗体ができるようになると、インフルエンザ並くらいになるのではないかと思います。コロナウイルスという名前だけ聞くと、エイズやエボラ出血熱などの恐ろしい病気に見えるのですが、インフルエンザの新型で肺炎を引き起こしやすい病気だと考えれば、怖いことは怖いけれど、恐怖に満ち満ちた病気ではないので冷静になるべきです。インフルエンザだって、日本ではいまでも5000人が亡くなっているのですよ。
新行)初めてのことだからこそ、怖いという気持ちも出て来るのかもしれませんね。特に中国では武漢市が封鎖されたり、温州市では実質外へ出られません。
正しく認識し、予防に努めることが重要
佐々木)無人の荒野のようになっている映像が流れて来たりすると、ますます映画のなかの世界のようで怖いのですが、正しく怖がるべきです。福島の原発事故のときにも盛んに言われていましたが、あのように正しく怖がる姿勢を保ちましょう。
新行)マスクも売っていない事態になっていますからね。
佐々木)もちろん、マスクはないよりもあった方がいいのですが、本来は感染した人がうつさないためにあるものです。ないよりはましだけれど、マスクで感染を防げるということではありません。手をちゃんと洗って、ねじり洗いをする。手を洗うときにいちばんおろそかになるのは、親指の付け根のところだそうです。そこを手でねじるように洗うのが大事だそうなので、毎日家に帰ったらねじり洗いをすることで、かなり防げるそうです。
新行)基本的なところですよね。
佐々木)それをやって、冷静に見守ることが大事だと思います。
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