新型コロナウイルス~中国に依存する韓国経済の厳しい行方
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。新型肺炎がもたらす中韓経済への影響について解説した。飯田浩司が休みのため新行市佳が進行を務めた。
新型肺炎の影響で春節明け以降も休業が続く中国
新型コロナウイルスによる感染の拡大で、中国の8割以上の自治体がウイルス拡散防止のため、春節明けの3日以降も企業に休業延期や従業員の出勤を控えるよう指示をしたことがわかった。
新行)現在は9日までの休業が多くなっていますが、また一段とこれが遅れると、中国を起点に世界のサプライチェーンが立ち行かなくなる可能性があるということですね。
中国経済が止まるとサプライチェーンがフリーズしてしまう
須田)中国大陸には31の省・直轄市・自治区があるのですが、休業延長などを確認できたのは1日夜の時点で、少なくとも全体の8割の25ということです。サプライチェーンというのは重要なキーワードでして、世界貿易の7割弱が完成品ではなく、部品の貿易です。中国は世界の工場と言われていて、組み立て加工をして最終製品にし、販売・輸出をする。しかし、中国国内で部品や素材を作っているわけではなく、世界各国からいちばんリーズナブルなもの、いちばん性能のいい部品や素材を集めて来て、最終的に中国の組み立て工場に持って来て製品にする。すべて関連しているわけです。中国が休業してしまうと、サプライチェーンがフリーズしてしまうことになるので、関連している国々に対して大きな影響が及んで来る。製品の生産というところで、中国経済に対する依存度が高い国はどこか。いちばんはオーストラリアです。第2位は韓国、日本は第3位です。ですからサプライチェーン絡みで、日本経済にも大きな影響が及んで来るでしょう。
中国経済に依存度の高い韓国経済の行方
須田)消費、購入はどうか。中国は言うまでもなく、世界有数の巨大市場ですから、中国に製品を輸出することによって世界経済が回っているという状況にある。このまま人・ものの移動が途絶えてしまうと、物流が止まって、結果的に中国マーケットにものを売ることができなくなります。きょう(3日)の一連の流れのなかで、中国政府が為替マーケットに介入し、人民元安にならないように支えるという話が出ています。中国はそういった形で万全の構えをとろうとしているのですが、私が心配しているのは韓国です。この一連の流れのなかで、ウォンが大きく下落しています。米ドルレート、ドル対ウォンで大きく下落していて、場合によってはデフォルトや通貨危機になるのではないかとも言われています。韓国の国債は相当な部分が外債です。韓国の財政収入のうち、半分以上が外債だと言われています。大きく外債に依存している。そうすると、中国経済に依存度の高い韓国は危機感を持って来るということで、その外債を持っている外国投資家がそれを売り出しています。出せば出すほどウォン安が進んで行くので、韓国経済やウォンの行方は要警戒です。中国の為替マーケットではなく、韓国の為替マーケットに注目していただきたいなと思います。
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