新型肺炎、武漢から帰国第4便~“正しく恐れる”ことが必要

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月7日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。新型肺炎に関する最新情報について解説した。飯田浩司が休みのため新行市佳が進行を務めた。

新型肺炎、武漢から帰国第4便~“正しく恐れる”ことが必要

【新型肺炎 武漢滞在の邦人帰国へ】中国・武漢に滞在する邦人を帰国させるため、出発の準備を行うチャーター機=2020年1月28日午後、羽田空港 写真提供:産経新聞社

新型肺炎、武漢からの帰国第4便が7日朝に羽田空港到着

新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する、中国・武漢に滞在する日本人らを帰国させる日本政府のチャーター機第4便は200人程度が搭乗し、7日午前に武漢を出発する(※編集部注:4日午前にチャーター機第4便は羽田空港へ到着)。

新行)クルーズ船を含めて、新型コロナウイルスに対する政府の対応は、ここまで宮家さんはどのようにご覧になっていましたか?

宮家)中国のような強制措置をやると、一定の効果はあるけれども副作用も大きいですよね。しかし、いい加減にやればもっと蔓延してしまうので、バランスを取るのが難しい。日本の措置は厳しすぎるということではないけれど、しっかりやっているのではないでしょうか。アメリカなどは、中国からの入国はすべて禁止でしょう。そこまでは日本はできませんね。

新行)中国からの入国制限をする国が、60ヵ国を超えたということです。メールもいただいています、福島県にお住まいの“しかぞう”さんから。「横浜港に停泊中のクルーズ船の乗客から、新たに新型コロナウイルスの感染者が増えました。政府チャーター機で帰国、ホテルで待機している人も経過観察期間が延びたり縮んだりと、待機している人の心境を案じます。日本では今年(2020年)オリパラ開催予定、政府の数々の対応に不安を覚えます。危機管理は大丈夫でしょうか?」と。

宮家)そうですね。いちばん辛いのは帰って来た人たちですよ。特に最後の便で帰ってきた方々の場合には、武漢の外からも含めて自分で空港に行くわけです。そこでは何回も検問があるはずです。決して愉快ではなかったと思います。そして、やっと空港にたどり着いて飛行機に乗って帰って来たら、そこから隔離、もしくは2週間じっとしていろということですよね。そのなかに子供たちがいたら、政府が通達を出してきちんと心のケアをしなくてはいけない。いじめられるとは言いませんが、区別されてしまうのです。お互いに辛いのですよね。だから本当は優しくしてあげなくてはいけないのだけれども、そんなことを言っても、もしうつったらどうするのだと、このバランスが非常に難しいのです。

新型肺炎、武漢から帰国第4便~“正しく恐れる”ことが必要

横浜・大黒ふ頭沖に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=2020年2月5日午前、横浜市鶴見区(川口良介撮影) 写真提供:産経新聞社

正しく恐れるということが必要

宮家)危機管理に完璧なものはありません。何をやっても、どこかで不満が出るのはある程度仕方がない。日本はいまのところ上手く行っていますけれども、これからおそらく最悪の場合、感染者が急増する可能性があります。そのときに、いままで以上の優しさで対応してあげないと、みんながパニックになってしまいます。わからないこと、正確な情報がないことがいちばんいけないので、ウイルスのことをよく勉強して、理解した上で正しく恐れるということです。あとはオリンピック、パラリンピックですよね。大丈夫かなと心配になるのはわかります。

新行)SARSのときは、落ち着くまで半年ほどかかっています。

宮家)少し古い話だけれど1~2週間くらい前に、香港のお医者さんがピークは3月~4月になると言っていました。つまり6月には収束するから、ギリギリ何とかオリンピックは大丈夫ということなのかもしれないけれど、そんなにうまく行くとは限りませんから。

新行)確証もありませんしね。

宮家)気を付けなくてはいけないと思います。

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