クルーズ船内で感染拡大~乗客乗員14日間船内で待機

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(2月5日放送)に産経新聞客員論説委員・国際医療福祉大学の山本秀也が出演。横浜沖に停泊中のクルーズ船での新型コロナウイルス感染者の確認について解説した。

横浜・大黒ふ頭沖に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=2020年2月5日午前、横浜市鶴見区(川口良介撮影) 写真提供:産経新聞社

横浜に停泊中のクルーズ船~感染者10人、うち日本人は3人

乗客と常務員合わせて3,700人が乗船するクルーズ船から、新型コロナウイルスの感染者10人が見つかった。厚生労働省が4日発表し、そのうち日本人は3人だった。それ以外の乗客と常務員は今後2週間、船にとどまることになる(※編集部注:6日、同クルーズ船で新たに10人がウイルスに感染していたことが確認され、4日の10人とあわせて20人になった)。

森田耕次解説委員)横浜港沖合に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は日本や香港、台湾などを含む56の国と地域の人が乗船しているのですが、乗員が1,045人、乗客2,666人でおよそ3,700人ですが、乗客のうち、日本人が1,281人です。厚生労働省によりますと、検疫をした結果、10人に新型コロナウイルスの陽性反応が出ました。うち3人が日本国籍で、50代から60代の男女でした。重症の感染者はいません。感染症法に基づき、入院措置をとっています。残りの乗客、乗員は今後14日間船内に待機して検疫を続行するということです(※編集部注:6日、同クルーズ船で新たに10人がウイルスに感染していたことが確認され、4日の10人とあわせて20人になった)。5日午前中に記者会見した加藤厚生労働大臣のコメントです。

 

加藤厚生労働大臣)いまそれぞれのところへ持ち込んでさまざまな段階を経て、実は最終的な判断は、分析して出た分析結果をもう一度感染の研究所に渡して判断するという手続きでやらせていただきますので、正直言っていつまでにとは言えませんが、今日中にと言われても難しいので、複数日かかることを予定しています。

 

森田)陽性反応が出た10人はクルーズ船から海上保安庁の巡視艇や救急車を使って、神奈川県内の4つの医療機関に搬送されています。10人のうち2人は感染が既に確認されている香港人の80歳男性との濃厚接触者ということで、途中で寄港した鹿児島県内でこの香港人男性とバスツアーに参加していたということです。厚生労働省は、船内待機については乗客、乗員になるべく部屋にいるようアナウンスして理解を求めているようです。

ダイヤモンド・プリンセス -Wikipediaより

バイキング形式の食事やサウナなどで感染が広がったか

山本)予想されたことではあったのですがね。2週間船内に検疫待機というのは大変ですね。

森田)香港人の男性の感染が判明した後も、割と船内は自由に行き来できて、マスクの着用率も低かったということもあったようですね。

山本)広い船内で、いろいろとバイキング形式の料理もあったようですが、5日から各部屋で食事をとるということになると、なかなか息が詰まると思います。

森田)朝食はバイキング方式だったようですし、その香港人の男性は船内のサウナに入っていたということもあったということで、そういうところで感染した可能性も高いのでしょうね。

山本)いずれにしても、船内の下の方へ行けば空気がそんなに入れ替わるわけではないでしょう。このウイルスの問題が他人事ではないのは確かです。

森田)クルーズ船のなかにいる人は、各部屋にパンなどの朝食が配られるということになっていて、船のなかにいても部屋からは出られないと。密室となる船のなかで長時間多くの人が一緒に過ごすということで、感染症を防ぐのは難しくなるのでしょうね。

山本)それを言い出すと、今度は飛行機のなかで長いフライトで感染した人がいた場合、同じような状況になって、これからは世界中で人の移動に影響が出ます。

【新型肺炎】中国・武漢から避難する邦人を乗せたチャーター機が羽田空港に着陸し、荷物が運び出される=1月30日午前、羽田空港 写真提供:産経新聞社

帰国用チャーター機の第4便が6日に派遣~難航する対応

森田)一方で茂木外務大臣は、武漢市から日本人を飛行機で帰国させるチャーター機の第4便について、6日に派遣することを記者団に明らかにしました。

茂木外務大臣)チャーター機の第4便でありますが、6日に派遣すべく調整が進んでいます。帰国を希望されている邦人の方々が全員帰国できるよう、現地での移動等も含めて中国政府と緊密に調整して参りました。

森田)搭乗者の数については恐らく200人程度ではないかということで、6日夜に羽田空港を出発して7日午前に羽田空港へ戻る日程を想定しているようですね。

山本)残っていた邦人140人程度と中国籍のご家族ということになるのですが、武漢だけでこれだけオペレーションが難しかったわけです。その後の情勢を見ると、今度は東部の浙江省、温州、省都の最大都市の杭州がどうも事実上の都市封鎖に入ったようですから、今度はそこにいる邦人が助けを求めたときにどうするのか。杭州は上海が非常に近い距離になるので、上海には5,000人強の在留邦人に加えて出張者や観光客もいます。これを撤収させるオペレーションができるのかということになると、普通は難しいと考えますよね。

森田)イギリスは中国本土へ残る国民に退避するように勧告したようです。

山本)アメリカの国務省も言っていますし、アメリカは中国全土から人の移入を制限しています。ロシアは国民を軍用機で連れ帰ったのですが、その後がすごくて、連れ帰った国民を西シベリアの病院、サナトリウムに監禁してしまいました。荒っぽいですが、各国は対応に手を焼いています。

森田)武漢だけでもこれだけ大変で、更に希望者がいれば第5便以降の派遣も調整すると菅官房長官は言ったようです。そういった人たちにどこに滞在してもらうのか。いまのところ、第4便以降で帰国する日本人は防衛省が契約している民間フェリーの「はくおう」をとりあえずの一時滞在先にするようですね。

山本)これは横浜港の船と同じ状態をつくるわけですよね。

森田)これが上海などまで広がると、日本人を帰すのがますます大変になります。

山本)健康状態が万全で帰れる方は帰っていただくのが正しいのですけれどね。

森田)そこは自主判断になるわけですか。

山本)私も海外生活は長かったですが、海外で生活することはいろいろなリスクを抱えています。企業も駐在員及び家族に配慮して、帰らせてくれというのはなかなか自分からは言いにくいので、言ってあげないといけないと思います。

森田)千葉県内のホテルにいる日本人については再検査を8日に行うことになったようです。陰性であれば9日に退居できる見通しになってきているということです。

山本)おつらいでしょうから、早くはっきりして帰れるといいですね。

番組情報

ザ・フォーカス

火曜〜木曜 18:00-21:20

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錚々たるコメンテーター陣がその日に起きたニュースを解説。佐藤優、河合雅司、野村修也、山本秀也らが日替わりで登場して、当日のニュースをわかりやすく、時には激しく伝えます。
パーソナリティは、ニッポン放送報道部解説委員の森田耕次。帰宅時の情報収集にうってつけの番組です。

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