黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、女子車いすバスケットボール日本代表候補・小田島理恵が出演。車いすバスケットボールの選手になった経緯について語った。
黒木)今週のゲストは女子車いすバスケットボール日本代表候補の小田島理恵さんです。小田島さんは22歳のときに事故に遭われて、そこから車いすバスケットボールに出会ったわけですね。
小田島)そうですね。
黒木)事故に遭われるまでは、どんなご自分でいられたのですか?
小田島)小学校や中学校では、休み時間などは体を動かしたりして遊んでいました。高校のときは、部活動で少林寺拳法部に所属していて、全国大会に出るなど活発な女の子ではありました。
黒木)事故に遭われたことがきっかけで、何か考えが変わりましたか?
小田島)怪我をしても、私は意外と落ち込みませんでした。周りに家族がいてくれたので。
黒木)いままでと違う生活を強いられるわけではないですか。それについても落ち込まなかったのですか?
小田島)そうですね。リハビリを頑張るという、目の前にあることを1つ1つやって行こうと思いました。
黒木)受け入れる器があったということですね。
小田島)いちばんは母親ですかね。けがをする前からも、ずっとそばにいました。
黒木)リハビリをしなければならない。そのリハビリをして行く上で、車いすバスケットボールと出会ったのですよね?
小田島)リハビリをしようと考えていたところ、近くに障害者の方が運動するセンターがあったので、そこに行き、車いすバスケットボールの体験教室があることを知りました。そこで少し楽しそうだなと、何気ない気持ちで参加しました。参加をしてみたら楽しいと思い、次の週から練習に参加するようになりました。
黒木)それがある意味、リハビリになったということですか?
小田島)そうです。車いすも自分で運びます。車いすを車に乗せるのも、自らタイヤを外して行います。
黒木)筋肉がつきますね。
小田島)そうですね。日々がリハビリになって行きました。
黒木)そこまでのめり込んだ理由は何ですか?
小田島)先輩方がとてもカッコよく車いすを漕いでいたことですね。早く、カッコよく。あこがれのような感じですかね。あのようになりたいと思って、私も頑張るようになりました。
黒木)素敵な先輩方がたくさんいらしたのですね。
小田島)そうです。
黒木)また、素敵なコーチもいらした。
小田島)はい。
黒木)長野志穂さんというコーチの方ですね。
小田島)はい。私の所属している、「GRACE」というチームのヘッドコーチをしています。試合で想像しやすい練習を組み立ててくれます。「試合ではこういうときに使うのか」と練習していたことが、試合中に「あの練習はこのためだったんだ」と気づきます。練習と試合がつながった感じがしました。
黒木)初めのころ、練習はどのくらいなさっていたのですか?
小田島)始めたころは週に4~5日です。そのころは仕事をしていなかったので、好きなバスケだけをすることができました。
黒木)何時間もですか?
小田島)体育館を借りられる時間が短かったので、2時間ほどですね。
黒木)いまだと何時間くらいですか?
小田島)いまでは、休日は午前から午後まで練習します。平日は3時間ほど体育館を借りて行っています。
黒木)楽しいと思えた車いすバスケットですけれども、オリンピックに出られるかもしれない状況へ変わって行くわけですよね。どのように目標が変わって行ったのですか?
小田島)始めたころからパラリンピックに出たいと思っていました。同じチームにパラリンピアの方がいらして、こんな身近にパラリンピックに出場された方がいるのかと感動しました。それで私も出たいと思いました。そんなときに東京が決まって、「出るしかない」という気持ちに変わりました。
小田島理恵(おだじま・りえ)/車いすバスケットボール 日本代表強化選手
■1989年、4月1日生まれ。30歳。
■車いすバスケットボール女子日本代表候補・強化指定選手。
■リクルートオフィスサポート所属。ニックネームは「おだじ」。
■22歳のときに事故に遭い、脊髄損傷不全麻痺になり、右下肢と体幹の機能が低下。退院後、リハビリ目的で訪れた障害者スポーツセンターで行われていた車いすバスケットボール体験教室に参加したことを機に競技生活がスタート。
■2013年、東京を拠点とする女子チーム「GRACE」に加入。2016年から日本代表強化指定選手として国際試合にも出場。2019年のアジアオセアニアチャンピオンシップスでは3位に入賞した。
■現在も女子日本代表候補・強化指定選手として活躍し、東京パラリンピック出場を目指す。
【車いすバスケットボール】
■10分×4ピリオド制。ダブルドリブルは適用されない。
■コートの広さやボールの大きさ、ゴールの高さなどは健常者のバスケと基本的に同じ。
■選手は障害に応じて持ち点(1.0~4.5、数字が小さいほど障害の程度は重い)が定められ、1チーム5人の持ち点が14.0点以下でなければならない。
■パラスポーツのなかでも花形スポーツと言われ、スピードと俊敏さ、そして激しさが伴うスポーツ。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳