習近平国家主席の訪日~安倍首相から断るべきだという理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月20日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。4月に予定されている習近平国家主席の訪日について解説した。
習近平国家主席の4月の訪日、新型肺炎で先送りか
共同通信によると、日中両政府が習近平国家主席の4月の訪日に向けて、2月末に開く予定だった次官級協議の延期を決めたことが19日、複数の外交筋により明らかになった。これにより、習近平国家主席の訪日が先送りになる可能性が強まった。
飯田)2月末と言うと、中国の外交トップである楊潔篪さんも来る予定だと言われています。それとの関係等はどうなりますか?
鈴木)これは難しい決断です。習近平国家主席の訪日は、新型コロナウイルスの問題がなければ、とても大きな節目になると思います。だからこそやりたいのだけれども、というところです。外務省の一部の幹部や、外交族と言われる議員と話をしていましたけれども、全人代の日程がどうなるかわからないという情報が出始めたのが、2月の頭です。そのころから、習近平さんの来日は難しいのではないかという見方をする人がかなりいました。これほどの国難で、世界に向けてこれだけのことが中国の発信で起きています。中国国内も、これをどう抑え込むのか。こういうときには大事な会議であろうが、首脳会談で出て行けないだろうと。
習近平国家主席の訪日に対する対照的な2つの意見
鈴木)安倍首相の周辺でも2つの意見がありました。ある安倍さんの側近は、「習近平さんには何としてでも来て欲しい」と。とても意味のある会談だし、新型コロナウイルスの影響で、東京オリンピックがどうなるのかと世界に不安が広がるなか、習近平国家主席と安倍首相がツーショットで世界にメッセージを出すことにより、その不安を徹底的に封じ込める。いちばんいいのは、訪日する4月に「収束が見えた」など、何かしらの明るいメッセージを出せるから、ぜひ来ていただきたいと言っていました。一方、安倍さんに近いベテラン議員は真逆のことを言いました。これだけの国難のときに、習近平さんが出て来ることがおかしい。むしろ安倍首相から率先して、習近平主席に「見送りましょう。いまは新型肺炎に全力を尽くしてください。その後で会談をやりましょう」と言うべきだと。日本もできることをやるからというように、安倍さんから先にメッセージを出した方が、世界に対しての安倍首相の外交的なアピールになるという意見の人もいました。
飯田)中国としては面子もあり、中国側から取り下げることはできないということもあるのですか?
鈴木)だからこそ「行けません」と相手に言わせないで、安倍さんの方から「けっこうです」と言うべきだということです。主席がいまやることは、新型コロナウイルスの収束ですよねと。そのほうが外交的な成果があるのではないかということです。マスコミの一部が「こういう感じだから、ないかもしれない」などと噂を流して、それであきらめてしまったという形がいちばんよろしくないですね。安倍首相が決断をするタイミングが来ているのかもしれません。
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