新型肺炎の影響で難しくなった習近平主席の来日
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月12日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。新型肺炎の中国国内の現状について解説した。
新型肺炎、中国の死者が1000人を超える
中国・湖北省の保健当局は11日、新型肺炎の感染拡大による死者の数が中国で1016人になったと発表した。中国は湖北省の保健当局のトップとナンバー2を免職にしたとも発表している。
飯田)湖北省武漢市を中心に感染拡大を続けているコロナウイルス。武漢だけでなく中国全体に広がりつつあると言われています。中国全土で死者は1016人となっており、この数字もどうなのかという話もありますが。
高橋)私は役所に入る前は、文科省研究所で感染症モデルの専門家で、どのように感染者数が増えるのかを研究していました。
飯田)数理計算のようなものですか?
帰国したチャーター機の乗客の感染率をサンプルにすると武漢の感染者数は4月まで鈍化しない
高橋)そうです。そういう知識を使って、どのようにサンプリングをするかということです。日本はいいデータがあり、それはチャーター機で帰って来た人の数です。ランダムサンプリングという、無作為抽出に近いものです。日本では発症していない人も検査しているでしょう? これはいいサンプルです。だいたいは発症している人だけをとるのですが、チャーター機便の人はたぶんランダムです。600台あれば視聴率が計算できるということと同じです。約700人が帰って来たので、あれはいい例です。要するに12人感染しているので、感染率は1.6%です。あれだけのサンプリングですと、1.6%のプラスマイナス1%以内です。0.6%~2.6%の間で、武漢の人口をかけると18万人プラスマイナス11万人となります。そのくらいだろうと予測できます。
飯田)いま武漢で、4万人くらいですから。
高橋)これから統計的には増えます。この後1ヵ月くらいは増えて行く予測ができます。4月くらいまでなかなか鈍化しないという予測もできます。
飯田)現状のコロナウイルスで、これから変異をしなければ。
高橋)変異しなければそうですね。いま現在は20万人弱いると思っておくのが正しくて、はじめに隠蔽していたので検査が追いつかず、数字が低めに出ているという状況です。
飯田)だんだん、その乖離を縮めて行くと。
高橋)縮めて行くのですが、検査できる人間も限られているので、なかなか縮まらないですよ。
飯田)いまの武漢の現状で医療崩壊に近いものが起こっているとすると、マンパワーも足りないし。
高橋)せいぜい3000人~4000人ぐらいしか増えません。
飯田)そのくらいしか増えないと。
高橋)移動禁止政策によって武漢のなかでは増え、他のところは移動禁止政策が効いて上昇率は低く、さらに海外はもう少し低いでしょう。
習近平国家主席の来日は難しい
飯田)いずれにせよ、ここ2ヵ月くらいは増え続けると考えた場合、今後の政治日程ですが。
高橋)習近平国家主席の来日は難しいでしょう。
飯田)4月ということは、あと2ヵ月ですよね?
高橋)いきなり来るわけではなくて、外交文書をつくらなければなりません。最後のときに調印して、すべての外交文書が出るのです。しかし外交文書をつくるために、2ヵ月くらい前に先遣隊が来ていろいろなことを議論するのですが、まだ来ていません。だからずれるでしょう。習近平国家主席にとって国外の話ですが、国内の全人代も来月(3月)にあります。あれも1ヵ月前から地方で行われていなければならないのに、行われていません。
飯田)ちょうどこの時期に、全人代の地方版をやらなければならない。
高橋)でも行っていないので、全人代もできないでしょう。そういうパターンです。全人代もできないと来日もできません。
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