ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月24日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。竹島への日本の取るべき姿勢について解説した。
「竹島の日」記念式典が開催
竹島の日は、1905年2月22日に県が竹島の帰属を告示して100年になるのを記念し、島根県が2005年に条例で定めたもの。15回目の竹島の日記念式典では丸山知事が挨拶し、韓国の政府関係者の竹島上陸や上空での警告射撃に触れ、極めて遺憾と述べた。
飯田)今年(2020年)も閣僚の姿がなかったということで、地元では苛立ちなどもあるようです。政務官は出席しています。
総理が式典に出席して国としてのメッセージを送るべき
須田)やはりきちんと韓国サイドにメッセージを発するためにも、ここは総理大臣に出席して欲しかったというのが、私の基本的な感想です。県の条例で竹島の日を決めたわけではないですか。不当に占領されていることを前提として言うのならば、国の主権の話ですから、県ではなくて国がきちんとこの日を設定するなり、イベントを主催するなり、国としてメッセージを送っていただきたいと思います。
飯田)確かに、不当に占領されているという意味では北方領土もそうですし、竹島もそうです。北方領土に関しては、総理出席のもとで取り返すぞということをやったりしていますよね。
日本国が「竹島は事実上韓国の領土として認めている」という誤ったメッセージになりかねない
須田)逆に言うと、「騒いでいるのは島根県だけなのだ」という、誤ったメッセージを送りかねない話にもなってしまいます。日本国としては、「竹島は事実上、韓国の領土として認めているではないか」というようなメッセージを送りかねないので、ここはきちんと対応すべきです。この日がいいのかどうかはさておき、こういう形できちんとメッセージを送る必要があると思います。
飯田)韓国の各政権は任期が終わりに近づくと、李明博大統領のように竹島に上陸したり、それに類似する発言をしたりと、反日カードを切って来ますよね。いまの文在寅政権に関しては最初からそうですけれども、韓国はこの先に選挙もあるではないですか。そうすると、日本との関係がよくなる兆しはないのでしょうか?
須田)だんだんそちらの方にエスカレートする形だと思います。国と国との関係は、100%よくなるということはありません。隣国である以上、意見対立や利害対立があるのは当然です。ですから竹島については穏当に済ますのではなく、「我々はこう考えているのだ」というメッセージを送って、ここの対立は「お互いに解決して行こうではないか」と。韓国だけに対するメッセージではなく、国際社会に対するメッセージも発して行かないと、「日本は諦めてしまったのか」とか、「日本にはどこか弱点があるのではないか」というイメージにもなりかねません。日本も断固として、ここはきちんとしたスタンスや姿勢、メッセージを送るべきだと思います。
「国際仲裁機関への提訴」というカードは示しておくべき
飯田)かつて盛り上がった国際仲裁機関への提訴は、当事国がOKしないと成立しないので、なかなかやりづらいとは言われますけれど、日本の姿勢として「提訴するぞ」と言い続ける必要があります。
須田)本格的に提訴して、相手が応じなければ裁判は始まりませんけれども、「提訴する」というカードは見せておく必要があるのだと思います。それを切る、切らないは別としても、「その気持ちはあるのだ、いつでもそのカードを切れるのだ」ということは示しておくべきだと思います。
飯田)韓国や中国との関係は、「常に仲よくするのがいちばんいい」という思想ではないですか。でも他の国々を見ると、基本的に隣国同士は仲がよくないところの方が多いですよね。
須田)仲よくすべきだという発想が貧困で、対立を含めての友好ということが必要になって来るのだと思います。
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