「新行市佳のパラスポヒーロー列伝」
ニッポン放送アナウンサー・新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見していきます
ブラインドサッカー女子日本代表とアルゼンチン代表との国際親善試合「ノーマライゼーションカップ」が、2月22日に埼玉県にあるサイデン化学アリーナで行われました。
<視覚障がいの選手による5人制サッカーで、ブラインドサッカーとも呼ばれている。フィールドプレーヤーは全盲選手で、公平性のため光を完全に遮断するアイマスクと危険防止のためのヘッドギアを装着し、ゴールキーパーは晴眼者や弱視者が担当する。選手は、鈴が入ったボールの音や、ゴール裏から指示を出すことが認められているガイド(コーラー)、ゴールキーパーの声を頼りにプレーする。また、選手たちがボールを持った相手に向かっていく際には、「ボイ(スペイン語で“行く”の意)」と声をかけなければならない。試合はプレイングタイムによる前後半20分ずつの計40分で行われる。フィールドの大きさはフットサルとほぼ同じで、ボールがサイドラインを割ることがないように、両サイドのライン上に高さ1mのサイドフェンスが並べられている。>
~日本パラリンピック委員会HP「5人制サッカー」競技概要より引用
新型コロナウィルスの影響で、取材者や大会スタッフは原則としてマスク着用、入り口にはアルコール消毒のボトルを持ったスタッフが入場者に呼び掛けて、手の消毒を行っていました。
ダイアモンド☆ユカイさんの国家斉唱で幕を開けた「ノーマライゼーションカップ」は、女子日本代表の菊島宙選手が躍動しました。
前半10分、菊島選手が先制点を挙げ、すぐに2点目も追加。後半開始早々に3点目を決めますが、転倒して後頭部を打ってしまいベンチに戻ります。
日本代表は菊島選手が取った3点を死守し、後半残り6分で再び菊島選手がピッチに戻りました。その後、怒涛の勢いで菊島選手が5点を立て続けに決め、8-0で日本代表がアルゼンチン代表に勝利しました。
6点目の左サイドポスト際からゴール右上へ、8点目の右サイドからゴール左下への対角線上の鋭いシュートは、観客席からの大歓声が上がるほど見事なシュートでした。
菊島宙選手は今大会のMVPに輝きました。
試合を終えた村上重雄監督は「今日みたいに菊島に途中ハプニングがあって、何かあったときにゴールに侵入できる選手が増えていかないとと思っています」と、菊島選手以外がオボールに絡んで得点に結びつけていく必要性と課題を挙げていました。
ブラインドサッカー「5人制サッカー」は、男子はパラリンピックの正式競技になっていますが、女子はまだなっていません。今年2020年11月にナイジェリアで女子のブラインドサッカーの世界選手権が初めて開催される予定です。
その世界選手権に向けて、鈴木里佳キャプテンは「女子のカテゴリは世界的にもまだまだで、やっと一回目の世界選手権が行われることを嬉しく思っています。女子日本代表は結成して3年になるので、この3年間やってきたことを世界選手権でしっかり出して、チームの目標を達成したいと思います」と抱負を話しました。
ブラインドサッカー女子日本代表は、世界選手権優勝を目指してチーム力の強化に力を入れます。