名作『オズの魔法使い』の陰に隠れていた、ひとりの女優の人生…
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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第789回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、3月6日公開の『ジュディ 虹の彼方に』をご紹介します。
没後50周年、伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランド 感動の実話
『オズの魔法使い』(1939年)で知られるハリウッド黄金期のミュージカル女優、ジュディ・ガーランド。17歳で一躍スターとなった彼女のスクリーンでの華々しい活躍は知れども、どんな人生を送ったかを知る人は少ないのではないでしょうか。
『ジュディ 虹の彼方に』は、彼女が47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に行った、ロンドン公演に臨む日々を描いた伝記ドラマ。何があっても最後まで、その身をステージに捧げたジュディの生き様が、鮮烈に映し出されています。
1968年。かつてはミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディ・ガーランドだったが、いまでは度重なる遅刻や無断欠勤の影響で映画出演のオファーも途絶え、窮地に立たされていた。
巡業ショーで生計を立ててはいるものの、住む家もなく、借金は膨らむばかり。愛する幼い娘や息子と一緒に幸せな生活を送りたいジュディは、起死回生をかけ、イギリスへと旅立つ。ファンが待つロンドン公演に挑むために…。
ジュディ・ガーランドを演じるのは、本作で第92回アカデミー賞主演女優賞に輝いたレネー・ゼルウィガー。
厳しいレッスンの末、全曲を見事に歌い上げ、持てる実力のすべてを注ぎ込んだ演技は、まるで本人が乗り移ったかのよう。ワガママでお騒がせな存在だけれど、スポットライトの下では圧倒的なカリスマ性を放つジュディの魂を全身全霊で体現しています。
共演にはフィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、ジェシー・バックリー、マイケル・ガンボンなど、多彩な演技派俳優たちが顔を揃えています。
虹の彼方 どこか遠く
空が とても青くて
そこでは どんな大きな夢も 必ず叶うらしい
あまりにも有名すぎる、ジュディ・ガーランドの代表曲「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)」。本作を観たうえで改めて聴いてみると、この歌詞に誰よりも勇気づけられ希望を見出したのは、他ならぬジュディ・ガーランド自身だったのではないかと思わずにはいられません。
欧米を中心にいまも多くのファンから愛され続けているジュディ・ガーランドの真実。その慟哭と感動をスクリーンで体感して。
『ジュディ 虹の彼方に』
2020年3月6日(金)から全国ロードショー
監督:ルパート・グールド
脚本:トム・エッジ
原作:舞台『End of the Rainbow』ピーター・キルター
プロデューサー:デヴィッド・リヴィングストーン
製作総指揮:キャメロン・マクラッケン
撮影:オーレ・ブラット・バークランド
美術:ケイヴ・クイン
編集:メラニー・アン・オリヴァー
衣装:ジェイニー・ティーマイム
ヘアメイク:ジェレミー・ウッドヘッド
キャスティング:フィオナ・ウィアー、アリス・サービー
音楽:ガブリエル・ヤーレ
音楽監督・アレンジ:マット・ダンクリー
出演:レネー・ゼルウィガー、ジェシー・バックリー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、マイケル・ガンボン、ダーシー・ショー、ロイス・ピアソン
原題:JUDY
(C)Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019
公式サイト https://gaga.ne.jp/judy/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/