黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、ほしいも専門店「大丸屋」6代目主人の大曽根一毅が出演。伝統ある家業をつなげて行くということについて語った。
黒木)今週のゲストは老舗ほしいも専門店「大丸屋」の6代目ご主人、大曽根一毅さんです。現在、一毅さんが6代目ということですが、ご自分が「お父さんの跡を継ぐ」という思いだったのですか?
大曽根)それが当たり前のように育って来ましたので、他に思うところはかき消したという感じですかね。
黒木)弟さんもやっていらっしゃるということですが、「家族みんなで力を合わせて大丸屋」という感じですか?
大曽根)それぞれ分業して、「農業部門」「販売部門」という形に分けてやっています。
黒木)創業120年という老舗のお店を継ぐことは、相当な覚悟が必要だったと思います。
大曽根)それが当たり前のように育って来ましたので、ライフワークとして考えています。
黒木)子供のころからお父さんの背中を見て来たので、すんなり入れたのでしょうか?
大曽根)父から教えてもらうところはできるだけ教えてもらいながら、生かせて行ければなと思います。
黒木)お父さんがつくるほしいもと、ご自分がつくるほしいもでは、違いがあるのでしょうか?
大曽根)私は流行を取り入れて行かないと今後は難しいと思っているので、そこで対立することはあります。でも、基本的には父がつくったものを継承しつつと思っています。
黒木)120年続いている、老舗のお店の暖簾というものがありますからね。多くの方にほしいもを食べ続けていただきたいという思いもあるから、お父様との対立は致し方ないところでしょうね。
大曽根)そうですね、必然だと思って受け入れています。
黒木)お父さんからのアドバイスは多くあったのですか?
大曽根)特別これというものはなかったのですけれども、日ごろの会話がすべてアドバイスだと思っています。
黒木)一緒に暮らしているのですか?
大曽根)一緒に住んでいます。
黒木)仕事をされる上で、「これだけはお父さんにも譲れない」ということは何ですか?
大曽根)難しいのですけれども、いい意味でのエゴを育てることが大事だと思っています。自分自身のこだわりを育てて、それを仕事に生かして行きたいですね。
黒木)ご自分のエゴというのは?
大曽根)自分の信念ですかね。会社を自分の代でつぶすわけにもいかないですし。ほしいもは他の食品と違って、特産品という意味もあるので、農家さんとの連携が欠かせない品物です。うちが利益を出すということではなく、地域全体として他の農家さんも利益が出せるようになって、初めて特産として育って行くのだと思います。そういうところを育てて行くのが、自分の役割だと思います。
黒木)地域があって、農家さんがいて、初めて美味しいほしいもができる、ということですね。
大曽根)そうなるようにして行きたいなと思います。
大曽根一毅(おおそね・かずたけ)/ほしいも専門店「大丸屋」6代目主人
■明治30年創業の老舗ほしいも専門店「大丸屋」の6代目。
■大丸屋は「ほしいも」の産地としても有名な、茨城県ひたちなか市で120年間、昔ながらの製法・手作業でより風味高いほしいもを作り続けているお店。
■サツマイモの生産から、ほしいも作りまでを一貫して行っている。地産地消。
■高品質で多彩な品種のほしいもが魅力。常時30種類以上を用意。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳