森友学園問題で自殺の職員手記公表~ポイントとなる公文書の問題
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月19日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。森友学園問題で自殺した財務省近畿財務局の男性職員の妻が、佐川宣寿元国税庁長官と国を提訴したニュースについて解説した。
野党4党、森友問題で再検証チームを発足~真相を改めて追及へ
学校法人「森友学園」をめぐる問題で、2018年3月に自殺した財務省近畿財務局の男性職員の妻が、佐川宣寿元国税庁長官と国を18日に提訴した。これを受け、立憲民主党など野党4党は森友問題の再検証チームを発足させている。
「桜を見る会」でも名簿破棄~森友学園問題で何を反省したのか
飯田)この手記ですが、週刊文春のネット版に掲載され、19日朝の新聞紙面でも取り上げられています。文書改ざんを指示されたという内容です。
鈴木)この手記は、重いものですよね。そこまで追い詰められていた。そのなかで何があったのかが書かれているのですが、これに対して政府は予想通り、当時調べて処分もしたので再調査をすることもない、ということですよね。これは民事の裁判で、訴えるためにはお金が必要だから、お金を請求するということで裁判になっています。原告側の会見だと、真実を明らかにしたいということを冒頭に言っていました。裏を返せば、遺族からすると「真実は明らかになっていない」という思いがあるのでしょう。私の取材や文春の関係者に聞いたところだと、奥様はあの後も財務省と話をしていたようなのです。そこで、きちんとした対応ができていれば、こうはならなかったでしょう。誠意を持って財務省が対応していたのかと言えば、そうではなかったのだろうと思います。
政治・行政において公文書の持つ意味
鈴木)この事件の最大のポイントは、公文書の問題です。公文書が政治・行政においてどういう意味を持つのか。なぜ公文書は大事なのか、どうして残さなければいけないのか。書き換えたり、ときの状況でそれが変わっていいのか。この公文書の問題について、十分に反省しているのでしょうか。最近で言えば、「桜を見る会」の問題では名簿を捨てていました。1年後に決算して、国の予算がしっかりと使われたのかチェックするときまで、取っておかなければおかしいでしょう。森友問題で重要なポイントだった公文書の扱いは、その後もまったく反省されていません。裁判では証人などもたくさん出ますから、検証されて行きます。それに合わせて国会ももう1度襟を正し、公文書などに関して政府が説明責任を果たすなり、再調査するなりの対応をしてもいいと思います。
飯田)当時は公文書館の拡充や、各省庁にも公文書を専門に扱う人を配置したらどうか、アメリカではそういう仕組みを取っているではないかという議論が上がりかけましたが、そのままになっています。
鈴木)そこへ来て「桜を見る会」で全部捨てたと聞いたときには、結局何も変わっていないではないかと思いました。国民に対しての責任、政治や行政の歴史を検証する上で、公文書は極めて重要です。その扱いができないというのは、国家としてどうなのでしょうか。公文書という視点からも、今回の告発に対して何かしら政治・行政は向き合う必要があると思います。
立憲・山尾議員が離党届を提出~国会対策で食い違いか
飯田)野党の動きですが、18日は山尾志桜里さんが立憲民主党に離党届を出したというニュースがありました。これも話題になりました。
鈴木)私は12月、山尾さんに月刊誌でインタビューをしたのですが、そのときは憲法改正について進め方が違うのではないかとのことでした。彼女はしっかりと議論してやるべきだという考え方です。そのころから、立憲の国会対策を含めた進め方に違和感を持っていたのだと思います。今回の新型コロナウイルスに絡む、法改正の採決をめぐってということになっていますが、それはきっかけのように思います。本来は立憲そのものの国会対策に違和感を持っていたのではないでしょうか。彼女は、立ち位置としては反自民の野党ですから、政党には属さずに自分1人でポジションを取るのだと思います。イメージとしては、馬淵さんと同じような立ち位置ではないでしょうか。憲法改正を含めたところから違和感を持っていたのだと思います。
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