韓国総選挙で文政権が圧勝~国民は経済よりもコロナ危機克服へ
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月16日に放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。与党が圧勝した韓国総選挙の結果について、産経新聞ソウル支局長の名村隆寛を電話ゲストに迎えて解説した。
韓国総選挙 与党が過半数獲得で圧勝か
15日、韓国では韓国国会の300議席(小選挙区253議席、比例代表47議席)を争う4年に1度の総選挙が行われた。韓国の公共放送KBSによると、日本時間16日午前1時の時点では、与党「共に民主党」が過半数を獲得する見通しである。
飯田)野党「未来統合党」の黄教安(ファン・ギョアン)代表は15日夜、「すべての責任を取る」と述べて代表辞任を表明しております。この報道を受け、産経新聞ソウル支局長の名村隆寛さんと電話をつないで、お話を伺いたいと思います。
名村)おはようございます。
飯田)よろしくお願いします。産経新聞の紙面も「文氏追い風、反日拍車」という記事があります。事前からこの圧勝は見えていましたか?
名村)与党の勝利にはなるだろうと見ていたのですが、予想以上の大躍進ですね。
飯田)まだすべては開かれていませんが、要因としてはどんなものがあるとお考えですか?
名村)有権者は文政権を肯定評価したのですが、文在寅政権の約40%である確定的な支持層に加えて、浮動票や無党派層の票をかなり取り込んだということです。双方とも露骨に相手を勝たせまいとする選挙戦を展開しましたが、与党側、左派勢力が力で勝ったということですね。
大きかった新型コロナの影響~文在寅大統領のPRに
飯田)新型コロナウイルスの影響はあったのでしょうか?
名村)相当あるでしょう。
飯田)文大統領の行動が、かなり報道されていたということですか?
名村)そうですね。ほぼ毎日のように、視察や会議での文大統領の姿がテレビで報じられていました。地味な選挙のなかで、結果的にそれがPRになったという形ですね。
飯田)日本でも補欠選挙がありましたが、今回の選挙戦は新型コロナの影響で、かなりやりづらいという報道がありました。韓国国内はどうでしたか?
名村)いつも韓国の選挙はうるさいくらいに派手なのですが、今回は大声を張り上げたり、人がたくさん集まって行うのは憚られたという状況で、とても地味な選挙でした。
飯田)その部分でも地味ということですね。そのなかで、やはりメディアで報道される文大統領のほうが、有利になったということがあるわけですね。
名村)そうですね。これは意外でした。
飯田)きょうは、ジャーナリストの鈴木哲夫さんとお送りしております。
今後の見通しのつかない韓国経済
鈴木)コロナを抑えたということで評価もされて、今回は勝ちました。しかし、これから経済への影響が大きく出ると思います。韓国の経済に日本も直結している部分があるので、この先の韓国経済が心配です。この辺りはどうですか?
名村)韓国経済はただでさえまずい状況です。朴槿恵前大統領のときから長年、低迷続きです。半年先、数ヵ月先すらどうなるのかは見えません。それは韓国国民もわかっているはずですが、今回は文政権に投票しました。
鈴木)文政権は国内政治が難局になると、外交に活路を見い出します。日本バッシングをして、韓国の世論を自分に集めるということを行います。文大統領の反日という姿勢は、これからどうでしょうか。場面、場面で苦しくなると、そういうことが増えて来るのですかね?
名村)きょうも韓国メディアは与党圧勝、野党惨敗で報道していますので、自信満々でやりたい放題にやるのではないでしょうか。日本に対しては今回、関心度があまり高くなかったので、とりあえずは二の次だろうと思います。それよりもコロナで頑張ったということをPRしている感じです。
飯田)各国が経済対策を打ち出していますけれども、総選挙が終わって新体制が固まれば、韓国も出して来ます。
名村)すでに出しているのですが、この政権は大衆受けする政策などをあげたりするので、実際はどうなるのか。日本人の感覚からすれば、かなりしんどいのではないでしょうか。
飯田)もともと文政権は、財閥バッシングのようなことも行っていました。その辺りは経済を痛めつけることになります。しかし、それを行えば支持率が上がるということですか?
名村)左派や、いまの与党の支持層、恩恵を受けていない市民層などからは評価されます。
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