検察庁法改正案~黒川氏と安倍総理の本当の関係は

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月12日放送)にジャーナリストの有本香が出演。検察官の定年延長を含む国家公務員法等改正案について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

自民党・森山国対委員長~国家公務員法等改正案について「今週中に衆院を通過させる」

自民党の森山国会対策委員長は、検察官の定年延長を含む国家公務員法等改正案について、週内に衆院を通過させる意向を記者団に表明した。検察官の定年延長部分を削除すべきだとの指摘に対しては、法案の分離は非常に難しいとの認識も示している。

飯田)一方で、野党・立憲民主党の安住国対委員長は「削除しなければ採決には応じない」と明言しています。この話はツイッターでも話題に上がって、にわかに盛り上がって来た感じがします。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

ツイッターで話題に~人為的に行われた可能性も

有本)ツイッター上のことを言うなら、にわかに盛り上がって、にわかに終息したという感じではないでしょうか。どうもスパムのような扱いで、たくさんのハッシュタグ付きのツイートがされたようです。普通に一般人が気持ちを持ってツイートしたというよりも、組織的に大量のハッシュタグ付きのツイートをして、トレンド1位に上げようとした可能性があります。ツイッターをやっていらっしゃらない方からすると、何のことかという感じかもしれませんが、1つのキーワードとしてハッシュタグを付けてツイートすると、それがトレンドというものに上がって、「この話題が注目されている」と盛り上げることができるのです。それを人為的にやったのではないかと言われています。多くの芸能人や文化人の方が、同じハッシュタグ付きのツイートをしたことで、一気にトレンド上位に上がったのですが、その多くが削除されているようです。通常、国会では100の法案が審議されて、そのうちの60~70くらいが成立するという仕事をしなければいけないわけです。そのうちの1つが国家公務員法等改正案で、これはそもそも民主党政権のときから懸案され、今日まで検討が続けられて来たものです。国家公務員、当然そこには検察関係者も含まれるのですが、日本人の寿命が長くなり、年金の支給年齢を引き上げるという流れがあるなかで、全体の公務員の定年を上げて行こうということです。検察庁法もそこに当てはめようという話なのですが、それとは別で問題になっているのが黒川さんです。

飯田)東京高検検事長。

有本)官邸と非常に近い人なのではないか、この人の定年を延ばすために定年を延ばそうとしているのではないかという、事実無根のストーリーが流布されて、「それなら反対しなければいけない」と誤解させられた人がたくさん出て来た。この黒川さんに関して、いろいろ週刊誌に書かれているのですが、私が取材したところでは事実と違いますね。もう少し踏み込んで言うと、安倍政権や官邸という広い言い方をすれば、もちろん接点がないわけではありません。しかし安倍総理という個人で捉えると、むしろ黒川さんよりも別の人の方が、個人的には距離が近いのではないかと思われる情報もあります。

飯田)ライバルになっている方ですね。

首相「新しい時代つくる」在職日数が憲政史上歴代1位となり、記者の質問に答える安倍首相(左端)=2019年11月20日午前、首相官邸 写真提供:共同通信社

黒川氏の名前が挙がった経緯~黒川氏ありきのものではない

有本)安倍政権は7年以上になるわけですが、これまで特定秘密保護法など、いろいろな難しい局面がありました。そういうときに、当時の官邸を支えて来たのは黒川さんではないのです。

飯田)確かに私も記憶しているのは、共謀罪と呼ばれた特定秘密保護法、あのときに答弁に立っていた当時の刑事局長が、実はいま取り沙汰されているうちの1人なのですよね。

有本)同志であるという感覚からすると、別の人なのですよ。もともと黒川さんありきという話でも何でもないのです。現検事総長の稲田さんが、本来だったら1月に定年の予定だったのです。

飯田)この方は誕生日が8月なので、定年としてはそこまで行けるのだけれど、バトンタッチは1月だったと。

有本)1月と言っていたのだけれど、それを延ばす状況になったわけです。IRやゴーン事件などの大きな事件があって、しばらくこの体制を動かすのはやめようという流れがあり、玉突き的に出て来たことなのです。

飯田)いま後任と目されている黒川さんは、誕生日が2月で定年が63歳だから、このまま行くとバトンタッチできないではないか、という話になってしまったのですね。

有本)あたかも黒川さんと特別な癒着的関係があるように言われているけれど、それは筋の違うことですし、敢えて言うならこういう時期に事実と確定していないようなストーリーをつくり、政局的に盛り上げようとするのは、あまりにも筋が悪いのではないでしょうか。

逃亡先のベイルートで記者会見するカルロス・ゴーン被告=2020年1月8日(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

年金の支給年齢引き上げも含め、国家公務員全体の制度改正をしなければならない

飯田) 横浜市神奈川区の“ゆたかわまつ”さんから、メールをいただいています。「モリカケ、桜よりコロナをやれ、と安倍政権支持者の方がおっしゃっていましたが、検察官の定年延長はコロナ対策よりも大事なのでしょうか?」。11日に立憲民主党代表の枝野さんが、「なぜいま」ということを言っていましたけれども、この辺はもともと議論が長く続いていました。

有本)定年延長というよりも、年金の支給年齢を上げて行く準備をするためです。そして、いま仮に法律が通ったとしても、施行するのは2022年4月からということでしょう。そういう点からも、他のいろいろなものを調整して行かなければいけないスケジュール感のなかで出ている話なのですよ。

飯田)2022年は、団塊世代が75歳以上という後期高齢者になり始める年でもあり、ここから先は年金や医療、介護、財政がより逼迫(ひっぱく)する可能性があることが、スケジュール的には見えています。

有本)ですから、別のステージに上げなければいけない。そのために国家公務員全体の制度改正をしなければいけない、という流れのなかで出ている話です。

飯田)全体の逆算のなかで。

有本)それと先ほど言ったように、まったく別次元の話で言えば、これは黒川さんがどうのこうのという問題ではないということです。

飯田)いろいろな問題が複雑になって、ミスリードを生みやすい環境になっている上に…。

有本)私にはわざと複雑にして、ミスリードさせているようにも見えます。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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