中国が経済成長率目標設定を見送る~一党独裁の翳り
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月25日放送)に第一生命経済研究所 首席エコノミストの永濱利廣が出演。中国が全人代で2020年のGDPの成長目標を見送ったニュースについて解説した。
中国の全国人民代表大会(全人代)第3回会議が22日、北京の人民大会堂で開幕。新型コロナウイルスの影響で経済の先行きが不透明なため、2020年の国内総生産(GDP)の成長率目標の設定を見送った。
飯田)これは見通せないということですか?
永濱)そうですね。ただ新規雇用の目標は900万人と出ているのですが、大体過去の経済成長との関係で見ると、3%くらいですかね。多分これまでは6%ほどの目標を立てているなかで、いきなりGDPの目標が3%とすると目立ってしまうので、あえて出さなかったのではないでしょうか。イメージ的には3%くらいだと思います。
飯田)経済成長があったからこそ、みんなに果実が行き渡るのだということを政府も言っていたのですが、そのモデルが厳しくなって来たということですか?
永濱)だと思います。そういう意味では、香港の問題もありますけれども、このことはコロナ前からあった話です。アメリカとの民主主義と一党独裁の対立的な構図がコロナでより顕在化して、震源地は中国だったわけですけれども、リーマンショックのとき同様、民主主義よりも一党独裁の方が意思決定や政策実行が早いので、一党独裁評価という向きもあるかも知れません。しかし、そう簡単に一党独裁がいいとはならないと思います。中国は労働主役的な経済からはなかなか脱せないのですが、構造的にも少子高齢化などがありますから、そういうなかでは一党独裁がプラスかと言うと、必ずしもそうではないと思います。
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