「あおり運転」にある“もう1つの背景”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月3日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。あおり運転の厳罰強化を盛り込んだ改正道路交通法が成立したニュースについて解説した。

「あおり運転」にある“もう1つの背景”

【常磐道あおり運転】常磐道でおきたあおり運転事故で茨城県県警により行われた実況見分。黒いSUVが容疑者車両、白いSUVが被害者車両=2019年8月31日、茨城県守谷市 写真提供:産経新聞社

あおり運転の厳罰化~改正道路交通法が成立

あおり運転に対し、最大5年以下の懲役を科すなどの罰則強化を盛り込んだ改正道路交通法が、2日の衆議院本会議で可決・成立した。

飯田)あおり運転問題は去年(2019年)の夏くらいから、さかんに報道されていました。

「あおり運転」にある“もう1つの背景”

東名高速道路下り線の事故で移動される車両=2017年6月、神奈川県大井町 写真提供:共同通信社

あおり運転にあるもう1つの背景

佐々木)あまり言われていないし、言われると不快に思う人もいると思いますが、あおり運転の背景には、日本特有の、やたらとノロノロ運転をして、道路を塞ぐドライバーがいるという問題もあるのです。一車線しかない道路であれば、塞いでいるのは問題ないのです。高速道路の追い越し車線で、時速100キロの制限のところを、80キロくらいでゆっくり走っていて、後ろに長蛇の列ができているのに、左側の車線に移ることをしない人がけっこういるのですよ。そのような車の後ろで、イライラしている人がたくさんいる。この問題も実は、あおり運転問題の背後には若干あるのだと思います。

飯田)本音と建て前のような日本の速度規制のあり方というか、確かに「速度は守っているだろう」と言われればそうなのですが。

佐々木)「俺は速度を守っているから何も悪くないんだ」というような顔をして運転されているのですが、実際100キロ制限の道路で、全員が100キロで走っていることはあり得ません。体感で言うと110キロくらいで流れているのが普通だと思います。東京の首都高速だと、60キロ制限のところが多いのですが、だいたい70~75キロくらいで流れています。それを「速度違反だ」と言うのは簡単なのですが、実態と法律の乖離を考えるべきだと思います。新東名が100キロ制限を少し緩和して、120キロになっていますが、道路によって状況が違うのだから、制限速度も変えるべきです。首都高の山手トンネルという長いトンネルがあります。60キロ制限で、あれを100キロで走っている人がたまにいますが、それは死にますよ。

飯田)ハンドルを切りそこなったりすると、横は壁ですからね。

佐々木)一方では、湾岸の大井や羽田のあたりは直線で広い道路がつながっています。あそこと山手トンネルが同じ制限速度であるというのは、おかしいと思います。ある程度、場所によって制限速度を変えて行くということもあり得るのかなと思います。

飯田)そうすると標識の見せ方もね。

佐々木)わかりにくいですよね。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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