ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月9日放送)にジャーナリストの有本香が出演。委託費用が高すぎると野党が指摘する「Go Toキャンペーン」について解説した。
菅官房長官~Go Toキャンペーンの委託費減額しない
新型コロナウイルスの感染拡大によって影響を受けた観光や飲食の需要を喚起する「Go Toキャンペーン」の委託費が高すぎると野党から指摘されている問題について、菅官房長官は8日午前の会見のなかで、過去の同様の事業でも費用の2割程度を計上しているとした上で、予算は減額しない構えを示した。
飯田)委託費や事務費に関しては、持続化給付金の話から始まり、この「Go Toキャンペーン」が1兆7000億円弱で、2割でも高いではないかということが出ています。
早急に進めるためには経済産業省が仕切る必要がある~大きな額を動かさないと意味がない
有本)高いか安いかを、野党側が判断材料を持って言っているのかは疑問です。官房長官がおっしゃるように、過去にも2割程度はそのような費用として挙げています。今回のこのキャンペーンは全体の枠組みとして考えると、早急にやらざるを得ません。ですから今後のやり方としても、経済産業省が仕切って公募をして、業者を決めると。このようになっているのは、スピード感を持って進めるという観点で仕方ないと思います。それぞれの役所が経済産業省以外に、農林水産省と国土交通省という感じでバラバラに進めると、着手するのに時間の差が出て来ます。そもそも事業自体が巨額なものなので、大きな額が動くのはその通りなのですが、逆に言うと、ここは大きな額を動かさないと意味がありません。
各省それぞれが進めるデメリット~野党の理屈は立っていない
飯田)いまの仕組みは、経産省が全体の事務局としてすり合わせていて、野党が批判しているように、この先は各省ごとにやるとなると。
有本)国土交通省、農林水産省と。国交省は観光関係、農林水産省はいろいろなものを食べるとか、そういう世界ですよね。
飯田)そうなると今度は「縦割りで無駄なことに税金が使われている」、「同じような事業を各省でやっているではないか」と野党は言いますよね。
有本)あり得ますよ。スピード感が失われる危険性があることと、同じようなものが重複することによって、かえって全体の費用が膨らむ可能性が出て来ます。
飯田)かつて行政改革は、そこを批判されていましたよね。
有本)これに関しては、野党側の理屈は立っていない感じがあります。
飯田)1度でも会社をまたいで仕事をした経験があれば。
有本)違うなと思いますけれどね。むしろ集約しているというのは、今回に関しては、理屈として通っていると思います。
飯田)これを第1次補正にあえて乗せる必要があったのか、という批判はありましたよね。中身に関しても観光業、その他パッケージという形で、それがコロナウイルスを抑えるところとの整合性としてどうなのか。
コロナ後、どう続けて行くのか戦略が見えない~国内の人の需要喚起をどう続けるか
有本)整合性がどうかというのもありますし、飲食店のポイント制ということをやっているのですが、特定のインターネットのサイトと連動しています。それは策として適格か疑問があります。
飯田)特定のポイントの、行政の誘導的な。
有本)それが果たして適当なのかという感じがします。
飯田)観光振興をどうするかは、コロナウイルスの前から議論もあって。
有本)経済産業省の分野になりますが、商店街など地域振興的な意味合いが、コロナを凌いだ後でも続いて行くような戦略が見えているかどうかです。とりあえずは手っ取り早くお金を落としてもらうことが必要ですが、それだけで終わってしまうと、また元の木阿弥ということになります。あえて言うと、私は野放図にインバウンドを拡大して来たいままでの流れを見直すべきところに来ていると思います。そういう意味で、国内の人が動いてお金を使う需要喚起をどのように息長くやって行くかです。その戦略がベースにあって、その上でGo Toキャンペーンで弾みをつける、またはスタートダッシュに使うというようには、いまのところ見えていません。
飯田)業界含めて、これから先にどうデザインして行くのかが見えていない。
高速料金の見直し、道の駅の活用
有本)特に交通インフラ、こういうものに対する支援と併せないと、功を奏さないと思います。前から申し上げていたように、航空会社や鉄道会社に対する支援と同時に、高速道路の料金などの見直しをして、動きやすい状況をつくる。いまコロナウイルスで接触や密を避けるということが言われていますから、車での移動はある意味推奨できます。そうすると高速料金の見直し、道の駅などの活用をどうして行くのか。
飯田)いまは週末の割引も停止している状況です。ここから先は割引など。
有本)むしろ大胆にやるべきだと思います。
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