日本では実現できない?! 忖度なしのメディア業界ドラマ

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第845回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、Amazonプライムビデオ他にて配信中のドラマ『報道バズ』をご紹介します。

日本では実現できない?!  忖度なしのメディア業界ドラマ

「報道バズ」

ニューヨーク発のインディードラマ 日本人クリエイター&キャストが問いかける「嘘のない報道」とは?

「出る杭は打たれる」の“出る杭”にちなんで名付けられたクリエイターチーム“Derrrrruq!!! ”(デルック)。

脚本家・近藤司、俳優・本田真穂、監督・川出真理で構成され、ニューヨークを拠点に活躍する彼らは、日本と海外におけるマイノリティとしての経験をベースに、日本、そして海外に向けてメッセージを発信し続けています。

そんなデルック制作の日米合作ドラマ『報道バズ ~メディアの嘘を追いかけろ!~』が、いま、静かな注目を集めています。

日本では実現できない?!  忖度なしのメディア業界ドラマ

「報道バズ」

日本の大手テレビ局のアナウンサー、和田明日佳。仕事と言えば、ビキニ姿で海辺でリポートをしたり、チョコバナナを“思わせぶりに”試食中継したりと、バラエティ番組の“お色気担当”ばかり。

そんな和田がテレビ局を辞め、一念発起して向かった先は、アメリカ・ニューヨーク。長年の夢だった報道の仕事に携わるため、日本向けに独自取材した情報を発信するニュース・アプリ会社「報道バズ」に転職する。

“嘘のない報道”をモットーに、芸能界や政府にまつわるスクープを連発する和田。順風満帆なスタートを切ったかのように見えたが、その活躍ぶりが“目立つ女性叩き”のターゲットとなり、ネット上では炎上に次ぐ炎上。

気づけば自らが、犯罪ニュースのネタになってしまい…。

日本では実現できない?!  忖度なしのメディア業界ドラマ

「報道バズ」

全編ニューヨークで撮影。ウェブニュースの現場で働く人々の奮闘を通して、“嘘のない報道”とは何かを問いかける本作。

日常生活に深く浸透している情報番組やニュースサイトに潜んだ“嘘”や、事実の歪曲。ソーシャルメディアでの誹謗中傷や女性蔑視…。そうした社会問題や不可解な現象を、日本のメディアとのしがらみがない海外からの視点で描いています。

日本のメディア業界が“語れないこと”が、あまりにもサラリと会話に出て来るので思わず唖然!? そして、苦笑。ユーモアを交えた斬れ味鋭い作風に、鮮烈な印象を覚えることでしょう。

日本では実現できない?!  忖度なしのメディア業界ドラマ

「報道バズ」

元“女子アナ”、有名な母親を持つテレビマン、自己主張が苦手なゲイのテクノロジーオタク。英語を話せないハーフに、日米バイリンガルハーフ…。

本作に登場する人物たちは皆、いわゆる“ステレオタイプ”とは程遠いキャラクターばかり。「女らしさ」「男らしさ」「日本人らしさ」など、社会が掲げて来た“○○らしさ”なるモノに葛藤を抱きながら、「自分は何者なのか」と自問する姿に、どこかしら自分自身と重ね合わせる人も多いことでしょう。

日本のテレビ局ではつくれない。制作してもオンエアできない?! スリリングなハイブリッド・エンタテインメントを、是非!

日本では実現できない?!  忖度なしのメディア業界ドラマ

「報道バズ」

『報道バズ』

全6話、約20分/話 各種VODサイトにて配信中
配信プラットフォーム:Amazonプライムビデオ、Google Play、YouTube、VIDEX、RakutenTV、ひかりTV、ビデオマーケット(DMM、GYAO!ストア含む)、TSUTAYA TV 他
脚本:近藤司
監督:川出真理
出演:本田真穂、松崎悠希、倉持哲郎、辛源、コリンズ・ユリエ
エグゼクティブ・プロデューサー:マスヤマコム(桝山寛)
プロデューサー:川出真理、近藤 司、本田真穂(以上デルック)、遠山豊(Promax inc.)
脚本監修:佐藤大(ストーリーライダーズ)
英語タイトル:HodoBuzz
(C)2020 Tall Trees Playground LLC. All Rights Reserved.
公式サイト https://www.derrrrruq.com/hodobuzz

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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