タイなど4ヵ国の入国制限緩和を検討~深刻な状況の航空業界
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月11日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。政府がタイ、オーストラリアなど4ヵ国の入国制限緩和を検討しているというニュースについて解説した。
入国制限緩和案
新型コロナウイルスの感染拡大のため実施中の入国制限をめぐり、政府が入国制限の緩和案を検討していることがわかった。対象となるのは、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、ベトナムの4ヵ国。1日最大250人程度のビジネス関係者を想定し、今年(2020年)の夏の往来を目指す考えである。
飯田)政府が対策本部を開いて、各国とも交渉をするということだそうです。
鈴木)感染者、死者が抑えられている国とは、少しでも早く再開して交流をする。特に経済ですが、4ヵ国のなかにベトナムも入っています。私の友人が専門商社なのですが、中国の武漢の工場で、ものを製造していました。彼は極めて早い年明けの1月に現地に行き、大変な状況になることを見込んで工場の拠点を移したのです。1つは中国国内、もう1つはベトナムに移しました。
飯田)早い決断でしたね。
鈴木)日本に帰国して「大変なことになる」と経産省に言いましたら、経産省は「春節が問題で」と言って何もしていなかった。結局、世界中に感染が拡がりました。彼の判断はよかったのですが、ベトナムとも行き来ができなくなってしまったので困っていました。現在はベトナムは大丈夫なのですが、行き来するのに、検査などの条件を付けることは最初は当然です。「一刻も早くベトナムには行き来できるようにして欲しい」と1ヵ月前から言っていました。ようやくですね。ビジネスや留学生、または家族が単身赴任で行っているというような、さまざまなケースがありますが、行き来ができる場所から行うというのは、1つのポイントですね。
深刻な航空業界
鈴木)もう1つは、この海外の行き来を行わなければ、航空業界は相当深刻だと思います。私も先日、必要に迫られて国内線を利用しましたが、ガラガラで驚きました。国際線はほとんど飛んでいないわけですので、かなり危険な状況だと思います。世界各国を見ると、エールフランス、シンガポール航空、アメリカン航空などは政府が損失を補填して、航空業界を支えると意思表示しています。JRや私鉄も苦しいのですが、航空業界への支援は、日本政府も必要だと思います。
飯田)先週、ANAホールディングスの片野坂社長が、報道各社のインタビューに答えていました。あの会社の場合は、自主独立ということにこだわる部分があるので、資本注入は受けませんが、そのかわりメインバンクを含めて1兆円近くのメドがついたのだと言っていました。国策に近いものを航空のなかには、特にフラッグシップと呼ばれる会社には必用ですよね。
鈴木)そうなのです。しかし100%国策であると、これはいろいろな問題があり、かつては日航の問題などもありましたからね。しかし、経済という視点から見たときに、こういう有事の際にはある程度、国のお金を入れてもいいのではないでしょうか。もちろん限度はありますが、必要だと思います。
飯田)路線を維持することが重要ですね。
鈴木)日本が世界の経済の拠点であるならば、航空とセットで考えなければならないかも知れません。
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