ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月12日放送)に自由民主党参議院議員の青山繁晴が出演。今国会で初めての実質的な審議となる拉致問題特別委員会の開催について解説した。
拉致問題の特別委員会、12日開催へ
拉致被害者である横田めぐみさんの父、滋さんが6月5日に亡くなったことなどを受け、衆議院では拉致問題に関する特別委員会を開き、今国会では、初めて実質的な審議を行うことになった。
飯田)拉致問題特別委員会、これは国会召集日以来、今国会で開かれていなかったということであります。
青山)僕は参議院の拉致問題特別委員会の理事です。それで、なぜなかなか開けないかというと、大きな理由は、担当大臣が実質2人いらっしゃる。メインは菅官房長官で、もう1人は外務大臣。そのお2人が他の委員会にお出になることが多いところを、こちらに出てもらうというのはなかなかできなくて、実は一旦、今国会では見送りになった。それではおかしいという意見が与野党を超えて、理事のなかでも高まり、まずは衆議院でやることになったのです。参議院の方は12日に理事同士の話し合いをやり、15日に開けそうな見通しです。
委員会を開かないことは北朝鮮への誤ったメッセージを送ることになる
青山)特別委員会は拉致問題を扱う国会のなかの専門の委員会ですが、やっていて、大臣がおいでになれないということだけではなく、苦しいですよね。相手先の北朝鮮と議論したり、交渉したりということが実質できない状態です。そのなかで、大臣の答弁もいつもと同じ話になりかねないというのは深刻なことです。ただし、委員会を開かないということは、北朝鮮への誤ったメッセージになってしまうので、今国会でまずは開くということです。
飯田)メールもいただいていますが、“ザヴォイスガキッカケ”さんから。この方は東京都大田区の57歳男性の方です。「やはり、横田滋さんのことを伺わせてください。亡くなったあと、ご家族が記者会見をしました。各社報道をしていませんでしたが、大半のテレビ局が報道していなかった拓也さん、哲也さんのお話。双子の、めぐみさんの弟にあたる方々ですが、総理への批判に対し、批判している一部マスコミや政界に対しての批判とも取れるお話をされていました。ここ40年間、政治の方も動いて来なかったこともあるし、メディアも北朝鮮がそんなことをするなんて、というような対応だったではないか、という指摘でありました。青山さんはこのお話を聞いて、どのような感想をお持ちになったでしょうか? この話をしてすぐに解決ということはないと思いますけれども、我々日本人がご家族の思いに心を寄せることが大事だと思います。新型コロナで政府主催の集会などが軒並み中止となって、拉致が風化しないか心配しています」と。
横田哲也さん「何もやっていない方が政権批判をするのは卑怯だと思います」
青山)いま、メールでいただいたのは、会見のときに横田哲也さんがおっしゃったことです。
飯田)僕もこの会見に出ていまして、哲也さんはここを本当に強調して話していらっしゃると、僕は思いました。拉致問題が解決しないことに対して、「あるジャーナリストやメディアの方は、安倍総理は何をやっているのだ、ということをおっしゃいます。北朝鮮問題を一丁目一番地に掲げていたのに、何も動いていないではないかというような発言。ここ2、3日のメディアで目にしておりますけれども、安倍総理、安倍政権が問題なのではなく、40年以上も何もして来なかった政治家や、北朝鮮なんて拉致なんかするはずないでしょう、と言って来たメディアがあったから、ここまで安倍総理、安倍政権が苦しんでいるのです。安倍総理、安倍政権はやってくださっています。なので、何もやっていない方が政権批判をするのは卑怯だと思います」とおっしゃっていました。
憲法9条の改正によって拉致被害者を取り戻せる可能性が生まれる
青山)哲也さんは覚悟を決めて話されたということが、僕自身にも伝わりました。その上で、正直に言いますけれども、昨夜も総理とこの拉致について改めてお話をいたしました。民間時代からの僕の持論でもあり、お母さんの早紀江さんを中心に横田さんたちがおっしゃっているのが、「憲法9条を変えないと、うちの娘も他の息子さんや娘さんも帰って来ない」ということです。そのために早紀江さんも滋さんも、あるいは拓也さん、哲也さんも嫌がらせを受けて来たのです。でも、そのことの意味は、「取り返しに行って戦争をしよう」ということではなく、憲法9条を変えることによって、法制も変えられるから、「取り返しに自衛隊が行けますよ」という準備をすることができるようになる。北朝鮮はその意味ではクレバーなので、態度が変わって、「では交渉で話をしよう」ということに初めてなると、僕個人としては間違いないと考えています。北朝鮮が返せない、返さないという理由は複雑に考える問題ではないのです。北朝鮮の独裁者も世代替りして、要はメリットとデメリットを天秤にかけているだけです。独裁者にとってのデメリットというのは、例えば、確認はできないけれども、横田めぐみさんがあまりにも賢いので、いまの独裁者の世代、あの兄弟の家庭教師をなさったという説まであるくらいです。ということは、拉致被害者のほとんどが北朝鮮の内情をご存知、あるいは工作活動の真実をご存知ですから、それが日本を通じて世界に広がるのを恐れているのです。けれども、世代替りをして、拉致事件が頻繁に起きていたころは、まだ生まれていないか赤ちゃんだった金正恩委員長が、いまの独裁者です。そういう過去の北朝鮮の行いが露呈してしまっても、武漢熱も含めて国家崩壊の危機かも知れない北朝鮮にとって、メリットの方が大きくなったと捉えれば、しかも放って置いたら優秀な自衛隊が取り返しに来るかも知しれない、そこに米軍の協力があるかも知れないということになれば、交渉に応じる可能性があるのです。
憲法9条改正へ~衆議院を解散してでも前に進むべき
青山)与野党で一致できないから、憲法審査会を開かないという政権の姿勢がおかしいのです。当然、自由民主党が民意によって多数を形成しているということの責任を果たすために、憲法審査会を開くべきなのです。国民を守ることが自衛の措置です。拉致被害者の救出は戦争行為ではなく、国民を守る行為です。それが自由民主党の正式案になっているわけですから、それを掲げて憲法審査会をやる。衆議院を解散して、それで政権が潰れてでも前に進まなければいけないのです。これが拉致被害に対する匍匐前進ですけれども、政権維持が事実上優先されて、それをやって来なかった。ということは横田哲也さんが新たな問題提起をなさったけれど、安倍政権や自由民主党がこれでよかったということにはならないのです。
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