北京で第2波のコロナ感染が拡がれば、習近平政権に大きな打撃

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月23日放送)にジャーナリストの有本香が出演。中国情勢に詳しい評論家の石平を電話ゲストに迎え、尖閣の字名変更について解説した。

人民大会堂で、政府活動報告を聴く中国の習近平国家主席(中国・北京)=2020年5月22日 写真提供:時事通信

中国外務省が石垣市議会の尖閣の字名変更案可決に抗議

中国外務省の趙立堅報道官は22日、沖縄県石垣市の市議会が尖閣諸島の字名に「尖閣」を加える議案を可決したことについて、日本政府に抗議したことを明らかにした。

飯田)「石垣市登野城」となっているものについて、市内に同じ字名の地域があり、事務的なミスを防ぐため、「石垣市登野城尖閣」に変更するという議案が賛成多数で可決されました。10月1日から変更ということです。名前を変えることの何が悪いのか。菅官房長官は会見のなかで、「政府としてコメントすべきではない」と述べておりますが、ここで中国情勢にも非常に詳しい、評論家の石平さんと電話がつながっております。石平さん、おはようございます。

石)おはようございます。よろしくお願いします。

飯田)朝早くからありがとうございます。この名前の変更について、中国から抗議が来ました。率直にどう思いますか?

石)当然、彼らは抗議するのですけれども、問題は22日に公船が4隻、おそらく一種の抗議行動として日本の領海に侵入して来ました。習近平政権はいま戦狼外交ということで、国際社会外部に対して、あらゆる面で強い姿勢を示すという外交姿勢になっています。当然、今回の石垣市の字名変更に対しても、強く反応するのが、いまの中国の外交姿勢です。

有本)このところ中国政府は、尖閣に来ている海警の船が、いままでもそうだったのですが、人民解放軍の完全な指揮系統下に入ります。特に人民武装警察法の改正案が可決したということですけれども、我々は軍事行為だと見なければいけないと思うのですが。

石)少なくとも準軍事行為と言っていいと思います。もはや、一般の警察行為ではなく、明らかに海警が軍の一部隊ですから、日本政府としてはこの度重なる領海侵犯を、もっと強い姿勢で対処しなければならないと思います。

沖縄県・尖閣諸島 手前から南小島、北小島、魚釣島 海上自衛隊の哨戒機「P-3C」 から=2011年10月13日 写真提供:産経新聞社

中国のエスカレートする領海侵犯~コロナ第2波拡大による国内での批判を抑えるため

有本)我々から見ると、中国側は船の隻数も多くなり、船自体が大型化しています。日本の漁船を追い回したという事案がありましたけれども、それも5000トンクラスの船で追い回しています。どんどんエスカレートして来ている。日本が強い姿勢を見せないからということも言えるのですが、ここに来て激しくエスカレートしているのは、中国内の事情と関連するところはあるのでしょうか?

中国の外交政策を統括する楊潔チ共産党政治局員(左)とポンペオ米国務長官(アメリカ・ワシントン)=2018年11月9日 写真提供:時事通信

物別れに終わった米中会談~今後対立は深まる

石)いま、習近平政権は全体的にはご存知の通り、国内の新型コロナウイルスが収束せず、北京では再び大変なことになっています。失業者が多く、国内でも習近平国家主席に対する批判の声が広がっています。そこで、習近平政権は対外的に強い姿勢を示しているのです。日本だけではなく、インドやオーストラリアに対しても強硬姿勢を見せています。全面出撃ということで、国民に対してもアピールしているのです。

有本)一方で、アメリカとの関係は、習近平政権にとって頭の痛いところだと思うのですが、先週、楊潔篪政治局員が、アメリカのポンペオ国務長官と会談をしたということですけれど、今後の米中関係はさらに緊張が高まって行くと思いますか?

石)会談は基本的には物別れに終わってしまいまして、中国は香港の国家安全法に関しては一歩も譲りません。それは徹底的にアメリカと対抗する。一方で中国がアメリカにアピールしたのは、米中貿易協議の第1段階合意の約束を守るということですが、いまのトランプ政権は第1段階の合意に対してそれほど興味も持たなくなりまして、むしろ中国全体の独裁政権の体質、外交戦略、軍事戦略に対して、「これ以上は許さない」という姿勢で対抗しています。中国もそこまでアメリカと折り合う余地がないですから、あの会談の後ではむしろ今後、米中関係は経済、軍事、あらゆる面で対立が深まるのではないかと見ています。

15日、中国湖北省武漢市の通りで行われた新型コロナウイルスの検査(中国湖北省武漢市)=2020年5月15日 写真提供:時事通信

いまの状況で習近平主席が権勢を失うことはない

飯田)習近平国家主席の権力基盤が揺らいでいるという報道もありますが、どうなのでしょうか?

石)共産党のなかでも批判、不満はいろいろあるのですが、彼は党の上層部をガッチリと掌握しています。彼に不満を抱く人は多いのですが、彼に挑戦を挑むほど力のある人物はいません。つまり彼の権力基盤が揺らいでいるわけではないのです。いまの状況で、彼の権力基盤が権勢を失うという状況にはないのだと思います。

中国、全国で新型コロナの哀悼活動 北京駅で黙祷をささげる人たち=2020年4月4日午前10時 写真提供:産経新聞社

コロナの第2波によって北京が深刻な事態になれば習近平政権に大きな打撃となる

飯田)「コロナを抑え込んだ」「習近平主席の力だ」と言っている矢先に、北京で再び感染が出ていますけれども、これはどうなのですか?

石)今後の北京の感染拡大がどこまで拡がるかということは、大きな要素になります。いま、共産党政権が北京の感染拡大を抑えつけているところですが、抑えきれずに感染が拡がり、第2の武漢のようになれば、習近平主席の権威は大きく傷つきます。西側のコロナ対策がうまく行かなかったことで、習近平主席が救われたということがある。外国がうまく対応できずに、中国だけが習近平主席の指示でうまく対応できたということは、彼の唯一の自慢です。もし北京で深刻な事態になれば、首都ですから、政治的、経済的に大幅な損失となり、習近平政権どころか、共産党政権の安定にとっても深刻な事態となるでしょう。

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