キャスターの辛坊治郎氏が7月6日(月)、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。東京・新宿区での新型コロナウイルス感染者を対象した1人当たり10万円の見舞金支給について、持論を語った。
辛坊)東京の感染者が増えています。新宿区のホストクラブ、やたら増えていると思いませんか。それがどうのこうのという大きな論理的な話は改めて詳しくしますが、1つ事実としてあるのは、新宿区では、新型コロナウイルスに感染すると、10万円の見舞金をもらえるのですよ。これは、行政の在り方としてどうなのですか。新型コロナウイルスに感染したら、いろいろ大変だろうから10万円あげますと。
増山さやかアナウンサー)これはいろいろ制限を加えないのですか。
辛坊)改めてきちんとする話なので、言葉尻を捉えられて批判されると具合が悪いのですが、私のいまの思い、最終結論でいいます。やはり地方議会は高齢者の議員さんが世の中のことを決めているわけですよ。そうすると、高齢者の議員さんは「10万円欲しさに新型コロナウイルスの陽性になりたいと思う人は絶対にいない」と思うわけですよ。しかし、現実に、若い人にとってはこの病気は、ほとんど鼻風邪で、陽性でも症状が全くないという認識なのですよ。だったら……批判殺到の極論ということを承知で言いますが……「陽性になるだけで10万円くれるの? お前、鼻風邪引いてないか? ここでゲホゲホしてみろよ」という若者もいないとは限らないと思います。だから、このような施策は、高齢層が議員をやっていると、何が起きるかということを考えずに決めてしまうわけですよ。いまPCR検査は一時期と違って、発熱をしていなくても、ホストクラブの人たちが集団で「うちの店、全員PCR検査してください」と言ったら受けられるのですよ。なぜ新宿だけこんなに(感染者数が)伸びているのかというと、確かに新宿にホストクラブがたくさんあることは間違いないけれども、感染して陽性ということが明らかになっただけで10万円くれるという制度が6月に上程されて、議会を通って、いま実際に「どうやって配ろうか」という段階に来ているということも一方であるのです。
増山)Twitterで呟かれています、「新宿区の10万円のお話、初耳だった」。
辛坊)初耳でしたか。おかしいですよね、そういう話はしっかり伝えないと。なぜ新宿区にばかり感染者が増えているのかというのがかなり大きな原因になっていると考えられますよね。情報としては、当然そういう話は伝えるべきなのに、なぜか関東のメディアはやらないのですよね。これは本当に謎なのですが。新宿区は、感染しただけで10万円あげますという制度を作ったら、若い人のなかで、大した病気でもないと思っている人は、積極的に「感染してやろうか」と感染すると2週間。入院だったのですが、さすがに全員感染者を入院させると、医療がパンクするということで、いまは結構ホテルに送るらしいですね。しかし、隔離しないといけないのですよ、伝染病予防法で隔離対象になりますから。ホテルに全部公費で丸抱えで2週間、いまはミニマム10日。発症から10日なのですよ、基準がね。ホテルにいられて、全額無料、医療費も無料。その後の従業員の仕事の手当もしてくれるみたいなことになったら、積極的に(コロナに)かかろうかという不届き者もいないとは限りません。いま感染している人がそうだとは一言も言いませよ。しかし、新宿でそういう制度が始まっているということは、情報としてやはり伝えるべきだろうと思います。
増山)ほかの方のTwitterでも、「明らかにおかしい。コロナチャレンジするな。本当に医療を必要としている人が医療を受けられなくなったら、この方々はどうしてくれるのだ」。
辛坊)おっしゃる通りです。感染者の推移では、日本で起きていることは、残念ながらわからないのですよ。いまは、誰でもPCR検査をかなり簡単に受けられるようになって、ホストクラブが、「うちのクラブごと全員受けさせてください」がOKな時代になっていますから、一時期みたいに、感染して潜伏期間があって、発症して4日間発熱して、やっと調べてもらえますという時期の感染者の数と、いまの感染者の数は同じです。100人は100人でも質が全く違う。いま起きていることが、数ではなくて、量ではなくて、質で物事を判断しなければならないのだけれども、安物のメディアは「きょうは何人です」と言うだけで、数だけで質については何も伝えないという。いまの新宿の話なんかも一切言わない。おかしくないか。
翌日8日の同番組にもこの事象に対する反響が数多く寄せられ、辛坊は改めて解説した。
増山)歯科技工士の45歳の方、「新宿区のコロナ感染者には10万円がもらえるというのはびっくりしました」と。
辛坊)実はその新宿区で10万円というニュースは私が調べた限り、6月の12日か何かにとある新聞が1紙だけそういう予算を組みます、というのを一報だけ流しているはずなのです。今回その一報に気がついていたので、最終的にどうなったのかと、土日に調べようと思ったら担当の方が当然いるはずがなく連絡がつかなかったので、7月6日の午前中にサブディレクターの鍋谷君が電話をして確認したところ、議会を通ったと。そして、その10万円をどうやって配るかという具体的な策について決めるという話なのですけれども、もう予算も条例も通っていますから、新宿区では区内で無症状でも新型コロナウイルスに感染しているということになると10万円と。ホストの皆さんこぞってPCR検査しに行きますよね。という状況になって出てきているのが、いま発表されている6日102人、7日106人という東京の感染者の数字ですから。だから、その数字に何か意味があるのか、という話ですよ。今後PCR検査だけ中途半端に増やしていくと、中国のように徹底的に全員検査するというようなことをすればかなりの意味があります。全員でなくても、ある程度定点観測でサンプルを決めて。
増山)年代や性別をバランスよく。
辛坊)バランスよく毎日100人とか、100日で1万人調べられますから。そうするといろいろな傾向が出てきて、最初100人調べただけでは1人も出てこないかもしれないけれども、だんだん冬に向けて出始めたらもしかすると市中感染が広がっている可能性がある、などということが出てくるではないですか。いま東京都の検査能力は1日6000人ですから。実際に検査しているマックスが3000人弱と余裕があるので、だったら定点観測で毎日1000人ずつ調べていけば、相当いろいろな傾向が見えてくるのでやればいいと思うのですけれど。
増山)なぜやらないのですかね。
辛坊)専門家がダメだと。
増山)そしてツイッターで「辛坊さんの感染者数のからくり、面白すぎる」と。
辛坊)恐縮です。しかし、先ほどの新宿区の10万円を感染者に配るというのは、その条例案ができた段階で書いていた新聞が1つだけあるのですが、そのあと条例が可決されて現実に配る準備に入っているという重要な情報をどこも流さず、番組独自に昨日6日に我々が新宿区に確かめて事実に基づいて放送しているのだけれども、メディアが一切やっていなかったのが驚きですよね。なぜ新宿でやたら感染者が多いのかということの、直接の原因かは分からないですけれど、条件として市民、国民は知っておくべき話の1つだろうと思うのですが、なぜやらないのか不思議ですね。そういう意味では我々にそういったことを報道させていただけるチャンスが与えられたということで、私は大変前向きに捉えております。皆さん、ありがとうございました。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)