国内競技団体の5割が年内の五輪開催判断希望~東京五輪まで1年

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月23日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。開催まで1年となった東京オリンピックの開催判断について解説した。

国内競技団体の5割が年内の五輪開催判断希望~東京五輪まで1年

東京五輪開幕まで残り365日と表示する電光掲示板=7月23日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

競技団体5割、年内の開催判断希望

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、来年2021年の夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックを巡って、開催の可否の判断時期についておよそ5割の国内競技団体が、今年2020年の秋を含めた年内を希望していることが22日の共同通信のアンケート調査でわかった。

飯田)きょう23日でオリンピック開幕まで1年とされております。このアンケートによりますと6割の競技団体がオリンピック中止の可能性も意識しているということです。

鈴木)そうですよね。危機管理ということでいえば、その最悪の状況を考えるという基本ですよね。オリンピックは「やるだろう」ではなく、「やらなかった最悪の場合にはどうするのか」ということを考えざるを得ないですよね。結局は、はやく最終的な決断をしてほしい。ただ、新型コロナでいままで経験したことのないことを世界中が経験していますので、たしかにいつまでに判断するという猶予というのは、もちろん待ちますが、それにしても「年内には」ということなのでしょう。やはりアスリートの方に、私も何人か取材をして聞くことができたのですが、そもそも1年延びた段階で、引退のような、第一線から身を引こうということを考えていらっしゃる方もいます。

飯田)ベテランだとそうですよね。

鈴木)あとは、現在練習が十分にできません。たとえば、落ち着いた秋くらいから練習すればよいのかと私は思いますが、この3,4ヵ月の間に練習ができなかった。これからどのように練習ができるのか、ということだけでも非常にマインドも含めてやらないほうがよいという考えもある。要するに、この段階でも置かれている状況に悩んでいる方もいらっしゃる。そうしたことも考えれば、競技団体が年内にといっていることは当然です。IOCはお金のことばかり言っていないで、アスリートファーストでいくのであれば、そうした判断、決断のタイミングをしっかりと持ってほしいですよね。

国内競技団体の5割が年内の五輪開催判断希望~東京五輪まで1年

お台場海浜公園にお目見えした五輪マークのモニュメント=2020年1月17日午前、東京都港区 写真提供:産経新聞社

都市型のコンパクトオリンピックのはずが予算が膨張

飯田)メールやTwitterでもさまざまいただいております。こちらTwitterです。「暑くて競技できないよー。マラソンは早朝にやるの? いや、札幌だー。なんて騒いでいたころが懐かしい東京オリンピック・パラリンピック。そういえば、原点に立ち返れば、復興五輪であり、コンパクト五輪だったのですね」といただきました。

鈴木)よいことをおっしゃります。そうなのです。私は2002年から東京オリンピックの取材をしています。

飯田)誘致のいちばん最初からですね?

鈴木)はい。1度、失敗しましたよね。

飯田)それこそ石原都政時代に。あの当時はどうしてとみな思いました。

鈴木)石原さんが、森喜朗さんが最初にプランを持ってきたら「そんなところまで俺は生きているかわからないから。オリンピックなんて興味ない」と突っ返しました。

飯田)最初はそうだったのですね。

鈴木)しかし、石原さんも都政や選挙などいろいろなことがありました。それもあって、石原さんの周辺の方が目玉になるぞということを言うので進めた。そういうきっかけです。そして1回目はだめでした。

飯田)そうでしたね。2016年を目指したオリンピック。

鈴木)そこでいまTwitterでおっしゃっていたように、都市型のコンパクトオリンピックをやるということ、復興五輪の象徴だということ。こうしたことを売りにしてプレゼンをし、勝ち取ったのがこの2020年オリンピックです。ですので、コンパクト五輪というのは非常に意味があって、いまオリンピックはお金がかかりすぎて世界で手を挙げる都市がなくなってきました。本当はアフリカだとか、お金のない国でもそこでオリンピックをやるということにすごく意味があるのですが、そうしたお金のないところは手が挙げられません。そうすると大都市ばかりを巡るオリンピックになってしまう。オリンピック自体が存続できないのではないのかという局面にありました。そのなかで東京は都市型で安くできますと。既存の施設をうまく使い、コンパクトにやれるのだと。ですので、みなが手を挙げられるように見本をやりますというのがひとつの売りでした。ところが、決まってみればここもお金がかかるという話が出てきて、予算がどんどんと膨れてきていた。

“コンパクト”という原点に多少は立ち返ることができるか

鈴木)そうした意味では、オリンピックをやるやらないは別としても、少なくとも新型コロナ対策のオリンピックというのは観客や規模というようなことをコンパクトに考えていかなければなりません。コロナ対策で多少はお金はかかりますが、コンパクトという原点に多少は立ち返ることができるかもしれません。そんなプラスの部分もあるのかもしれませんね。

飯田)お客さんの入れる数というのも、プロスポーツで先行して野球やサッカーで行っています。では、いったい何人を入れられるのか。半分なのか、上限を決めるのか。そうするといままでチケットを買った人はどうなるのかという。

鈴木)飯田さんもチケット買いましたよね?どうするのですか?払い戻しですか?

飯田)いまのところはまだ、入ることができたら見たいなと思っているので、スケベ心でチケットを持ち続けています。これをどうするのか。

鈴木)そうですよね。観客に関していうと、開会式というのはIOCがいちばんお金を儲けるので、規模は小さくしないと言いますが、それは少し違う気もしますね。

飯田)まさにきょう23日の読売新聞がそのことについて一面トップです。1964年の東京オリンピックのときには、45分間で入場したそうなのですが、現在参加する選手も増えたということで2時間程度かかっていると。その前に、演出がものすごく長いですしね。

鈴木)パフォーマンスがありますからね。

飯田)当然その間は蜜状態になると。

鈴木)たしかにオリンピックは私のような素人からすると開会式は面白いですよね。国柄が見られて。競技よりも開会式が目的という人も結構いますし、それがお金になるということもそうなのでしょう。しかし、今回はお金ではないでしょう。アスリートファーストと、コロナをどうするのか。ここでの決断になりますので、あまりにもお金というIOCの反応を見るとうんざりする感じがしますね。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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