人口の高齢化に伴い、医療・介護のニーズが高まり介護人材不足が深刻化しています。介護現場の負担を軽減するにどのように向き合っていくべきか、「労力軽減」を目的にした取り組みが注目を集めています。
7月29日に六本木電動ベッドショールームで開催されたフランスベッド株式会社の介護ベッド「離床支援マルチポジションベッド」の商品説明会&体験会で、ニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」のパーソナリティを務めるフリーアナウンサー・ひろたみゆ紀が同社の取り組みを取材。その体験レポートをお届けします。
介護現場の声が反映された5年の集大成!
「介護人材の不足」「老々介護」などの介護における課題解決を目指し、フランスベッドが5年の歳月をかけて開発した介護用電動ベッド「離床支援マルチポジションベッド」。介護現場の声に耳を傾け、日常生活の様々なシーンを想定した構造となっており、立ち上がりや移乗をサポートするなど、利用者の自立支援や介護者の負担軽減に繋がる商品となっている。
会場に展示された同商品を体験したひろたは、「支えられている感じがします」「膝のところが上がっていてすごく楽です」と満足の様子。
さらに、ボタン1つで自動的に背中を支える部分のマットレスが起き上がり、体全体が足の方向へ移動していく様子を体験すると、「(寝ている状態から)いつの間にかソファに座っている状態になりました」と初めての感覚に驚きの表情を浮かべていた。
自分で立とうと思わなくてもリフトアップ機能で立ち上がり、介護者の姿勢保持や車椅子への移乗を支援してくれる「くるっとサポート」機能や、通気性の向上を図った「エアブリーズ仕様」のボトムなど、細部に至るまで気配りのある機能の数々にひろたアナは心を動かされた様子だった。
介助者の負担軽減を求めて
体験会後、商品開発の経緯や機能についてより詳しく聞くため、フランスベッド株式会社 取締役 常務執行役員 メディカル事業本部長 兼 メディカル東日本事業部長 吉野与四郎氏にインタビューを行った。
ひろたアナ:“マルポジ”(「離床支援マルチポジションベッド」の呼称)かわいいネーミングですね。どうしてこの商品を作ろうと思ったんですか?
吉野:高齢化社会になってきて「老老介護」というケースも少なくありません。よく在宅であるのが、(体の)小さい方が大きい方を介助して腰痛になることがございます。そういった背景もあり、「労力軽減」をテーマに、なんとか介助者の負担軽減ができないかという想いからこの商品ができました。
ひろた:大変な点はどんなところでしたか?
吉野:ソファ型に変形するベッドは十数年前にもあったのですが、マットレスが分割型になっており、どうしても切り込みによって寝心地感や肌触り感がよくありませんでした。“マルポジ”は、切り込みのない一本マットレスとなっており、巻き込んで下におろす部分がズレ落ちしないように、端座位(シーティングポジション※) をとれるようにした部分が苦心したところです。
ひろた:だから安定していたんですね。横ブレがまったくしないですし、すぐに起きあがって気づかないうちに立ってしまいました。自分の脚で立ち上がれることは、大きな喜び、生きる力になるでしょうね。
吉野:そうですね。おっしゃるとおりです。
※編集注:同商品は、横になった状態のベッドポジション(寝姿勢)、上半身を起こした状態のリクライニングポジション(ベッド上座位)、座った姿勢がとれるシーティングポジション(端座位)、立ち上がり・移乗をサポートするスタンディングポジションの4つのポジションを、1つのボタン操作で切り替えることができる。
介護される方への3つの優しさ
ひろた:介護の現場においてもこのベッドが果たす役割は大きいですよね。
吉野:一見すると、立ち上がって歩き出せる方、俗に言う「介護保険制度の軽度な方」が対象と思われるかもしれませんが、ベッドから起き上がらせるだけではなく「立ち上がっている状態から座らせて移乗する」という行動がとれます。
ひろた:介護されている方も自分を立ち上げてもらう際に「重さを感じさせて申し訳ないな」という想いがあると思うんですけど、自分自身でベッドの補助を使って立ちあがることができて、そこから座らせてもらうのだったら負担も減りますよね。
ひろた:それから、負担が減ると言えば、介護保険が使えるんですね。
吉野:はい。「離床支援 マルチポジションベッド・固定脚」は、介護保険適用(利用者負担1割)で月額1,650円、専用のマットレスが同じく月額250円ですので、合計1,900円になります。
ひろた:(月額)1,900円でこのベッドが使えるのはありがたいですし、介護保険が使えるとなると助かる方がたくさんいらっしゃいますよね。
吉野:あと、後付けになりますが、コロナ禍の時代においては、ベッド自体が立ち上がりのところまで寄って来ますので、介助する側も接触機会が少なく済むかもしれません。
ひろた:介護する方も楽ですし、介護される方も安心ですね。また、この商品の特徴として、バッテリーが搭載されていますね。
吉野:昨年は台風15号、19号で停電がありましたが、例えばシーティングポジションの状態で万が一停電になりましても、ベッドポジション(寝姿勢)に戻すことができます。
ひろた:これも今の日本の現状にとても合ったものですけれども、もう1つ重要な点として、今まではベッドの上でリハビリをすることはできなかったですよね?
吉野:従来の介護ベッドは、端座位(シーティングポジション)を横に向かってとるのですが、背もたれがありませんから座ったままの姿勢を保ちにくかったのですが、”マルポジ”は、背中が支えられるソファ状になっていますから「立ち上がるという動き」と「足を床につけた状態でリハビリ」が行うことができると考えています。
介護現場の悩みを喜びへ
ひろた:これからどんな風に使っていって欲しいですか?
吉野:幅広い方にご利用いただき、介護現場での負担軽減になって欲しいと思います。
ひろた:すでにたくさんの声も届いているようですね。どんな声が嬉しかったですか?
吉野:「ヘルパーさんが来ないとうちのお父さんを車椅子に移すことができなかった」というご家族さまから「(”マルポジ”を利用したことで)食卓に連れて行くことができた」というお話が非常に嬉しかったですね。
ひろた:笑顔の食卓の映像が思い浮かびますね。
吉野:ベッドはお休みになるところですので、日常生活はベッドから離床していただくことが一番の理想だと思います。
ひろた:ベッドでたくさん良い睡眠を取ることができれば、活力になりますよね。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
介助者の身体的な負担や精神的な負担を軽減するために開発された「離床支援マルチポジションベッド」は、「誰かにお世話される」という利用者の気持ちの負担も和らげ、リハビリ促進を支援することから、急性期病棟への導入や在宅リハビリサービスとの連携も期待される。今後の動きに目が離せない。
「離床支援マルチポジションベッド」の詳細はこちらから
https://medical.francebed.co.jp/brand_site/multi_fit/
※現在はまだお取り扱いの無いエリアがございます。詳しくは、最寄りの営業所までお問い合わせください。
お問い合わせ:フリーコール 0120-083-413
このレポートの模様は、8月2日(日)朝5時から放送のニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」でも放送される予定。
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