黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)にエッセイ漫画家のわたなべぽんが出演。人気シリーズ『やめてみた。』を描くことになった経緯について語った。
黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」、今週のゲストはエッセイ漫画家のわたなべぽんさんです。わたなべさんは、自らの体験を踏まえたエッセイ漫画を描かれていて、6月に累計30万部を突破した人気シリーズ『やめてみた。』の最新作、『さらに、やめてみた。自分のままで生きられるようになる、暮らし方・考え方』を幻冬舎から出版されました。すごい売れ行きですね。
わたなべ)本当にありがたいことだと思っています。
黒木)「やめてみた」ということをテーマに、シリーズで描かれているのですけれども、何がきっかけだったのですか?
わたなべ)ある日、ご飯を炊こうと思ったら炊飯器が壊れていて、「ご飯を炊かなければいけないのに、どうしよう」と思ったとき、そういえば土鍋で炊けるのだよなあと、見よう見まねで土鍋で炊いてみたら、思いのほか上手に炊けてしまったのです。「もしかすると炊飯器はいらないのでは」と思って、新しい炊飯器を買うまでの間、土鍋で生活して行けるかどうかを試してみようと思い、「少しの間だけ炊飯器をやめてみるか」と思ったことがきっかけでした。炊飯器がなくても、不便ではなかったのです。こういう体験から、「実は生活する上で必需品だというようなものも、意外とやめてみても生きて行けるのではないか」と思うようになりました。
黒木)テレビを1日中点けていた、というのもあります。
わたなべ)1日中、BGMのような感じで点けていて、「この番組が始まったということは11時だ」みたいに、時間をテレビの番組で計っていたのです。「きょうはこれが始まったから火曜日」とか、そんな感じで点けっぱなしでした。
黒木)テレビも観たいときだけ、スイッチをオンにするという。
わたなべ)テレビをやめてみた。
黒木)掃除機もありましたね。
わたなべ)あまり広くないのに、掃除機をがらがら引っ張って掃除するのはうるさいし、面倒でした。時間も朝早くとか夜遅くにやると隣近所にご迷惑なので、たまたまフロアワイパーを使ってみたら、深夜だろうと早朝だろうと、好きなときに好きなだけ床が拭けるということがわかって、「もしかして掃除機もいらないかも」と思ったのです。
黒木)それで掃除機をやめてみた、という。これがすごい人気を博して、『さらに、やめてみた。』というものを描かれているのですけれども、人気の秘訣は共感を呼ぶというところでしょうね。
わたなべ)そうですね。「共感しました」という手紙をいただくことが多いです。
黒木)必需品だと思っていたものをやめたことによって、その後に何か気づかされるわけですよね。
わたなべ)自分には合わないと思ってやめて、新しく工夫したことで暮らしやすくなったり、新しく始めることがあったりして、そういうことを皆さんも面白がってくれているのかなと思います。
黒木)何かをやめることによって、自分が見えて来るというか。
わたなべ)そうですね。やめることによって見えて来たり、新しく始めることがあったり、という感じだと思います。
黒木)ゴミ箱をやめてみた、というのもいいですよね。
わたなべ)ありがとうございます。長いこと放置してはいけないようなものを捨てた場合、ちょっと臭くなってしまったりするので、なるべくゴミ箱も少なくしました。
わたなべ ぽん/漫画家
■山形県出身。第6回コミックエッセイプチ大賞・C賞を受賞しデビュー。
■自らの体験を踏まえたコミックエッセイ漫画が大人気の作者。
<著書>
■AVなど成人男性向け商品を取り扱う古本屋の女性店長を務めた経験をコミカルに描いた『桃色書店へようこそ』。
■作画を手がけた『隠すだけ!貯金術』『家計簿いらずの年間100万円!貯金術』。
■自身のダイエット経験を綿密かつ面白く描いた大ヒットシリーズ!『スリム美人の生活習慣を真似したら1年間で30キロ痩せました』、『もっと!スリム美人の生活習慣を真似したら リバウンドしないでさらに5キロ痩せました』、『初公開!スリム美人の生活習慣を真似して痩せるノート術』。
■自身の汚部屋脱出を描いた『ダメな自分を認めたら 部屋がキレイになりました』。
■また『やめてみた。』『もっと、やめてみた。』シリーズも大ヒット!
■最新作は『さらに、やめてみた。自分のままで生きられるようになる、暮らし方・考え方』(2020年6月2日発売/幻冬舎)。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳