防災安全合わせガラスで災害に備える ~台風や地震が起こる前に見直すべきこと

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8月31日(月)からの1週間、ニッポン放送では防災への意識を再確認してもらうキャンペーン“防災ウィーク”を実施する。9月3日(木)には、ラジオ特番「辛坊治郎ズーム そこまで言うか! 防災スペシャル」(ニッポン放送・14時~17時25分)が放送され、板硝子協会の中坂明弘さんがゲスト出演し、自然災害に備える重要性や、人や自宅の被害を大幅に軽減するという「防災安全合わせガラス」について紹介する。

防災安全合わせガラスで災害に備える ~台風や地震が起こる前に見直すべきこと

大きな地震や台風などの災害時、窓ガラスが破損すると、ケガなどの二次被害につながり、避難の妨げにもなる。しかし最近は、割れにくかったり、割れても破片が飛び散らなかったり、被害を最小限に抑える窓ガラスがあるという。

今回、NEWS ONLINE編集部でも中坂さんにインタビューを行い、災害時に高い安全性を発揮する窓ガラスや、業界の取り組みについて聞いた。

――最近の窓ガラスには、私たちにうれしい性能が備わっていると聞きました。

中坂さん:多くの方は、“窓ガラスは雨風をしのぐもの”という目線で見ていると思いますが、最近は「複層ガラス」という、断熱性能があり、結露しにくいガラスで、ほぼ100%の新築の戸建てに使われています。さらにワンランク上の「エコガラス」は、夏の日射をも遮る効果や紫外線をカットする効果もあり、新築の戸建てで8~9割も採用されています。

――昨年2019年、10月10日は「窓ガラスの日」と制定されましたが、どんな思いがあったのでしょうか?

「複層ガラス」「エコガラス」に加えて、「防災安全合わせガラス」という、台風や地震に強いガラスもあるんです。ガラスにはこういった様々な機能があるのに、なかなか一般の消費者さんに知られていません。こうした現状から、窓ガラスの日を制定し、より多く方に窓ガラスに関心をもっていただく、気付いていただきたい、そういう思いがありました。

“10月10日は窓ガラスの衣替え”をテーマに、健康・安全・安心を向上する高機能ガラスに替えることを勧めています。

防災安全合わせガラスで災害に備える ~台風や地震が起こる前に見直すべきこと

――いま、ニッポン放送では“防災ウィーク”を行っており、防災への意識を再確認しているのですが、「防災安全合わせガラス」は、他のガラスと何が違うのでしょうか?

防災安全合わせガラスの最大のポイントは、ガラスとガラスの間に“中間膜”と呼ばれる、1.52ミリ以上の樹脂の膜が入っていることです。

――シンプルな板硝子に比べて、防災安全合わせガラスはどれくらいの衝撃に耐えられるのでしょうか?

建築物などが破壊されて生じる屋根瓦を、ガラスに当てる実験を行いましたが、防災安全合わせガラスなら、瓦が飛んできても貫通しません。

――瓦が当たっても貫通しないのですか!?

そうなんです。これに対して、シンプルな一枚ガラスは簡単に貫通してしまいます。

――防災安全合わせガラスは、割れ方も違うそうですね。

普通の一枚ガラスはバラバラになって床に散乱する、というイメージがあると思いますが、防災安全合わせガラスは割れたとしても、破片が飛び散りません。

――ひびが入るだけ、ということですか?

そういうことです。

――ガラス破片による、ケガの防止になりますね。

ですから、災害時に避難所となる小中学校の体育館に、ぜひ防災安全合わせガラスを入れてほしいという活動を続けているのですが、普及率はかなり少ないです。つい先日に出たデータですが、防災安全合わせガラス、もしくは中間膜が入った合わせガラスが使われている学校は、2020年で2.6%です。つまり、100校あったら2~3校程度しか使っていないんです。

――たったの2.6%しか導入されていないのですね。

普及を進めていかないといけないと思っています。台風で物が当たってガラスが割れると、ガラスが散乱してケガにつながります。多くの人が集まる避難所がそういう状態ですと、近隣の住民のみなさんが避難できないということに陥ってしまいますし、実際にそういうケースがありました。

防災安全合わせガラスで災害に備える ~台風や地震が起こる前に見直すべきこと

――平成29年から、小中学校に防災安全合わせガラスの寄贈を行っているそうですね。

はい。機能ガラス普及推進協議会は毎年寄贈活動をしていて、今年度は、大阪市立今市中学校体育館に防災安全合わせガラスの寄贈を予定しています。例年、寄贈するだけでなく、学校の生徒さんに“出張授業”として防災安全合わせガラスの説明も行っています。

防災安全合わせガラスで災害に備える ~台風や地震が起こる前に見直すべきこと

――防災安全合わせガラスは、災害以外のシーンでも活躍するそうですね。

防災安全合わせガラスの中間膜が防犯性能も持っているんです。泥棒が家に侵入する手口として、ガラス破りが最も多く、普通の一枚ガラスでは簡単に割られてしまいます。一方、防災安全合わせガラスには中間膜があるので、ガラスは割れても、貫通するにものすごい時間がかかり、泥棒が侵入をあきらめてしまう、ということです。また、紫外線を99%以上もカットする特徴もあり、人の肌や、家具を守ってくれます。

――現在、防災安全合わせガラスをBL-bs(Better Living for better society)認証の申請中だと伺いましたが、これはどんな認証なのでしょうか?

ガラス業界の者がどんなに「素晴らしいガラスです!」と言っても、一般消費者さんに伝わらないことがあります。そこで、第三者機関に“優良住宅部品”であると認証してもらうことで、みなさんが少しでも建材として選びやすくなると考えています。

防災安全合わせガラスで災害に備える ~台風や地震が起こる前に見直すべきこと

――実際に、自宅の窓ガラスを見直したい、防災に強い窓ガラスに替えたいという人は、どこに相談すればいいですか?

インターネットで『ガラスタウン』と検索していただくと、各都道府県のガラス屋さんを検索できるので、ご近所の店舗にご相談いただければと思います。また、板硝子協会のHPにも、窓ガラスのさまざまな情報が紹介されていますので、参考にしてください。

――中坂さん、ありがとうございました。

さらに詳しい話は、9月3日(木)放送のラジオ番組「辛坊治郎ズーム そこまで言うか! 防災スペシャル」(ニッポン放送・14時~17時25分)をお聞きください。なお、板硝子協会の中坂明弘さんは、16時ごろ出演予定です。

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