【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第896回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、9月4日に公開された『宇宙でいちばんあかるい屋根』をご紹介します。
第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞 藤井道人監督最新作!
33歳という若さで、「第43回日本アカデミー賞」において最優秀作品賞に輝いた気鋭・藤井道人監督。待望の最新作『宇宙でいちばんあかるい屋根』がついに公開となりました。
小説すばるで新人賞を受賞するなど、多くの読者を魅了する作家・野中ともその大人気小説を映画化したファンタジードラマです。
『宇宙でいちばんあかるい屋根』のあらすじ
お隣に住む大学生・亨に密かに恋するつばめは、ごく普通の14歳の女の子。両親と平穏な生活を送っているかのように見えるが、父と育ての母との間に子どもができることを知り、それ以来、2人の幸せそうな姿がつばめの心にはチクチクと刺さっている。
そんな彼女にとって唯一の憩いの場は、通っている書道教室の屋上だった。
ある日、いつものように屋上を訪れると、つばめの前に見知らぬ老婆が現れる。ド派手な装いでキックボードに乗って空を飛ぶ“星ばあ”に呆気に取られるつばめだったが、やがて恋や家族の悩みを打ち明けるようになり……。
『宇宙でいちばんあかるい屋根』のみどころ
主人公・大石つばめを演じるのは、2021年春の連続テレビ小説「おかえりモネ」のヒロインにも抜擢され、いまもっとも注目を浴びる若手実力派女優・清原果耶。
すでに多くの話題作に出演し、着実にキャリアを積んでいる彼女ですが、意外にも本作が映画初主演作! つばめの揺れ動く心情を瑞々しく演じきりました。
そして、つばめの前に現れた老婆・星ばあ役には、『SAYURI』でハリウッド映画初出演以降、世界を軸に活躍する桃井かおり。自由奔放で不思議な空気を身に纏う星ばあを、実にチャーミングに体現しています。
共演には、伊藤健太郎、吉岡秀隆、坂井真紀、水野美紀、醍醐虎汰朗と注目の俳優陣が集結。懐かしくて愛おしい、奇跡と愛の物語が展開されます。
つばめと星ばあの屋上でのやり取りに、ほんわかと心が温かくなる本作。思春期の少女ならではのつばめの悩み事に対して、人生の大先輩・星ばあが投げかける言葉はどれもユーモアと含蓄があり、観客の心をも解きほぐしてくれることでしょう。
14歳の迷える少女と不思議な老婆の出会いによって紡がれる、ひと夏のストーリーを堪能して。
『宇宙でいちばんあかるい屋根』
2020年9月4日(金)から全国ロードショー
脚本・監督:藤井道人
原作:野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)
音楽:大間々昴
主題歌:清原果耶「今とあの頃の僕ら」(カラフルレコーズ/ビクター)
作詞・作曲・プロデュース:Cocco
出演:清原果耶、伊藤健太郎、水野美紀、山中崇、醍醐虎汰朗、坂井真紀、吉岡秀隆、桃井かおり
(C)2020「宇宙でいちばんあかるい屋根」製作委員会
公式サイト https://uchu-ichi.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/