難しくなった野党共闘~合流新党「立憲民主党」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月11日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。立憲民主、国民民主などで結成する合流新党の代表選で、枝野氏が代表に選出されたニュースについて、ジャーナリストの須田慎一郎を電話ゲストに迎えて解説した。
合流新党~代表に枝野氏、党名は「立憲民主党」
立憲民主、国民民主両党などで結成する合流新党の代表選が、9月10日に行われ、立憲民主党の枝野代表が代表に選出された。新党名は枝野氏が主張した「立憲民主党」に決定した。
飯田)合流新党ですが、代表は枝野さんで、党名は立憲民主党と。宮家さん、これは何が変わったのだと思いますか?
宮家)立憲民主党ではなく、「一見民主党」ではないですか(笑)。
飯田)須田さんは合流新党に関しても取材されていたと思いますが、こうなることは見えていたのですか?
動きは5月から~当初は「丸ごと合流」で進んでいた
須田)計算違いだったのは、当初は「丸ごと合流」だったのです。
飯田)国民民主党の側が。
須田)ええ。この動きが出て来たのは、今年(2020年)の5月から6月にかけてです。そのとき、「なぜこのタイミングなのですか?」と聞くと、「9月に選挙がありそうだから」ということでした。安倍政権下での選挙なのですが、選挙が行われるとバラバラでやっていたら、とてもではないけれど議席数を一定程度確保することができない、選挙に負けてしまうという焦りから、今回の動きが起きました。つまり、選挙互助会なのです。
官公労と民間労組で割れてしまい、難しくなった野党共闘
飯田)なるほど。これで新政権ができて、解散の噂も出ていますものね。
須田)ええ。しかし今回、官公労と民間労組で割れてしまいました。その溝を選挙までに修復できるのかどうか。野党共闘が実現できるのかと言うと、私は相当難しいのではないかと思います。国民民主党に残って合流しなかった人たちは、「やはり共産党とは一緒にできない」と言っている人がたくさんいます。
飯田)「選挙互助会」という言葉がありましたけれども。
宮家)なぜ日本は二大政党制にならないのですかね。私はそれが非常に辛いです。あれだけ改革したはずなのに。今私は悲観的になっているのです。日本で二大政党をやるということは、難しいのではないかと。二大政党制であれば、常に相手と緊張関係にあって、いつひっくり返るかわかりません。そういう緊張感に、我々日本人は耐えられないのかも知れない。だから安定を志向してしまい、自民党に行ってしまう。自民党の中でも「寄らば大樹」になっている。二大政党制が我々に向いていない制度とは思いたくないですが、少し辛いなあと感じました。どちらにしても、「一見」民主党では難しいのではないでしょうか。
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