ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月7日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。菅総理がポンペオ米国務長官と会談したニュースについて解説した。
菅総理がアメリカのポンペオ国務長官と会談
菅総理は10月6日、総理官邸で来日中のポンペオ米国務長官と会談した。菅総理にとっては、就任後初めてとなる対面外交である。会談では、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日米同盟の一層の強化を図ることで一致した。
新行市佳アナウンサー)ポンペオ国務長官との会談後には、オーストラリアのペイン外相、インドのジャイシャンカル外相とも会談を行っています。その後、4ヵ国で外相会談が行われました。大きなテーマになっているのは中国です。
トランプ大統領のコロナ感染にも関わらず、日本だけに訪れた意図
佐々木)ポンペオ国務長官は日本だけでなく、その後は韓国とモンゴルに行く予定でしたが、トランプ大統領がコロナになったので急遽中止しました。日本に来るのをやめてもいいくらいだったのですが、ここで日本だけに来て菅首相と会談したのは、日本を重視している意思の表れです。もう1つ大切なことは、安倍政権とトランプ政権の関係性です。その外交を今後も継続させるという意思表示だと考えた方がいいと思います。朝鮮日報は6日、韓国に来なかったことはショックだと書いています。日米同盟は一枚岩だと証明されました。一方で韓国に関しては、北朝鮮の金正恩委員長とトランプさんの交渉が暗礁に乗り上げたままです。これが今後も進展する見込みがなく、韓国に行っても実りがないだろうということで、パスされたのではないかと朝鮮日報には書かれています。
ポンぺオ国務長官の来日で決定づけられた、「自由で開かれたインド太平洋」という枠組み
佐々木)今回のことで決定づけられたのは、安倍外交がそのまま継承され、更にアメリカのみならずオーストラリア、インド、イギリスなども含め、自由で開かれたインド太平洋という枠組みを堅持して行くということを、日米が確認したということです。これは大きな話です。
有事の際、菅総理がどこまで対応できるか
佐々木)菅さんはこれまで、外交で際立った活躍はしていません。内向きで寝技が得意そうな、古い感じの日本人政治家という感じなので、外交はどうなのかなと思いますが。ここで安倍さんとは違う独自外交をせず、安倍政権で培った日米関係を堅持して行けば、失敗は多くないと思います。ただ心配なのは、有事が起きたときです。突然、偶発的に例えば尖閣で武力衝突が起きたとか、北朝鮮で暴発的にミサイルが発射されるなどということが起きたときです。そのときに菅さんがどこまでリーダーシップを取れるかどうか。どういうブレーンをつけて行くかということが重要になるでしょう。
新行)いま現状では、そのようなことが起きた場合の対応はどうなのでしょうか?
佐々木)軍事衝突に関しては、着々と陸上自衛隊が南西諸島、沖縄の方に向けて離島の奪還作戦を行える体制を整えているそうです。アメリカ海兵隊も、いまやっているような世界戦に展開するやり方ではなく、東アジアに関して言うと、強襲揚陸艦で島に行って奪還するという、尖閣、南シナ海を意識したような展開を始めています。
「日本はこうやるのだ」という国家理念をどこまで持てるか
佐々木)ただ、そのような軍事的な準備と外交的な突発のものに対する備えは別なので、そこをどうするかということは難題です。最終的には、「覚悟」があるかどうかだと思います。「国として、どこまで対応するか」という、国家理念を持てるかということです。政治家は専門性がなくても、そこで覚悟を持って「日本はこうやるのだ」と強く主張できるかどうかというところが重要だと思います。
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