ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月14日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。一部の旅行サイトで割引の上限を引き下げる動きが出ているGo To トラベルに対し、予算の追加配分が決定されたというニュースについて解説した。
Go To トラベル予算の追加配分へ
赤羽国土交通大臣)割引率の引き下げ等を実施している事業者に対しまして、元通り35%の割引商品を継続して販売できるよう、観光庁に対策を講じるように指示をしたところでございます。
政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」で、一部の旅行予約サイトで割引の上限を引き下げる動きが出ていることについて、赤羽国土交通大臣は10月13日、追加の予算を配分する考えを明らかにした。
飯田)大手旅行予約サイトで予算を使い切った、そろそろ予算を使い切るというところで、割引率を下げて期間を延ばそうとしていたのですが、それに対して追加で補強をすると。やはりネットで予約する人が多いということですよね。
高橋)いま店頭よりはるかにネットの方が多いでしょう。私もいつもネットで予約しています。
飯田)算出方法が、業者の前年の実績を鑑みてということでした。コロナの影響がないなかでの旅行販売の実績だったから、少し見込みと違ったということですね。
消費者に直接クーポンを配れば今回のような問題は起きにくい
高橋)そうでしょう。やり方の1つとしてはバウチャーを使う方法があると思います。バウチャーはネットで券を配るなどいろいろ処理できます。
飯田)ネット上でクーポンを配るのですか?
高橋)そうです。旅行者に直接配り、そこで安くすれば一緒でしょう。どこに配るかの話です。従来型は事業者に配るのですが、消費者に配った方がこういう問題は起きにくいです。
飯田)旅行に行く人に直接配るのですね。そうすると使い道も旅行そのものに使ってもいいし、付属するご飯やお土産の購入などに払ってもいい。
高橋)旅行だけで使うにしても、事業者に配るより、消費者に配った方が問題が少ないです。
飯田)どこの事業者を選ぶかということも含めて。
高橋)消費者に任せればいいです。そうすると、事業者ごとの配分は意味がなくなります。
飯田)事前に予測して配る必要がありませんよね。
高橋)結果として、どこかの旅行会社に料金が集まれば、そこが利益を受けます。次回は消費者に配るというやり方を考えた方がいいでしょう。
マイナンバーと紐付ける
飯田)旅行に行きたい人が、ネット上でエントリーサイトのようなものでエントリーすればいいのですか?
高橋)マイナンバーなどがあれば簡単でしょうね。
飯田)マイナンバーの自分の口座に入金されるのですね。
高橋)クーポンがね。いまもクーポンがいろいろなサイトにあります。そこではクーポンを2回出すことはありません。それと同じやり方です。発想を変えた方がいいと思います。
飯田)Go To の話もマイナンバーと口座を紐付ける必要がありますね。
高橋)そうすると簡単です。クーポンを2回、3回と取る人がいるから、それをチェックすればいいのです。1回限りとすればいいのです。事業者に配るという、従来ではないやり方が簡単にできます。
飯田)例の一律の給付金のときもそうでしたが、そういう仕組みがないから1つ1つ手作業で配ることになったりする。
高橋)大変です。事業者の人も面倒だと思います。自分のところにどのくらい来るか予測しながらやらなければなりません。それなら消費者に配って、結果的にどこの事業者を選んでもそこに補助金が落ちるようにした方が簡単です。
4~6月期がボトム~今後どれだけ景気が戻るか
飯田)Go To トラベルでどこまで成果があったのか。当初、東京が入らないこともあって、期待ほどではないと言われていました。全体としては、これから先、効果が出て来るのでしょうか?
高橋)効果が出て来たから、いま大変なことになっているのでしょう。効果が出ていなかったら、このような問題にもなりません。これは効果の裏返しの話です。
飯田)全体として、いろいろな経済的指標が出ていますが、数字として「持ち直しの兆しが」というようなことも言われています。
高橋)4~6月がボトムであることは間違いないでしょう。そこと比べれば、これから出て来る数字は絶対にいいと思います。「デッド・キャット・バウンス」というものです。死んだ猫も叩きつければ上がるというレベルの話かも知れないし、それ以上の可能性もあります。最悪ではないでしょう。
飯田)「持ち直し」という表現になるのは、グラフが立ち上がっているからですが。
高橋)前期比を見れば、それは必ず上がるでしょう。4~6月と同じだったら悲惨どころではありませんよ。それは持ち直します。そういうときに、いろいろな政策をして持ち直しを早くすることが必要です。
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