『博士と狂人』メル・ギブソン×ショーン・ペン 名優が体現する言葉の力

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第918回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、10月16日から公開の『博士と狂人』をご紹介します。

『博士と狂人』メル・ギブソン×ショーン・ペン 名優が体現する言葉の力

『博士と狂人』

メル・ギブソンが20年温め続けた渾身作が、ついに日本公開!

初版の発行まで70年もの歳月を費やし、世界最高峰と称される「オックスフォード英語大辞典」通称OED。その誕生秘話を描いた映画『博士と狂人』が、日本でも公開となりました。

史上最大にして最高の辞書をつくった男たちの実話を元にした、感動のドラマです。

『博士と狂人』メル・ギブソン×ショーン・ペン 名優が体現する言葉の力

『博士と狂人』

『博士と狂人』のあらすじ

19世紀、貧しい家庭に生まれ、独学で言語学博士となったジェームズ・マレー。学士号を持たない異端の学者である彼は、オックスフォード大学で、英語辞典編纂計画の中心にいた。

シェイクスピアの時代まで遡ってすべての言葉を収録するという、無謀とも言えるこのプロジェクト。編集作業は遅々として進まず、困難を極めるなか、謎の協力者が現れる。

その人物は、殺人を犯し精神病院に収監されていたアメリカ人、ウィリアム・チェスター・マイナー。2人の“語学の天才”は、“辞書づくり”という壮大なロマンを共有することで、固い絆で結ばれて行く。

しかし、犯罪者が大英帝国の威信にかけた計画に協力していることが明るみとなり、時の内務大臣ウィンストン・チャーチルや英国王室をも巻き込む事態となり……。

『博士と狂人』メル・ギブソン×ショーン・ペン 名優が体現する言葉の力

『博士と狂人』

『博士と狂人』のみどころ

言語学者ジェームズ・マレーには、監督作『ハクソー・リッジ』でアカデミー賞6部門にノミネートされたメル・ギブソン。彼は原作の映画化に真っ先に名乗りを上げ、構想から20年以上を費やし、本作の映画化に情熱を傾けて来たとのこと。

一方、エリートながら精神を病んだ元軍医ウィリアム・チェスター・マイナー役には、『ミスティック・リバー』『ミルク』で2度のアカデミー賞主演男優賞を受賞したショーン・ペン。

2人の競演は、意外にも何と今作が初。観客を映画の世界へと、ぐいぐい引き込んで行く。緩急自在な、その高い演技力は必見です。

『博士と狂人』メル・ギブソン×ショーン・ペン 名優が体現する言葉の力

『博士と狂人』

マレーとマイナー。2人の人生を絡めながら、辞書編纂作業の過酷さを生々しいほどリアルに描いている本作。

ひとつの単語を辞書に反映させるためには、どれほどの時間と労力と知識が必要か。想像の遥か上を行く“終わりが見えない旅路”を通じて、あなたも言葉の持つ力を感じずにはいられなくなることでしょう。

メル・ギブソンにとって、全身全霊をかけた渾身作。この感動は、是非、スクリーンで。

『博士と狂人』メル・ギブソン×ショーン・ペン 名優が体現する言葉の力

『博士と狂人』

<作品情報>

『博士と狂人』

2020年10月16日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:P.B.シェムラン
原作:サイモン・ウィンチェスター著「博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話」(鈴木主税訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出演:メル・ギブソン、ショーン・ペン、ナタリー・ドーマー、エディ・マーサン、スティーヴ・クーガン
(C)2018 Definition Delaware, LLC. All Rights Reserved.
原題:THE PROFESSOR AND THE MADMAN
公式サイト https://hakase-kyojin.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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