黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に東京都江戸川区の児童相談所常勤弁護士・船崎まみが出演。福祉の実現のために必要なことについて語った。
黒木)今週のゲストは、東京都江戸川区の児童相談所で常勤弁護士をされている船崎まみさんです。仕事へのやりがいは、どのようなところにありますか?
船崎)人の生活を支援する仕事なので、「関わっていたあの子がこんなに表情が明るくなったよ」という話を職員から聞いたり、いろいろ説明を尽くした親御さんから「ありがとうございます。納得しました」というような連絡をいただいたりすると嬉しいですね。
黒木)お家に戻っても仕事をしなくてはいけない、というような場面もあるのですか?
船崎)ありますね。仕事量が多いので。
黒木)これからどんな社会、どんな福祉を実現して行きたいと思っていらっしゃいますか?
船崎)みんなが人間らしい生活をするために、必要な支援を受けられる、そういう社会になって欲しいと思います。
黒木)私たち1人1人ができることというのは、どういうことでしょう?
船崎)生きていると、自分のことで精一杯になりがちだとは思うのですが、自分のことだけではなく、近所で心配な子がいたら、その子のことも考えて、「みんながよくなるように」という意識でいられたらいいのかなと思います。
黒木)1人1人が意識をするということでしょうか?
船崎)みんながいろいろな状況で生きています。目には見えないけれど、大変な問題を抱えている人もいます。そういうところを想像するということが大切だと思います。
黒木)ただ、目に見えない問題は外から見えませんものね。
船崎)そうですね。児童相談所でしたら、学校や保育園など、子どもに日常的に関わる機会がある人たちとも話をして、「こういう様子があったら連絡して欲しい」というように、普段から連携して行くことが大事だと思います。
黒木)司法と、福祉と、地域と……そういう社会がつながって行くといいですよね。
船崎)江戸川区で児童相談所をつくったというのは、まさにそういうところを意識してのことです。弁護士を配置して司法と福祉の連携をする。また、住民に身近な基礎自治体である「区」という単位で児童相談所をやっています。DVの問題などであれば、女性を支援する部署もありますし、生活が苦しければそういう相談を受けられる部署もあります。他にも学校や保育園など、いろいろな部署がありますので、横の連携が非常に取りやすく、地域の人とも連絡が取りやすいです。そういう環境のなかで児童相談所を支えて行けるということは、理想的な姿ではないかと思います。
黒木)もし何かありましたら、「児童相談所に相談してください」というところでしょうか。
船崎)気軽にご相談いただけたらと思います。
船崎まみ(ふなさき・まみ)/江戸川区児童相談所常駐弁護士
■1980年生まれ。東京都足立区出身。
■中央大学法学部卒業。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。
■2007年弁護士登録。東京弁護士会の都市型公設事務所、愛知県岡崎市の法テラス三河法律事務所と公設系事務所に約4年半勤務。
■2012年1月より北千住法律事務所勤務。
■2014年4月から東京・多摩市役所に任期付き職員として勤務。
■現在は東京・江戸川区総務部副参事。
2020年4月に開所した江戸川区児童相談所の常駐弁護士として勤務。
児童相談所常勤弁護士は東京都では初めて。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳