作家で『ゆるパイ図鑑』の著者・藤井青銅が、11月22日(日)に放送された、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)に出演。「夜のお菓子」というキャッチコピーでお馴染みの、静岡県浜松市の銘菓『うなぎパイ』の意外なエピソードを紹介した。
ご当地パイ研究家で、一般社団法人日本パイ倶楽部理事でもある藤井。『ゆるパイ図鑑』では、北海道から沖縄まで全国にある94種ものパイを、写真入りで解説している。パイといえば全国にファンが多い『うなぎパイ』。年間8000万本も生産される大人気のお土産だが、昭和36年の発売当初は売れ行きが芳しくなかったという。
戸田:うなぎパイって“大人のお菓子”って言われているじゃないですか?
藤井:「夜のお菓子」ですね?(笑)
戸田:あ……そう、夜のお菓子!
藤井:素晴らしいコピーですよね。「夜のお菓子」というキャッチフレーズは、昭和36年に発売したときから付いていたそうですよ。ただ、その解釈が違っていて……(笑)
戸田:精力がつくぞ! みたいなイメージ?(笑)
藤井:正しくは、夕ご飯を食べた後に家族団欒で、みんなで甘いお菓子を食べましょう、という意味での「夜のお菓子」なんです。
戸田:3時のお菓子、とかじゃなくてね。
藤井:そう、夕食後のちょっとしたお菓子という感じだったんですけど、これが売れなかったんですよ。ぜんぜん。
戸田:そうなんですか!
藤井:ちょっと高かったらしいんですけどね。でも、「夜のお菓子」という名前が一人歩きするんです。うなぎパイにはガーリックとかもちょっと使われているから。元は、浜名湖のイメージで、ブルーのパッケージだったんです。でも、世間が“ちょっといやらしい夜のお菓子”っていうイメージになっているから、「じゃあそれに寄せちゃえ!」っていうことで、赤、黄、黒のドリンク剤カラーに変えちゃったんです。
戸田:へぇ~!
藤井:そうしたら大ヒット!
戸田:すごく面白い! 私、子供の時は全然そんなことは思っていなかったけど、『これは昼間に食べちゃいけないのかな?』と思っていました。青銅さんが書かれた本『ゆるパイ図鑑』を拝見すると、日本全国、全ての都道府県にご当地パイがあると。
藤井:ありますね。うなぎパイがヒットしたから、みなさん魚介系で作るんですよ。ハモとか、アナゴ、ドジョウとか。
戸田:ハモパイもある?
藤井:そうそう。で、佐賀県にムツゴロウという魚があって、それもパイにしているんですけど、(味に)クセがあるらしいんです。だから、唐辛子とカレー粉で素材の味を消す、ということをやっているんです。
戸田:あはははは(笑)素材の味を、むしろ、消すという。
藤井:いろんなことを工夫しているんですよねぇ。魚介が無い所ではフルーツとか。例えば「りんごパイ」とかね。
戸田:それはおいしそう!
藤井:でも、「アップルパイ」とどう違うんだ? と思ったりもするんですけどね(笑)
戸田:ふふふ(笑)
うなぎパイの「夜のお菓子」というコピーを勘違いしている人が多く、発売当初は売れ行きも伸びず。「それならば……」ということで、ドリンク剤を意識したパッケージに変更したところ、爆発的にヒットしたそうだ。
また、ご当地パイの中には“ご当地の味がしないもの”もあるそうだが、藤井氏いわくそれもアリとのこと。こういった“ゆるパイ”がコミュニケーションツールとなって、「○○の味がするね!」「あれ? ○○の味がしない!」とみんなで盛り上がったり、話のきっかけになればいいのだと語った。
番組情報
女優・戸田恵子が大人のクオリティ・オブ・ライフ(上質で豊な生活)をエンジョイするための「人・モノ・コト」にフォーカスする番組です。
大人の会話が弾むプチトリビア、大人が生活に取り入れたくなる情報をお届けする30分。ぜひお付き合いください。