『燃ゆる女の肖像』名だたる映画人が大絶賛したフランス映画

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第948回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、12月4日に公開された『燃ゆる女の肖像』をご紹介します。

『燃ゆる女の肖像』

18世紀フランス、女性画家と貴族の令嬢の許されざる恋

2019年の第72回カンヌ国際映画祭では、脚本賞と女性監督では初となるクィア・パルム賞を受賞。多くの映画人から大絶賛され、ゴールデン・グローブ賞の外国語映画賞候補にもなったセリーヌ・シアマ監督の最新作『燃ゆる女の肖像』。

2人の女性が織りなす燃えるような恋の物語が、ついに日本でもベールを脱ぎました。

『燃ゆる女の肖像』

『燃ゆる女の肖像』のあらすじ

18世紀。フランス、ブルターニュ。ある貴婦人から、娘・エロイーズの見合いのために肖像画を描くように依頼された画家のマリアンヌ。

結婚を拒んでいるエロイーズに画家という身分を隠して近づき、孤島の屋敷で密かに絵を完成させたマリアンヌだったが、真実を知ったエロイーズは彼女の絵の出来栄えを否定する。

その言葉を受けてもう一度描きなおすことを決めたマリアンヌに、エロイーズは意外にもモデルになると申し出るのだった。

キャンバスをはさんで見つめ合い、美しい島を散策し、音楽や文学について語り合ううちに、2人は恋に落ちて行く。そして、肖像画はあと一筆で完成を迎えるまでに。

しかしそれは同時に、2人の別れを意味していた……。

『燃ゆる女の肖像』

『燃ゆる女の肖像』のみどころ

マリアンヌには、本作でセザール賞にノミネートされたノエミ・メルラン。そしてエロイーズには、シアマ監督の元パートナーで、セザール賞に2度輝いた経歴を持つアデル・エネル。

フランスでいま最も熱い称賛をまとう女優たちが、息が止まるほど愛おしく切ない恋心を体現しています。

撮影には、フランス・ブルターニュ地方の孤島に実際に残っていた城を使用。古城が醸し出す雰囲気もさることながら、2人が肩を並べて歩く海岸、妖しく揺れる焚火、そして2人が身に着けている赤と緑のドレスのコントラストなど、スクリーンに映し出される映像は、どのカットも絵画のように洗練された美しさ。

許されぬ愛に身を焦がす恋人たちの時間を、儚く彩ります。

『燃ゆる女の肖像』

主要な登場人物はすべて女性で、しかも、ヒロインの画家と令嬢、若いメイド、令嬢の母親の4人だけというのも、本作の面白いところ。

そのまま舞台劇にもなりそうなシンプルなつくりでありながら、マリアンヌがキャンバスを抱えて海を渡って来る冒頭シーンからラストまで、作品の持つ力強さと濃密さにぐいぐいと引き込まれて行くことでしょう。2020年必見のアート系作品です。

『燃ゆる女の肖像』

<作品情報>

『燃ゆる女の肖像』

2020年12月4日(金)からTOHOシネマズシャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー
監督・脚本:セリーヌ・シアマ
キャスティング・ディレクター:クリステル・バラ
セット・ディレクター:ドマ・グレゾー
衣装:ドロテ・ギロー
撮影監督:クレア・マトン
編集:ジュリアン・ラシュレー
オリジナルスコア:パラ・ワン、アーサー・シモニーニ
音楽:ジャン・バティスト・デ・ラウビエ
サウンド:ジュリアン・シカール、ヴァレリー・ディループ、ダニエル・ソブリノ
プロデューサー:ベネディクト・クーヴルール
出演:アデル・エネル、ノエミ・メルラン、ルアナ・バイラミ、ヴァレリア・ゴリノ
配給:ギャガ
(C)Lilies Films.
原題:Portrait de la jeune fille en feu
公式サイト https://gaga.ne.jp/portrait/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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