日本がアフリカ地域にするべき支援は「東西交通網の整備」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月14日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。茂木外務大臣のアフリカ4ヵ国訪問について解説した。
茂木外務大臣、アフリカ4ヵ国訪問~安倍政権時代から戦略的重要地
茂木敏充外務大臣は12月14日、アフリカ4ヵ国訪問を終え、帰国の途に就く。茂木氏がアフリカ大陸を訪れるのは、2019年9月に外務大臣に就任してから初めてとなる。8日からチュニジア、モザンビーク、南アフリカ、そして最後の訪問国モーリシャスを訪れていた。
飯田)茂木さんのツイッターを見ると、モーリシャスで例の重油の流出事故を起こしたあの現場にも行って視察をしたということで、「見違えるほど周辺の海が綺麗になっていました」という写真付きの報告も上げていました。
須田)アフリカ地域というのは、安倍政権時代から戦略的重要地と位置付けて、積極的にアプローチをして来ました。政府の訪問団が行く際には、必ず経団連を中心とした財界の訪問団もワンセットで行って、政治・経済の両面から支援・バックアップするということをして来ました。今回、茂木大臣が行かれたということも、その土壌の上に立っているということなので、いきなりアフリカに行ったというわけではありません。
飯田)そうですね。
地政学的にも日本にとって重要な南アフリカ
須田)戦略的な重要性という点で言うと、やはり対中国ということになります。かつてBRICsというブラジルやロシア、インド、中国などの新興国のグループがありました。今回の南アフリカは、それに続くグループに入っていて、ここ近年では、経済成長性の高い地域なのです。地理的にも、アフリカの南端ということもあって、地政学的な重要性も一方ではある。南アフリカとの関係をどのように強化するのかというところが、ポイントになるのだと思います。そもそもアフリカというと、ヨーロッパの勢力下にあったわけですから、ヨーロッパとの関係が近いのです。
飯田)旧宗主国との関係などですね。
須田)南北の移動はヨーロッパを起点としているので、比較的スムーズなのですが、東西の移動が大変なのです。
飯田)航空ネットワークなどを見ると確かにそうですね。
必要とされる東西の交通網の整備~日本が協力できるところ
須田)いまは新型コロナウイルスの問題が発生していますから、東西も南北も同程度に大変なのですが、東西に移動するときは、時間もかかりますし、労力もかかるということで1つの難点だった。逆に考えると、そういう東西の交通網の整備ということも、日本が協力できる1つになり得るのだと思います。アフリカ諸国にとっても、東西交流は難しいところがあるので、それによってどのぐらいの経済効果が発生するのかはわかりませんが、求められているところですので、協力して行く必要があるのではないでしょうか。南北にはヨーロッパの関係でいち早くそういうものができましたけれど。
飯田)ASEAN各国においても、東西のハイウェイをつくる話は日本もプロジェクトに参加してやっていましたよね。あそこも縦に割れていて、横のつながりが経済的にも難しかったけれどつくって行った。そのような実績も日本にはありますね。
須田)それをすることによって、東西の連携が強まれば、経済的にもまた違った局面が生まれますし、そこにジェット機を飛ばす必要はないのです。滑走路も短くて済むプロペラ機で十分です。
飯田)最初はそのくらいのところから需要が始まって行く。
それぞれの国に合わせたきめ細かい経済支援
須田)いきなりジェット機を飛ばして3000メートル級の大型滑走路をつくる必要はなくて、できるところから体制を整備して行くことが必要だと思います。もちろんアフリカ諸国は、「いやいや長い滑走路やジェット機をお願いしますよ」と言うかも知れませんが、結果的に、ジェット機を飛ばせられなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
飯田)距離の短いところに、ある程度の人数を入れて飛ばす。三菱のスペースジェットなどは、まさにそれを目指していたというところがありますよね。少し頓挫してしまっていますが。
須田)そのような点で言うと、日本の貢献できる役割はたくさんありますし、必要とされているのではないでしょうか。中国はドカンとお金も人も資材も出しますが、日本のようなきめ細かいそれぞれの国の成長に合わせた形での経済支援が結果的には根付くのです。
飯田)今回茂木さんはモザンビーク、南アフリカ、モーリシャスと、基本的にはインド洋に近いところや地中海に面したチュニジアのようなところに行きましたが、大西洋側の国々にも手をつけると、また違った広がりが見えて来ますか?
須田)そうですね。日本のためだけではなく、「地元に対してどの程度貢献ができるのか」という視点も持って欲しいと思います。
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