『パリのどこかで、あなたと』SNS時代の新たなラブストーリー

By -  公開:  更新:

【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第952回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、12月11日に公開された『パリのどこかで、あなたと』をご紹介します。

『パリのどこかで、あなたと』SNS時代の新たなラブストーリー

『パリのどこかで、あなたと』

セドリック・クラピッシュ監督最新作!

『スパニッシュ・アパートメント』や『猫が行方不明』などで知られ、現代のフランス映画界を代表する名匠セドリック・クラピッシュ監督。

市井の人々のごくありふれた日常を映し出して来た人気監督の最新作『パリのどこかで、あなたと』が、日本でも公開となりました。パリを舞台に、不器用に生きる2人の男女の成長と出会いを描いたラブストーリーです。

『パリのどこかで、あなたと』SNS時代の新たなラブストーリー

『パリのどこかで、あなたと』

『パリのどこかで、あなたと』のあらすじ

パリのアパートメントで一人暮らしをしているメラニーとレミーは、ともに30歳。がんの免疫治療の研究者として働くメラニーは、過去の恋愛を引きずりながらも仕事に追われる日々を送っている。

一方、倉庫で働くレミーは、同僚たちが解雇されるなか、自分だけが昇進することに罪悪感を抱えていた。そのストレスから、メラニーは過眠症に。そして、レニーは不眠症に。それが原因で、それぞれセラピーに通い始めることになる。

そんななか、メラニーは友人から薦められたマッチングアプリで出会った男性たちと、一夜限りの関係を繰り返していた。しかし、過去の失恋でぽっかりと空いてしまった心の隙間を埋められない。

レニーもまた、職場で出会った女性とデートをするも、うまく距離を縮めることができず……。

『パリのどこかで、あなたと』SNS時代の新たなラブストーリー

『パリのどこかで、あなたと』

『パリのどこかで、あなたと』のみどころ

メラニー役は、フランスの映画・テレビ・演劇界で活躍するアナ・ジラルド。そしてレミー役には、「第72回カンヌ国際映画祭」で将来の活躍が期待される若手俳優に贈られるショパール・トロフィーを受賞した、フランソワ・シヴィル。

クラピッシュ監督の『おかえり、ブルゴーニュへ』で姉弟役を演じた2人が、2度目の共演を果たしました。

隣り合うアパートメントで暮らしながらもお互いの存在を知らず、しかし同じような悩みを抱えている男女。そんな現代の“都会”を象徴するような若者の姿を、繊細に体現しています。

過去の心の傷と向き合い、がむしゃらに行動するメラニー。そして、仕事の悩みやストレスを持ちながらも、前向きに生きようとするレミー。コロナ禍で人との距離を感じてしまういまだからこそ、彼らが抱える孤独や不安に共感を覚える人も多いことでしょう。

『パリのどこかで、あなたと』SNS時代の新たなラブストーリー

『パリのどこかで、あなたと』

「インターネットやSNSを使用することが当たり前となった現代において、普通の人たちが共感できるような“小さなトラウマ”を描きたい」と思ったことが、この映画をつくるきっかけになったと語るセドリック・クラピッシュ監督。

こんな時代だからこそ、人の温もりを感じたい。人と人とがつながること、人と出会えること。その喜びこそが、本作の原動力。

都会の喧騒のなかで、彼らの人生が向かう先は……。是非、スクリーンで確かめて。

『パリのどこかで、あなたと』SNS時代の新たなラブストーリー

『パリのどこかで、あなたと』

<作品情報>

『パリのどこかで、あなたと』

2020年12月11日(金)からYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、kino cinema立川高島屋S.C.館、kino cinema横浜みなとみらい ほか全国順次公開
監督・脚本:セドリック・クラピッシュ
脚本:サンティアゴ・アミゴレーナ
出演:アナ・ジラルド、フランソワ・シヴィル
原題:Deux Moi 英題:Someone, Somewhere
提供:木下グループ
配給:シネメディア
(C)2019 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA
公式サイト https://someone-somewhere.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

Page top