『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だけにとどまらない、マイケル・J・フォックスの魅力

By -  公開:  更新:

【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第851回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

写真は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Amazonより)

いま、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズが再ブームとなっています。

第1作公開から35周年にあたる2020年は、日本でもテレビでシリーズ3作品が連続オンエア。当時熱狂した人はもちろん、初めて作品に触れる若い世代も、時代を超えた名作の虜と化しています。

そんな『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで主人公マーティを演じたのが、マイケル・J・フォックス。

アメリカのテレビドラマ「ファミリータイズ」への出演がきっかけで、一躍スター俳優の仲間入りを果たし、同作で大ブレイク。ドタバタコメディを得意とし、そのベビーフェイスと確かな演技力で、日本でも大人気となりました。

そこで今回は、マイケル・J・フォックスの出演映画を4作品ご紹介します。

※写真はAmazonより

マイケル・J・フォックス、その軌跡をたどる4タイトル

実業界での成功を夢見る青年が、あの手この手を使ってトップへと登りつめて行く様子を描いたロマンティック・コメディ『摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に』。

マイケル・J・フォックスの代表作と言えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズですが、「個人的に好きなマイケル・J・フォックスの出演作は?」と聞かれたならば、私の場合は一も二もなくこの映画。恐らく、彼のファンのなかでも、人気の高い作品なのではないでしょうか。

実は、しがないメール・ボーイなのに、会社の重役に成りすまして出世の道を猪突猛進。一目惚れした彼女には猛烈アタック! 潔すぎるほど真っ直ぐな青年像は、マイケル・J・フォックスお得意のキャラクターといったところです。

ストーリーも単純明快で、痛快そのもの。何度観ても、スカッとした気分を味わえる名作です。

※写真はAmazonより

ベトナム戦争中に実際に起きたアメリカ陸軍兵士による少女強姦殺人事件を題材に、ブライアン・デ・パルマ監督がメガホンを取った『カジュアリティーズ』。

戦争の悲惨でやりきれない現実を描くと同時に、戦場における“罪と罰”の在りかたを観る者に問いかける、衝撃の戦争ドラマです。

マイケル・J・フォックスは、倫理観を貫き、正義のために上官や同僚を告訴する主人公を熱演。公開当時は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のイメージがあまりにも強すぎるがために、本作の兵士役はミスキャストなのではとも囁かれていたとか。

しかしいま、改めて観てみると、そんなことは微塵も感じさせない存在感を放っています。コメディだけでなく、シリアスなドラマもオールマイティにこなすマイケル・J・フォックスの才能の一端に触れることができる作品です。

※写真はAmazonより

マイケル・J・フォックスが一攫千金を目論む美容整形医に扮して、騒動を繰り広げる『ドク・ハリウッド』。

自動車事故を起こし、無料奉仕のため、小さな田舎町の病院で働くことになってしまった主人公が、素朴な住民や診療所の美人助手との出会いを通じて、本当の生きがいに目覚めるヒューマン・コメディです。

本作では、真っ赤なポルシェをご機嫌に運転するマイケル・J・フォックスの姿が。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ではデロリアンに乗ってタイムスリップしたりと、車とは何かと縁があるのでしょうか。そう言えば、日本では自動車メーカーのCMに出演していましたね。

本作が公開された当時、30歳だったマイケル・J・フォックス。人気絶頂、そして俳優としても上り調子だったその年に、パーキンソン病だと診断されました。

この作品はまさに病と闘いながらの撮影だったのだろうと推察しますが、それでもマイケル・J・フォックスの天性の才能を存分に堪能できる1作と言えるでしょう。

※写真はAmazonより

実に7年もの間、病気のことを隠したまま仕事を続けていましたが、1998年、ついにパーキンソン病であることを公表したマイケル・J・フォックス。一時期は、表舞台から距離を置いた感もありました。

その間、パーキンソン病の治療の研究と、この病気の周知のために「マイケル・J・フォックス財団」を設立。自らの生い立ちやパーキンソン病との闘いを綴った自伝「ラッキーマン」は、世界中でベストセラーとなりました。

さらに自身の体調を注視しながら、俳優活動にも果敢にチャレンジしています。声優を務めた映画『スチュアート・リトル』シリーズや、ゲスト出演ながら見事な演技を披露したドラマ「グッド・ワイフ」。

そして「マイケル・J・フォックス・ショウ」で13年ぶりにドラマ主演を務めたことは、世界中で大きなニュースとなり、病に苦しむ人々の希望の光となったことでしょう。

そんなマイケル・J・フォックスがカメオ出演して話題となったのが『ANNIE/アニー』。本人役でチラリと登場するだけではありますが、その生き生きとした姿に感激したファンも多いはず。

そして、ほんの少しのシーンにもかかわらず、日本語吹替版では宮川一朗太が声を担当しているのも、グッと来るポイントです。

 

<作品情報>

摩天楼はバラ色に(写真はAmazonより)

■摩天楼はバラ色に(1987年日本公開)

Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
監督:ハーバート・ロス
脚本:ジム・キャッシュ、ジャック・エップス・Jr、A・J・カロザース
原案:A・J・カロザース
音楽:デヴィッド・フォスター
主題歌:ナイト・レンジャー「The Secret Of My Success」
出演:マイケル・J・フォックス、ヘレン・スレイター、リチャード・ジョーダン、マーガレット・ホイットン
原題:The Secret of My Success

カジュアリティーズ(写真はAmazonより)

■カジュアリティーズ(1990年日本公開)

Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
監督:ブライアン・デ・パルマ
原作:ダニエル・ラング
脚本:デヴィッド・リーブ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ドン・ハーヴェイ、ジョン・C・ライリー、ジョン・レグイザモ
原題:Casualties of War

ドク・ハリウッド(写真はAmazonより)

■ドク・ハリウッド(1991年日本公開)

Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
原作:ニール・シュルマン
脚本:ジェフリー・プライス、ピーター・S・シーマン、ダニエル・パイン
音楽:カーター・バーウェル
主題歌:チェズニー・ホークス「ワン・アンド・オンリー(The One And Only)」(作詞・作曲ニック・カーショウ)
出演:マイケル・J・フォックス、ジュリー・ワーナー、ブリジット・フォンダ、ウディ・ハレルソン、バーナード・ヒューズ、デヴィッド・オグデン・スティアーズ、フランシス・スターンハーゲン、ジョージ・ハミルトン
原題:Doc Hollywood

ANNIE/アニー(写真はAmazonより)

■ANNIE/アニー(2015年日本公開)

Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
監督:ウィル・グラック
原作:トーマス・ミーハン「アニー」、ハロルド・グレイ「Little Orphan Annie」
脚本:ウィル・グラック、アライン・ブロッシュ・マッケンナ
音楽:グレッグ・カースティン
主題歌:平井堅「Tomorrow」 Flower「TOMORROW ~しあわせの法則~」(日本語吹替版テーマソング)
出演:ジェイミー・フォックス、クヮヴェンジャネ・ウォレス、ローズ・バーン、ボビー・カナヴェイル、キャメロン・ディアス、マイケル・J・フォックス
原題:Annie

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

Page top