バイデン次期大統領の当選確定~議会乱入したことはトランプ支持者の「負け」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月8日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。バイデン米次期大統領の勝利を確定する手続きを行っていた連邦議会で、多数のトランプ大統領支持者が建物内に乱入した事件について解説した。

米大統領選でバイデン氏の勝利が報じられた後、ワシントンのホワイトハウスに戻るトランプ大統領=2020年11月7日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

バイデン次期大統領の当選が確定~トランプ大統領支持者が議事堂に乱入

アメリカ連邦議会で開かれていた上下両院の合同会議は1月7日未明、大統領選の選挙人による投票結果の集計を終え、ジョー・バイデン前副大統領を次期大統領に正式に選出した。バイデン氏は1月20日、第46代アメリカ大統領に就任する。連邦議会で審議中の6日午後、トランプ大統領の支持者らが多数乱入し、議事堂を一時占拠、一部は警官隊と衝突した。これに伴い、4人が死亡した。

飯田)銃声が複数聞こえたという報道もありましたし、一部、極左の人も混じっているとも言われていますけれども、こういうことがアメリカで起こるとは驚きました。

奥山)1814年、いまから200年以上前にカナダに駐留していたイギリス軍が入った事件があり、それ以来のことです。

飯田)イギリスとアメリカが戦争をしたという。

奥山)アメリカにとっては非常に不名誉な事件ということで、アメリカの特に左派の人たち、トランプさんのことが嫌いな人たちが「これはとんでもないことだ。大統領を罷免する」と言っていますが、議会が終わってしまったので、これでトランプ弾劾にはならないと思います。これから弾劾すると言っても、1月20日で終わり、トランプさんもホワイトハウスから出て行きますので、その前にやるというのは、シンボル的な意味でしかありません。

飯田)そうですね。

米連邦議会議事堂前に集結したドナルド・トランプ大統領支持者=2021年1月6日、アメリカ・ワシントン 写真提供:時事通信

このような事件を起こしてしまったことは「トランプ支持者の負け」

奥山)4人死んだというのは、日本に置き換えて考えてみてください。国会議事堂で銃撃戦が起こって、撃たれて4人死んでしまう。1人は撃たれて、3人は原因がわからない部分があるのですが、死者が出たということは、とんでもないことだということがわかりますよね。アメリカには、専門家としてメディアに軍事的な意見をアドバイスするコメンテーターの方が多くいらっしゃるのですが、そのうちの1人の方が言っていたのは、「ベトナム戦争のときに反戦デモがすごくて、あのときも100万人くらい来ていた。しかし、そのときでもこのような事件は起こらなかったのに、今回は反戦デモでもないのに、議会に進入してしまったというのは、いままでの人生で初めての経験だ」と。その方は70~80代の方で、ショックを受けていました。

飯田)ありえないことですよね。

奥山)アンティファなどと言われる極左の人が紛れていたというのは、私も一理あるのかなと思うのですが、もしアンティファの人たちが紛れて、議会に突入したとしても、議会の議長席に頭にバイキングみたいなものを被ったコスプレをする人がいたではないですか。

飯田)角みたいな。

奥山)あの人が立って、手を上げて「議会を乗っ取ってやったぜ」という写真が出ていますが、もしアンティファがやったとしても、トランプ支持者の負けということになるのです。あのような写真が撮られてしまった時点で、PR的にアメリカの右派やトランプ支持者はあれで「アウト」ということです。基本的に、トランプ支持者が先導してやったというのは明らかな事実です。これでトランプさんは、次の2024年のタイトル戦に出るのは難しくなったのではないでしょうか。

飯田)仮に左派の人たちが紛れていて、その人たちが暴れ回っていたとしても、そのきっかけは、トランプさんが演説で「共に議事堂に行こう」と言った。それでたくさんの人が流れて行った。ここは否定できないところですよね。

ドナルド・トランプ米大統領=2020年10月12日 AFP=時事 写真提供:時事通信

日本の識者にアメリカの極右勢力の「無駄な情報」が入って来ている

奥山)もう1つ言いたいのは、日本の識者にアメリカの極右勢力の情報が入って来ていて、「トランプさんはまだ逆転できる」と言っている方が、8日の時点でもまだいました。主にネット環境だけなのですが、そういう形で日本にアメリカの分裂した政治状況が持ち込まれている。無駄な陰謀論のようなものが入って来てしまっているということは、嘆かわしい状況だと思います。

飯田)我々はアメリカの大統領選に選挙権があるわけでもない。どうしてこれで日本の国内が影響され、分断されなければいけないのだということですよね。

奥山)ごく一部のネットの話といえば、それまでなのかも知れないのですが、我々はこれから情報戦を戦って行かなければいけない。特に、中国やロシアなどがあるなかで、我々がどうやって戦って行くかというときに、「アメリカの極右の言説に騙されるような日本人を増やしてはいけない」という危機感があります。そういうところでは、冷静にやっていただきたかったと思います。

飯田)これは「容易いぞ、日本は。いくらだってできるぞ」と見えてしまうということですね。

奥山)日本のメディア側にも、正しく情報をすべて言わずに、という部分がありました。日本のメディアが7しか言わず、残る3の部分をネット言論が補完していた部分があると思います。「7は言っているけれど、3は言っていないぞ」と。

飯田)「見えていない部分があるぞ」という。

奥山)ところが、いまはその「3の部分しか」見なくなった人が、今回の大統領選挙で起きていて、あとの7を見ることができなくなってしまった人がいるということが、私は非常に嘆かわしいと思っています。

飯田)両方見ないと全部がわからないし、判断がつかない。

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