2月2日は節分!『鬼滅の刃』をはじめ、鬼にまつわる映画4選

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第973回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

2021年の節分は、2月2日。節分が2月3日以外となるのは、1984年2月4日以来37年ぶり。そして2月2日となるのは1897年以来、124年ぶりという実に珍しい年です。

これは、閏(うるう)年の関係で立春が2月3日となり、それに伴って立春の前日に当たる節分が2月2日になるということ。そして、今後しばらくは4年ごとに2月2日が節分となり、2057年、2058年は2年連続で2月2日となるのだそうです。

……なんて、暦(こよみ)にまつわるマニアックな話をしてしまいましたが、節分といえば、豆撒きですよね。日本では、「鬼は外、福は内」の掛け声とともに、無病息災を願って豆を撒く習慣が伝わっていますが、その豆まきで必ず登場するのが“鬼”。

一般的には“魔物”、“もののけ”、“妖怪”など、人間に悪事を働く異形の存在としてイメージされることが多い鬼ですが、実は「人間に棲む“負”の本性こそ“鬼”の正体」だと、とある映画監督がおっしゃっていたことを、いまさらながらに思い出します。

ちなみに、西洋の悪魔には尻尾がありますが、日本の鬼にはシッポがなく、より人間に近い存在なのだとか。

知っているつもりで、まだまだ知らないことだらけの“鬼”。それでも、私たちの日常の会話やさまざまなシーンで登場する“鬼”。そこで今回は、“鬼”にまつわる映画を4作品ご紹介します。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

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『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』~闇を往く≪無限列車≫のなかで、鬼と立ち向かう!

日本のみならず世界中で注目を集めている“鬼”にまつわる映画と言えば、大ヒット公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。

主人公は、鬼に家族を皆殺しにされたことで日常が一変してしまった、心優しき少年・竈門炭治郎。

鬼と化した妹・禰豆子を人間に戻すため、そして家族を殺した鬼を討つため戦う姿を描いた人気シリーズ初の劇場版で、テレビアニメ版「竈門炭治郎 立志編」最終話のその後の物語が描かれています。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

蝶屋敷での修行を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着。そこでは短期間のうちに、40人以上もの人が行方不明になっていた。

禰豆子を連れた炭治郎、善逸、伊之助は、鬼殺隊最強の剣士の1人、煉獄杏寿郎と合流。闇を往く《無限列車》のなかで、鬼と立ち向かう……。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

兄妹や家族の絆、迫力のバトルシーン、そして主人公の成長物語と、さまざまな魅力に溢れている本作。何よりも、観客の心を捉えて離さない最大の要因は、敵味方関係なく丁寧に掘り下げられた各キャラクターたちにあるといっても過言ではないでしょう。

そして、時に過酷とも思える人の生死や運命と真正面から向き合ったストーリーの底辺にある一縷の希望が、もともとのファンはもちろん“鬼滅”初心者をも惹きつける所以ではないでしょうか。

確かな作画と美術、音楽。あらゆる要素が高いレベルで融合した、いま観るべき1作です。

『泣くな赤鬼』※写真はAmazonより

『泣くな赤鬼』※写真はAmazonより

『泣くな赤鬼』“鬼泣き”必至の感動作

まずは、ベストセラー作家・重松清が手がけた作品のなかで“もっとも泣ける”と言われている同名短編小説を映画化した『泣くな赤鬼』。

陽に焼けた赤い顔と鬼のような熱血指導から、かつては“赤鬼”と呼ばれた野球部監督と、その教え子の交流を描いたヒューマンドラマです。

在学当時はお互いわかり合えていたわけではないけれど、時を経ることで理解できることもある。堤真一がつくり上げた人間味溢れる“赤鬼先生”の姿に、自身にとっての恩師を思い出す人も多いのではないでしょうか。“鬼泣き”必至の感動作です。

『セッション』※写真はAmazonより

『セッション』※写真はAmazonより

『セッション』J・K・シモンズが“鬼教師”役を怪演!

続いては、サンダンス映画祭を筆頭に、世界中に旋風を巻き起こした『セッション』。

世界的なジャズドラマーを目指す青年と、伝説の鬼教師。壮絶すぎる狂気のレッスンを追いかけた音楽ドラマです。

恐怖を通り越して笑いが起こりそうなほどサイコな鬼教師フレッチャーを演じたのは、J・K・シモンズ。相手を罵倒し、ものを投げ、ビンタまで食らわせる“狂気のキャラクター”をパワフルに演じ、第87回アカデミー賞では最優秀助演男優賞に輝きました。

まさに“鬼”と化した教師による狂気のレッスンの果てにみせる、9分19秒にわたるセッションは鳥肌モノですよ。

『ノーカントリー』※写真はAmazonより

『ノーカントリー』※写真はAmazonより

『ノーカントリー』マッシュルームヘアの殺人鬼が異彩を放つ

最後は、独自の作家性で映画ファンを虜にする、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟によるスリラー映画『ノーカントリー』。

偶然大金を手にした男と、彼を執拗に追う冷酷な殺し屋による追跡劇、そして2人を追う保安官の心情を描いたサスペンス映画です。

冷血な連続殺人鬼・シガーを演じたのは、ハビエル・バルデム。暴力のみで世の中を支配しようとするシガーの凶暴性を見事に体現し、その存在感に圧倒されること間違いなし。

緊迫感と恐怖を巧みに演出し、人間と社会の本質をあぶり出すコーエン兄弟マジックが光る傑作です。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

■劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

大ヒット公開中
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
コンセプトアート:衛藤功二、矢中勝、樺澤侑里
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:LiSA「炎」(SACRA MUSIC)
アニメーション制作:ufotable

<声の出演>
竈門炭治郎:花江夏樹
竈門禰豆子:鬼頭明里
我妻善逸:下野紘
嘴平伊之助:松岡禎丞
煉獄杏寿郎:日野聡
冨岡義勇:櫻井孝宏
宇髄天元:小西克幸
胡蝶しのぶ:早見沙織
伊黒小芭内:鈴村健一
不死川実弥:関智一
悲鳴嶼行冥:杉田智和
産屋敷耀哉:森川智之
産屋敷あまね:佐藤利奈
竈門炭十郎:三木眞一郎
竈門葵枝:桑島法子
竈門茂:本渡楓
竈門竹雄:大地葉
竈門花子:小原好美
竈門六太:古賀葵
煉獄槇寿郎:小山力也
煉獄瑠火:豊口めぐみ
煉獄千寿郎:榎木淳弥
魘夢(下弦の壱):平川大輔
猗窩座:石田彰
笠間淳、千本木彩花、江口拓也、山村響、広瀬裕也、高橋伸也、秋保佐永子、仲村宗悟、中恵光城

配給:東宝・アニプレックス
英題:Demon Slayer:Kimetsu no Yaiba the Movie:Mugen Train
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
公式サイト https://kimetsu.com/anime/

『泣くな赤鬼』※写真はAmazonより

『泣くな赤鬼』

■泣くな赤鬼(2019年公開)

Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
監督:兼重淳
原作:重松清『せんせい。』所収「泣くな赤鬼」(新潮文庫刊)
脚本:上平満、兼重淳
音楽:Di'll(北城和美 北城浩志)
撮影:向後光徳
照明:斉藤徹
録音:大竹修二
美術:布部雅人
主題歌:竹原ピストル「おーい!おーい!!」(ビクターエンタテインメント)
出演:堤真一、柳楽優弥、川栄李奈、竜星涼、堀家一希、武藤潤、佐藤玲、キムラ緑子、麻生祐未
(C)2019「泣くな赤鬼」製作委員会

『セッション』※写真はAmazonより

『セッション』

■セッション(2015年日本公開)

Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
製作総指揮:ジェイソン・ライトマン
製作:ジェイソン・ブラム
撮影:シャロン・メール
編集:トム・クロス
美術:メラニー・ペイジス・ジョーンズ
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー、オースティン・ストウェル、ネイト・ラング
原題:Whiplash
(C)2013 WHIPLASH, LLC. All Rights Reserved.

『ノーカントリー』※写真はAmazonより

『ノーカントリー』

■ノーカントリー(2008年日本公開)

Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
監督・脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
製作:スコット・ルーディン、ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
原作:コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」
音楽:カーター・バーウェル
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ロデリック・ジェインズ
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド、ギャレット・ディラハント、テス・ハーパー、バリー・コービン、ジーン・ジョーンズ、スティーヴン・ルート
原題:No Country for Old Men
(C)2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company. All Rights Reserved.

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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